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【テクノロジーで新しい書を考える_11】書道ARメジャーデビュー!!

Lancersが運営する新しい働き方LABでMikiさんとLenovo Glasses T1と書の可能性を探究している。あたらぼの実験が始まって約半年間、試行錯誤を重ねながらAR(拡張現実)書道の作品を作り続け、たくさんの方々に鑑賞してもらってきた。

嬉しいことにアタラボの活動外で書道ARをお披露目できる機会を頂いた。

1. 京都嵐山 天龍寺 宝厳院 茶会

12月 京都嵐山 天龍寺宝厳院で行われる茶会の薄茶席でのお軸を書かせてもらえることになり、折角なので茶室に電子機器を置かせてもらえるようお願いした。お床にスマートグラスが荘られるは、おそらく世界初だろう。

茶席のテーマは『即今只今』。とにかく今に集中すること。過去にとらわれないこと。 人生において大事なことはそれしかない。という意味。

軸のテーマは『今、生々流転』。掛軸はフォトグラファーとの共同制作で、書を挟んだ上下に写真が配置してある。アンダーに撮られたお写真は幽玄なものであったが、茶席のテーマをより感じてもらえるよう、スマートグラスで見る世界には色を挿させてもらった。書の方は、諸行無常の世の中で、一度しかない「今」に集中し、捉えた瞬間瞬間が輝くようにと揮毫した。

床に荘られているスマートグラスから覗いた世界では、文字を構成する線がそれぞれ違う次元に存在しており、真正面から向き合わないと「今」を捉えることはできない。時計に見立てた書字が”今”を迎えたときに、一粒の光が現れる。下方にはキラリと輝く粒が集まってできた大河に彩りが生まれるよう仕掛けを施した。

今まで作品は空間に書字を出現させればよかった。今回は掛軸とぴったりと合わせて出現させなければならない。カメラから取得した画像を解析、空間とオブジェクト(掛軸)を認識し、デジタル情報を表示させるタイプのビジョンベース型ARを採用した。作成の難易度は格段に上がった。その分驚きや感動が大きくなると信じて頑張った。

嬉しすぎる反応

茶室に入り一番初めにお軸の拝見を行うが、異様に荘られているスマートグラスの種明かしは茶席の最後に行った。テーマをしっかり受け取ってもらえたようで安心した。光栄なことにご趣向は好評で、『千利休のやっていたことは、これくらいインパクトがあったのではないか。』、伝統を重んじながらも新しいやり方を取り入れている裏千家茶道において『時代に合わせた作法を受け入れるということはこういうことなのではないか。』と嬉しいお言葉を交わしていた。『凄かった!何とは言わないけど、ふふ♡』と、まだ観てない方に含みを持たせて伝えるお姿は涙が出そうになった。やってよかったー!!


2.『青の洞窟 SHIBUYA』クリスマスマーケット

よくご一緒させて頂いているSHIBUYA Well-beingラボを率いるTama Freedom様とのご縁で、青の洞窟 SHIBUYAクリスマスマーケット神南SLOTH」のテントブースにて、12/11(月)限定でAR書道体験会をMikiさんと出店させてもらった。二人で共同制作した作品をイルミネーションと鑑賞してもらいたかったので、点灯前後で体験内容を変えた。

イルミネーションが点灯17時までは、タブレットを使用してお客様自身が書いた字をスマホを通した現実空間に出現させた。自書が青の洞窟内に浮かぶと皆嬉しそうだった!!

点灯後は、いよいよMiki&濵一蝶 共同制作作品『光』を鑑賞してもらう。

瞬く光、溢れる光、優しい光、鋭い光、様々な光が表現された作品を通して、青の洞窟での光を感じてもらえていたら嬉しい!

現地での様子は、わかりやすいMikiさんの記事をどうぞ


今回、2つも身に余る大舞台をいただき、本活動の背景を知らない方にも体験してもらった。スマートグラスの没入感のおかげもあり、かなり楽しんでもらえた。
引き続きテクノロジーと書の可能性を探り、書の表現を進化させていきたい。



※機材のみ、レノボ・ジャパンから一時貸与を受けたものです。内容はメーカー・代理店から独立して検証・執筆されています。


これまでの実験の様子はこちら

Mikiさんの実験の様子はこちら


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