見出し画像

二つの指輪 ~あのね、これあげるから、もう泣かないで~


今回紹介するお話

「三度目の流産・・・、産婦人科の待合室で人目もはばからず泣いていた妻にどう言葉をかけてよいのか悩んでいた時に4、5歳ぐらいの男の子が・・・」

今回紹介するのは、奥さんが三度目の流産で精神的に落ち込んでいた時に、病院で出会った男の子、そしてお守りとしてもらったという「二つの指輪」について綴った投稿です。
※投稿時期に関して
投稿時期は確認出来ませんでした。

このお話を元にしたYouTube動画がありましたので、併せて紹介していきます。

投稿内容

「もう死にたい…。もうやだよ…。つらいよ…」

妻は産婦人科の待合室で、人目もはばからず泣いていた。

前回の流産の時、私の妹が妻に言った言葉…。

「中絶経験があったりすると、流産し易い体質になっちゃうんだって」

そのあまりにも人を思い遣らない言葉に私は激怒し、それ以来、妹夫婦とは疎遠になっている。

妻は口には出していないが、物凄く辛い思いをしていたと思う。

だから今日まで何とか二人で頑張って来たのだが、三度目の流産。

前回も前々回の時も「また、頑張ろう」と励まして来たが、励ます言葉が妻にプレッシャーを掛けるような気がして、何も言えなかった。

いや、そうではない。今考えると恐らく、三度目の流産を告げられて、子供が居ない人生を私は模索し始めていたのだと思う。

私は、冷淡な動物だ。情けない。

「ごめんね…。でも、もう私、頑張れないかも。もう、駄目だと思う」

待合室に妻の嗚咽だけが響く。

「ううん…○○(妻の名前)が悪い訳じゃないんだから。こればかりは、運だから…」

それ以上、かける言葉が見つからなかった。

その時、妻の隣に4、5歳ぐらいの男の子が座った。

「あのね、これあげるから、もう泣かないで」

その子が差し出した手の上には二つの指輪。恐らくお菓子のおまけだと思う。

男の子「水色のは泣かないお守り。こっちの赤いのはお願いできるお守り」

私「いいの? だって、これ、ボクのお守りなんでしょ?」

男の子「いいよ、あげるよ。ボクね、これ使ったら泣かなくなったよ。もう強い子だから、いらないの」

私「赤い指輪は? お願いが叶うお守りなんでしょ? これは、いいよ」

男の子「これね、二つないとパワーが無いんだって。おとうさんが言ってた」

そう言うと男の子は、

「だから、もう泣かないで」

と言いながら妻の頭を撫でた。

少し離れた所から、

「ゆうき~、帰るよ~」

という彼のお父さんらしき人の呼ぶ声がすると、男の子は妻の膝に二つの指輪を置き

「じゃあね、バイバ~イ」

と言って去って行った。

今時珍しい五分刈頭で、目がくりっとした可愛い男の子だった。

私はその子の後姿をずっと目で追っていたが、ふと隣を見ると、妻は二つの指輪をしっかりと握り締めていた。

迷信とか宗教とかおまじないとか、そう言ったものは全く信じない二人だけど、この指輪だけは、私たちの夢を叶えてくれる宝物に見えた。

その日から妻は、流石に子供用の指輪なのでサイズが合わないため、紐を付けてキーホルダーにしていた。

それから2年半後の今年2月9日、我が家に待望の赤ちゃんが誕生した。

2770グラムの女の子。

名前は、あの男の子にあやかって『有紀(ゆうき)』にした。

生まれる前から、男の子でも女の子でも『ゆうき』にしようと決めていた。

ゆうきくん、あの時は本当にありがとう。

あの時、君に会えていなかったら、君に慰めてもらえなかったら、今、この幸せを感じることは出来なかったと思う。

私たち家族は、君に助けてもらいました。

君から貰った二つの指輪は、娘のへその緒と一緒に、大事に保管してあります。

我が家の宝物です。

うちの娘も、君のように人に幸せを分けてあげられるような子に育って欲しい。

本当に、本当にありがとう。

YouTube

このお話を元に作られた動画がありましたので、一部を紹介します。
※ご紹介する以外にも動画はあるようです。

ニコるん

(2ch)泣き笑いほっこり『LAN』

【笑えるコピペ連発】2chショートまとめ

さいごに

私のnote記事は営利を目的とはしておりません。
単純に涙した話を皆さんと一緒に共有したいと思い記事にしています。

しかしながら「著作権」などの問題がある場合は削除致しますのでお知らせください。
なお、掲載している画像は いらすとや 様、みんちりえ様から頂いています。

最後までゆっくりお付き合いいただきありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?