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パン屋日記 #46 よくできた話

パン屋日記は、縁をつないでくれます。

パン屋日記を読んでくださっている
岡山のパン屋さんが、

ついに広島まで
会いに来てくださいました。


「あの、手ぶらで来るのもなんだと思って」


と言って

カバンから手土産のパン
……ではなく、

一冊の本を渡してくださいました。


「僕はこの本を、
 ブログを書くときの参考にしています。
 よかったら読んでみてください」


ネコに鈴がついた、
素敵なブックカバー付き。

読んだことのないその本を、
ありがたく頂戴しました。


その時はちょうど、かねてから本にしたいと思っていたパン屋日記を仮製本してみたところでした。

しかしながら なかなか良い編集のアイデアが浮かばず、作業は難航。

見かねた友人が、アドバイスをくれました。

「何もアイデアが出てこないと言うことは、
 インプットが足りないのではないでしょうか。
 向田邦子さんとか、いいですよ」

『え?』

「特にあの、父の…なんでしたっけ。
 エッセイの模範のような、
 良い作品があるんです」

恐ろしいほどよくできた話というのを
わたしは、久しぶりに体験しました。


『父の詫び状?』

「そうそう! ああ、ご存知でしたか」


そう、それは2日前に

岡山のパン屋さんが、
わたしにくださった本でした。

状況を打開する賢者の書は、
すでに己の手の中に。

2日ほど前に神さまの手によって、
わたしの元へ届けられていたのでした。

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