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子供が可愛すぎて泣く夜
息子がこのたび五歳になった。
同世代の子達とは身体の大きさ的にも発達面でもかなり遅れをとっている。顔もまだぽちゃぽちゃしてるし、声は磯野家の末っ子なみに甲高い。客観的に見ても「まだまだ小さい子」という感じの息子。
息子はとにかく甘えん坊だ。
なにかと手をつなぎたがり、隙あらば膝の上に座ってくる。
しゃべっている分量が多ければ多いほど機嫌の良さをあらわし、調子がよければずっとピーチクパーチク
〒山の向こう、ネットの海の先
通勤途中、歩きながらふと見上げると山側に虹が出ていた。見た瞬間、その人のための虹だと思った。その人の誕生日の朝に、私に撮られてアップロードされるための虹。自分が手掛けたわけでもない自然現象を携帯電話で撮影しただけで、私はプレゼントを買ってきれいにラッピングを終えた気分になっていた。
私たちはお互いのハンドルネームぐらいしか知らない。メールアドレスさえ、まだ使えるのかどうかわからない。去年のは
息子と病院に泊まったときのこと
子供が二歳のとき、副耳の切除手術を受けさせる決断をした。入院は二泊三日。もちろん子供だけでは泊まれないので、母親である自分が付き添った。
入院初日。病棟の夜は長い。消灯時間は夜九時。それは消灯してから三十分後ほどに起きた。
子供が力の限りに泣き叫んでいる。
今にも寝静まろうとしていた小児病棟に響き渡る、サイレンよりも大きい泣き声。
泣いているのは他ならぬ我が子。
私たちが寝起