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小説の制作プロセスを可視化してみた

 ……ので、一例をご紹介いたします。
 Xでも先日、ポストしたものです。表現を少し修正してあります。
 図中で、青色の「構想」や「キャラ・世界観設定」などが大項目、その下に記載されている内容が小項目です。太字は特に重要な部分です。
 また、図がちょっと見づらいという方のために、以下に箇条書きでも記しておきますのでご参考になれば幸いです。

図:明治依吹

【注意】上図の内容は、いわゆる創作論のようなものではなく、あくまで私の制作プロセスの例です。
 一般的な商業小説(紙書籍・電子書籍)や公募を前提にしていますので、Web小説の場合はダイレクトに当てはまらないことがありえます。ほとんどの項目は当てはまるのですが、たとえばPVやいいね、ブックマークの数などに関係するような内容については言及していない、などです。また、Webの場合は比較的短い文章(数千文字)を定期的に投稿というスタイルが多く、商業小説や公募とは制作の進め方が異なります。
 内容については、やや大づかみの記述で、個別の具体的な対策を記しているわけではありません(挙げきれない)。それでも有用性は高いと思っています。予めご了承の上、ご自身なりに換言してご活用くださいませ。

記:明治依吹

各プロセスの内容

1) 構想

・構想≒空想≒妄想
ジャンル、テーマ、コンセプトなどを決める
どんな読者層がターゲットか想定する
・キャラがはじめに思い浮かぶ人もいるし、シーンやエピソードなどから想像をふくらませる人もいる
 ⇒ それぞれの個性なので、どちらからでも自由に
・キャラ先行の人はキャラに合うような話づくりを、シーンやエピソードなどが先行する人はそれらに合ったキャラを想像する
・公募への投稿を考えている場合は、構想した物語に合う公募を選ぶ or その公募に合わせた物語を構想する

2) キャラ・世界観設定

・構想に沿ったキャラづくりと世界観の設定を進める
・名前、性別、誕生日、血液型、身長・体重、地位・役職などの属性+性格、クセ、強み・弱み、スキル、外見、生い立ちなどを細かく設定する
 ⇒ 特に弱みとクセをちゃんと決めておくとキャラの深みが増す
・主役と準主役以外のサブキャラについてもしっかり設定を決めておく
・現代 or 過去 or 未来、日本 or 他国、地球 or 宇宙など、構想したジャンルやテーマ、コンセプトに合った舞台選び
・日本であればどこの都市や街がモデルなのか、どんな学校・会社か、などの世界観を細かく設定する

3) プロット作成

プロット≒設計図なので、プロットがあると執筆中に迷子になりにくく、完成する可能性が高くなる(=エタらない)
できる限り図表を使って物語の起承転結や序破急、三幕構成を可視化
・シーン単位で「いつ・どこで・誰が・何を・どうする」を言語化
・シーンをつなげたときに違和感がないか、もっと良い流れにできないか、シーンの順番はこのままでよいか or 変えたほうがよいか、など俯瞰的に確認する
・執筆中のプロット修正はよくあることなので、最初から完璧な出来栄えのプロットを目指さないことが重要

4) 初稿執筆

書く、とにかく書く
・「なぁんか面白くないな……」と頭をよぎっても、とにかく完結まで書ききることが最も重要
 ⇒ 書き上がってしまえば、あとでいくらでも修正できる
 ⇒ 最後まで書ききることで自信がつく!
・多少の誤字脱字や文法の崩れ、話の矛盾は過度に気にしない
 ⇒ 推敲・改稿時に徹底的に直すので問題ない、初稿執筆中は勢いが大事
・文章表現の参考となる他作品をいくつかそばに置いておく
 ⇒ 影響されすぎて文体がそのままうつらないよう注意

5) 推敲・改稿

・何度も推敲&改稿する
・大きいところから小さいところへ直していく
大きいところ=章立てやシーンのつながり、シーン内のエピソード
小さいところ=日本語表現、誤字脱字など
・このタイミングで誰かに読んでもらって意見を訊きたい、読者が多ければ多いほどよい
・公募の場合、お金を払ってでも(ココナラなどで)第三者の目による意見をもらいたい
・商業出版の場合、著者による改稿がすべて終わると校正・校閲
 ⇒ 何度かゲラを確認・修正して校了

6) 完成!

・最初に構想したテーマやコンセプトに合っているかどうかを見直す
 ⇒ 制作中にテーマやコンセプトが変わった場合も同様
想定した読者層に楽しんでもらえそうかどうかを見直す、できれば実際に読んでもらう
・公募の場合は、募集要項を遵守できているか何度も確認する
 ⇒ 原稿の体裁や文字数・枚数、カテゴリーエラーになっていないか、など
・時間を置いて自分で読み返して、自分自身が感動できるか、心躍る物語かどうかチェック


Have a happy creative life!!!


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