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大企業にいながらスタートアップへ挑戦 ~きっかけ②Hさんとの出会い~

老舗大企業での新規事業創出を阻む壁とHさんとの出会い

前回のnoteでは、老舗大企業には新規事業の創出を阻む壁があると綴った。今回はその壁について綴ってみようと思う。私は長年、オーラルケアに関する研究をしてきたのもあり、この業界は変革できそうな点が多い&変革すればもっと楽しいものになるのではと思っていたのもあり、社内で与えられた新規事業をやっていいというチャンスを活かして、オーラルケア分野で新規事業を開拓することとした。本業に近いからこそ、社内の壁にぶつかることになるとは知らず。

本業と近い分野の新規事業の難しさ

 イノベーションを掲げる企業は多いと思うが、どういった領域の事業を創出するかで難しさは異なると感じる。私の目指した新規事業は、歯科衛生士を活用したオーラルケアサービスである。自分が所属する企業はオーラルケアメーカーでもあるので、提案した新規サービスは本業と近い分野であるため、当時は社内資産も活用して社内での新規事業化を目指していた。既存事業との相性はいいはずなのだが、そうは簡単には提案が通らないのである。様々なレイヤーに対する相談や提案をしてきたが、主には3つの壁があったように思う。

そんなのできないよ壁?

 オーラルケア領域に限らずヘルスケア業界は、規制領域でもある。例えば、歯科衛生士法や歯科医師法といった法的規制も配慮する必要がある。こうした領域はテクノロジーの進展によってビジネス機会が出来た際には、法律が追い付いていないことも多いため、ロビーイング等も通じてサービスを享受するエンドユーザー(生活者)にとっていいものになるように(損しないように)作り上げていかなければならない。
 しかしながら、老舗大企業ではこうした規制領域にチャレンジするようなアクションは起こしにくい。それは、チャレンジすることで既存組織や仕組みを破壊する部分も出てくる為、それらを恐れて、一歩踏み出しにくいのである。それが「そんなのできない病」である。

壁②それって儲かるの?壁

 大企業では、目の前にある市場で新製品を投入するのは非常に長けている。競合各社がどんな製品をどんなターゲット向けに販売しているかを分析し、その市場で生き残れるように戦っている。その市場が伸長している場合には、新たな市場を創り出すことに目が行きにくい。そうすると既存事業と比較していないつもりでも、「それってどれだけ儲かるの?」という質問がすぐに飛び交うのである。私自身はそうした基盤がしっかりしているうちに新たなホワイトスペースを創り出すことにチャレンジすることこそが、VUCAの時代には極めて大事だと思っている(チャレンジせずして成功せず)。本業の市場で負けて出してから手を売っていては手遅れになるのは自明である。

壁③似たようなアイデア過去にもあったから壁

 私自身、決して名だたる実業家のようにビジネスセンスがあるかといったらそうでもないし、学者のような自頭が良いとも思っていない。極めて普通の凡人であるので、新規事業アイデア自体は自分がほしいなぁと思ったものをベースになっているし、iPhoneのように過去に誰もが思いつかないサービスかと言われたらそうでもない気もする。しかし、世の中に自分が考えるサービスもないのも事実なのである。僕自身はそのサービスを創りたいという一心で相談をするが、「似たようなアイデア、過去にもあったけどうまくいってない」と芳しくない顔をされるのである。ここについては過去の提案ではどこかダメだったかの分析をすることで、最終的にスタートアップに出ることを承認されることになる。

今のスタートップ代表との出会い

 上記のような壁があり、当時一緒に検討していたメンバーも去っていく中で、ある出会いが僕を救ってくれたのである。当時、新規事業創出に並々ならぬ思いをもっていた先輩Fさんが、社外にも同じような構想を考えているからと現在のスタートアップの代表Hさんに繋いでくれたのである。
 彼は、事業として設けること以上に、このオーラルケア業界をもっと変えるべきという信念が言葉の端々から感じられ(これは今も)、「できないじゃなくて、やるんだよ」「生活者が喜べば絶対に後々ビジネスにはできる」「アイデアじゃなくいかに行動に移すか」と、今まで自分でモヤモヤしていた気持ちを打ち破ってくれたのが彼でした。

スタートアップでチャレンジする決意

 結局のところ、社内の壁もあったのはあると思うが、それを言い訳にしていた自分もいたように今になっては思う。自分が変わるきっかけを作ってくれた先輩Fさん、スタートアップ代表Hさんには感謝している。Hさんの出会いからスタートアップにチャレンジする決意をしようとするのであるが、決意をしてから社内提案するのに一苦労。それは次回にでも。


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