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心理学から学ぶ “睡眠学習”

みなさんも一度は“睡眠学習”という言葉を聞いたことがありますよね。

睡眠学習と聞くと「寝ているだけで勝手に勉強が捗る」なんてイメージがありますが実際はどうでしょうか?
今回は睡眠学習についてお話していきます。

■睡眠と記憶の関係

夢をみる時の浅い眠り「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」のうち、どちらが学習に重要な役割を果たすのか――。寝ている間に脳が学ぶ仕組みの一端を、米ブラウン大の佐々木由香教授らのグループが明らかにした。国際科学誌ネイチャーニューロサイエンスに発表した。
睡眠が学習や記憶に重要な役割を果たすことはわかってきたが、その詳しい仕組みは謎で、レム睡眠とノンレム睡眠の役割も長年、議論になっていた。研究グループは、18~30歳の81人の被験者に参加してもらい、画像を使った「視覚学習」を使って脳の働きを調べた。雑多な線で見分けにくくした、しま模様を繰り返し見せ、しま模様の方向の識別率を上げる訓練で、意識しない間に脳が学習したことを客観的に調べることができる。
 学習Aの後にテストをして、90分寝てもらい、脳波で睡眠のパターンを測りながら、視覚をつかさどる脳の領域の働きをMRIで調べた。睡眠後に再び学習Aのテストをした後、別の視覚学習Bを行った。MRIで調べると、ノンレム睡眠の間は通常より、その領域が興奮していることが観察された。脳の中で学習が繰り返され、神経細胞の新しいつなぎ目ができ、神経回路が変化しやすい状態になっていると推定された。興奮の変化が大きい人ほど、睡眠後に学習Aの成績がよく、ノンレム睡眠中に学習を繰り返していることが示された。
一方、レム睡眠の間は通常より抑制的になり、神経回路が変化しにくい状態になり、学習したことを固定、記憶していると推定された。レム睡眠があると、学習Bを行った後も学習Aの効果が残っていたが、レム睡眠がないと、BによってAの効果が消されてしまうこともわかった。「ノンレム睡眠かレム睡眠の一方だけが効くのではなく、ノンレム睡眠で学習し、レム睡眠でその効果を固定し、両方が相補的な役割を果たしていることがわかった」と佐々木さんは話している。(瀬川茂子)

■子供はよく眠る

上記のようにノンレム睡眠かレム睡眠の一方だけが効くのではなく

ノンレム睡眠(深い眠り)で学習し

レム睡眠(浅い眠り)でその効果を固定し

両方が相補的な役割を果たしている

とあるように睡眠と記憶は密接な関係にあります。

小さい子供ってよく眠りますよね?

これは毎日すべてが新鮮で新しいことばかりで、常に刺激を受け続けているため物凄い量の情報を整理するためです。
これがいわゆる“睡眠学習”のようなものになります。

みなさんも子供時代はなんでもスポンジのようになんでも吸収していたのではないでしょうか。

■大人になると失われる能力?

ではなぜ大人になるとこの能力が衰えてくるのでしょうか?

これは現代のストレス社会が大きく関係しています。

子供の頃は個人差はあれど

よく食べ

よく遊び

よく学び

よく眠る

という生活をしていましたよね。

子供は自然と心身共に最高のパフォーマンスを発揮できる生活をおくっているのです。

一方大人は、、

“偏った食事”

“ストレスフルな毎日”

“仕事に追われ”

“短い睡眠”

、、、

心身共に良くない生活ですよね。

この生活リズムから大人はノンレム睡眠による学習が子供に比べ著しく劣っている為、なかなか睡眠学習というものができなくなっているのです。


■さいごに

それでもやはり睡眠学習ってできたら良いですよね?

そのためには規則正しい生活と食事と運動が必須になってきます。

この生活のリズムがしっかり身に着いた頃には睡眠学習といわず、通常の勉強もかなり捗るようになっています。

是非みなさんも明日から試してみてはいかがでしょうか。


 

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