見出し画像

HR豆知識Vol.28 "Japan is Different"を言い訳にしない

なぜ書くか

様々な情報が飛び交う現代において重要になる中、日本に住む約1億人にはグローバルでの最新の取り組みやトレンドを学ぶ機会が多くありません。Every Inc.では「HRからパフォーマンスとワクワクを」というビジョンを掲げ、グローバルな取組みやアカデミックな文献からD&Iに関する歴史、取組み、事例など”日本なら”ではなく、”グローバルスタンダード”な情報を提供しています。


何を書くか

今回は弊社がご提供しているEvery HR Academy~経営と人事を繋ぐHRBP養成講座にて、第五期の特別講演の様子やメッセージを皆様に共有したいと思います。

画像1


”Thriving from Work (生き生きと働く)” 

私の留学時代の恩師で、Haas School of Business, UC Berkeleyで40年教壇に立つCrisitina G Banksが昨年に続き、講演を講座受講者である私たちの為だけにしてくれました。彼女の昨今の研究である「Build to Thrive: How to build the Best workplaces for Health, Well-being, & Productivity」について、どのようにワクワクするような職場、生き生きとするような職場を作れるかという事についてレクチャーして頂きました。

(彼女のプレゼン一部)

スクリーンショット 2021-12-10 163018

まず、このセッションで特に印象に残った事はHRとしての問いの立て方の重要性でした。Thriveできる職場というものは、

・つながり(会社・仕事・ヒト)
・柔軟性
・予測可能性
・居心地の良さ
・公平性
・安全
・プライバシー

の要素が必要であると述べます。しかし、以下の注意点があるということ。

What do you want?(何が必要ですか?)」と質問をしてはいけません。

その代わりに、「What makes you feel connected?(何があなたに会社や同僚とのつながりを感じさせますか?)」と質問をしましょう。

不足するものの確認ではなく、従業員個人が主体的に考えるきっかけを与えることが重要です。

小さな心がけではあるものの、これこそHRがビジネスパートナーとしてコンサルテーションを行うスキルになるなーと感じました。


”Japan is different"を言い訳にしない

続いて、アステラス製薬の杉田様に人事としての心構えや必要なスタンスをこれまでの経験からお話頂きました。

画像3

杉田 勝好(すぎた かつよし) 様

アステラス製薬株式会社 EVP, Head of HR京都大学卒業後、旭化成にて「人事労務の基本=ビジネスへの貢献」を学び、また、MBA留学を経て「Lifetime learningの必要性」を痛感し、Growth mindset & Learner behavior がその後のキャリアにおける行動原則となる。「より難しい挑戦」を続け、J&J、マイクロソフトなどで日本法人の人事リーダーシップを経験し、2021年5月から現職にてグローバルな人事組織をリードする挑戦中。モットーは、Hope for the best and Prepare for the worst と、Just do it - Life is too short to wait.

特に私が印象に残った言葉は

「"Japan is different"を言い訳にしないことが大事。」
「Hope for the Best and Prepare for the worst(最悪のケースに備えるだけでなく、ベストな状態を描こう)」

という事でした。日本がかつて高度成長期であった時代、よくJapan is differentという言葉が使われ、○○した方が良いのでは?というグローバルからの指摘に対して、断り文句のように使われていたそうです。(当時はJapan is Specialという意味合いです)

さらに、

勿論、国別の文化や商習慣などは違いますが、現在は世界がもっと繋がりやすくなり、同じ問題意識を持つ社会になっているからこそ日本も世界と同じような問題意識を持つ必要性がある、またグローバルのスタンダードをきちんと知っておくことが重要である

と仰って頂けました。


今回シェアさせて頂いている内容は一部ではあるものの、こういったメッセージを日本のHRのトップの方々から聞けるという事、そしてその方々と直接的なやり取りをして頂けるという事がこの講座の素晴らしい点だと思っているのです。正直、私自身が学びたいからという点も十分にありますが笑、とっても学びになる3時間でした。


最後まで読んで頂き有り難うございました。

少しでも、誰かのためになっていると嬉しいです。


私は誰ですか?著者:松澤 勝充

図1

神奈川県出身1986年生まれ。青山学院大学卒業後、2009年 (株)トライアンフへ入社。2016年より、最年少執行役員として組織ソリューション本部、広報マーケティンググループ、自社採用責任者を兼務。2018年8月より休職し、Haas School of Business, UC Berkeleyがプログラム提供するBerkeley Hass Global Access ProgramにJoinし2019年5月修了。同年、MIT Online Executive Course “AI: Implications for Business Strategies”修了し、シリコンバレーのIT企業でAIプロジェクトへ従事

2019年12月(株)トライアンフへ帰任し執行役員を務め、2020年4月1日に株式会社Everyを創業。企業の人事戦略・制度コンサルティングを行う傍ら、UC Berkeleyの上級教授と共同開発した3カ月プログラムで、「日本の人事が世界に目を向けるきっかけづくり」としてグローバルスタンダードな人事を学ぶHRBP講座を展開している。

頂戴したサポートでHRプロフェッショナルを目指す人々が学び続ける環境・場所・情報を作りたいと考えております。少しのサポートで活動が継続できます。大変ありがたいです。