Vol7.「KSA」って知っていますか?
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Vol7.「KSA」って知っていますか?

【Fun with HR】HRをHackするMasaのnote

なぜ書くか

様々な情報が飛び交う現代において重要になる中、日本に住む約1億人にはグローバルでの最新の取り組みやトレンドを学ぶ機会が多くありません。Every Inc.では「HRからパフォーマンスとワクワクを」というビジョンを掲げ、グローバルな取組みやアカデミックな文献から面接に関する歴史、取組み、事例など”日本なら”ではなく、”グローバルスタンダード”な情報を提供しています。


「KSA」って知っていますか?

こんにちは、株式会社Everyの松澤です。

このメルマガでは、アカデミックな視点で面接を解説しています。今回は、その中でも採用の基準として使われる「KSA」というものの構造や特性について解説をしていきます。

皆さんは、自社の採用基準をどのように整理されていますか?

  • 熱い

  • かしこい

  • 冷静

  • コミュニケーション

  • リーダーシップ

さまざまな表現で採用基準を設定されていると思います。一方で、論理的に整理することの難しさがありますよね。「熱さ」と「リーダーシップ」が目標に対して主体的に動けるかどうか?という要素がかぶっているかもしれません。この漏れやダブりに目をつぶり、「熱さ」の定義を加えるだけで面接官の独自な基準で評価してくださいとアナウンスがされているかもしれません。

このような状況では、「敢えて項目を分けるほど評価がばらつかない人」と「暑さとリーダーシップは評価観点が異なる人」が発生します。これもよく面接における課題の一つの「面接官同士の評価基準のズレ」などの原因です。


私が在学していたUC Berkeleyのビジネススクールでは、採用基準というものを「KSA」という言葉を使って説明されており、アメリカの採用では非常に一般的な整理です。

K:Knowledge(知識)
S:Skill(技術)
A:Ability(能力)

  • 知識として、何を求めるか?

  • 技術として、何を求めるか?

  • 能力として、何を求めるか?

この3つを整理して選考していきましょう、というのが正攻法になります。なぜでしょうか?


それは、見抜きたい項目によって測定方法が異なるからです。


例えば、海外の野球選手をスカウトしているとしましょう。書類上(履歴書や職務経歴書)には野球選手としての実績が書いてあるとします。輝かしい成績を収めており、自分達のチームに相応しい内容です。次にスカウトは何をしに行くでしょうか?


そう、現地に見に行くのです。これが最も信頼できる情報である「Work Sample」と呼ばれるものです。

では、仮に面接のみが選考手法として取れる選択肢だけだとします。面接であれば、なぜこのような成績を出せたのですか?とその深掘りをしていきますよね。応募者はその質問に対して「出来る限り話に脚色を加えて」回答します。これは別の問題ですが、本音を100%引き出すことは100%無理であると考えた方が良いです。


話を戻します。逆に、面接で「実際にバッティングしてください」という面接官は少ないのではないでしょうか?この現象がスポーツ以外の採用の現場でも起こります。グループディスカッションでは「集団コミュニケーション活動におけるリーダーシップ」を測定することが出来ますが、1on1の面接では「集団がない為」に「Work Sample」とはなりません。しかし其れを省みず、「出来る限り面接で」見抜こうとしてする為、結果的に誤った評価をしてしまうのです。だからこそ、KSAという整理で「採用基準を言語化」し、それぞれに最適な手法で選考を行っていく事が望ましいのです。


「採用基準を言語化する」という事は一見容易に見えるかもしれませんが簡単ではありません。日本の独自の考え方では「コンピテンシー」というもので包括的に表現されることが多いですが、その整理の仕方は非常に曖昧で、コンサルティング会社独自の整理基準となってしまう事が少なくありません。


Cristina G Banksの説明では、パフォーマンス= 「KSAs」×「モチベーション」と表現されており、私自身は非常に分かり易いなという印象を当時受けました。また、Human Performance Technolgyの専門家であるトーマス・ギルバートは以下の様にパフォーマンスを表現しており、類似する点があります。

この定義を車に例えれば、モチベーションはガソリンのようなもので増えたり減ったりするもの。一方で「KSAs」はエンジンです。エンジンは性能です。そして故障がない限り、ある程度誤差が少ない状態で予測できます。

だからこそ、採用では「KSAs」にフォーカスするのです。選考の目的は将来を正しく予測することですが、より普遍的な領域にフォーカスを当て、最大限、選考精度を高めていくことが求められます。

Copyright © 2021 Cristina G Banks and Masamitsu Matsuzawa All Rights Reserved.


<その他参考情報>

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著者:松澤 勝充

神奈川県出身1986年生まれ。青山学院大学卒業後、2009年 (株)トライアンフへ入社。2016年より、最年少執行役員として組織ソリューション本部、広報マーケティンググループ、自社採用責任者を兼務。2018年8月より休職し、Haas School of Business, UC Berkeleyがプログラム提供するBerkeley Hass Global Access ProgramにJoinし2019年5月修了。同年、MIT Online Executive Course “AI: Implications for Business Strategies”修了し、シリコンバレーのIT企業でAIプロジェクトへ従事

2019年12月(株)トライアンフへ帰任し執行役員を務め、2020年4月1日に株式会社Everyを創業。企業の人事戦略・制度コンサルティングを行う傍ら、UC Berkeleyの上級教授と共同開発した3カ月プログラムで、「日本の人事が世界に目を向けるきっかけづくり」としてグローバルスタンダードな人事を学ぶEvery HR Academy (HRBP養成講座)を展開している。



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