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HR豆知識⑩KSA

今回は「Job型」のHRMを進めていく中で必須の知識についてご紹介していきます。


皆さんは「KSA」という言葉をご存じですか?


KSAとはアメリカ型のHRMで使われる概念で以下の要素をまとめたものになります。

K…Knowledge(知識)
S…Skill(技術)※後天的要素が強く学習機会によって強化されやすい
A…Ability(能力)※先天的要素が強く時間をかけて発達されるもの

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Kは非常にわかりやすいのですが、SAは混乱しやすいものです。

Skill…走る(学べばすぐできる)
Ability…速く走るための筋力(時間をかけて開発する)

従って、Skillは即効性がありすぐ使える大前提のようなものですが、Abilityは深く幅広いものになります。日本でよく使われるコンピテンシー(リーダーシップや目標設定力)などはAbilityの部類が大半かもしれません

Job型HRMの推進には「ポジション」のJob Analysisが必須

アメリカのJob型HRMは組織というものを箱で表現します。その箱には、それぞれ必要なCapability(能力)が紐づいており、所謂ジョブ・ディスクリプションと呼ばれるものになります。これは別の表現では「キャリアラダー」とも呼ばれるものであり、組織として夫々のポジションで成果を出すことを促進しながらも、社員にとってもどのようなキャリアパスを歩めるポジションなのかが明確になるものとして一般化されています。

<キャリアラダーイメージ>

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そして、Job Analysisでは具体的には以下のような整理がされます。

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HRは現場に出る。机を離れる。

どうしても現場頼みになってしまったり、ヒアリングのみとなってしまうこのJob Analysisですが「HRは現場に出る。机を離れる。」ことが最も重要なアクションです。

野球をやったことがない人が、野球で必要な能力を深いレベルで理解する事ができないのと同じです。

Job Analysisのプロセスは以下のようなプロセスです。

0.仕事を観察する、実際にやってみる + ヒアリングする
1.仕事のWhat・How・Why・Whenを言語化する
2.上記に必要な“行動”を言語化する
3.行動に伴い使用するツール(Mac book or windowsを使う、Power point、口頭での商談、C++を使う)も言語化する
4.レベルごとの行動基準(高いパフォーマンスの人は...、低い人は...)を言語化する
5.1-4を通じて、「知識・技術・能力(KSAs)」を要約する
6.現場責任者と議論し修正する

欧米型は適所適材。アジアは適材適所。


最後に、日本でJob型というものの移行が簡単に移行できない理由の一つをご紹介します。


適材適所は日本型で、「人」を軸に仕事を考えたり異動配置を決定します。一方で、欧米型は適所適材で「仕事やポジション」に対して、人を当てこむのです。


この考え方の違いがあるからこそ、非常に難しいパラダイムシフトとなるのです。


Job型のメリットは、自社が現在持っているリソースではなく、組織の戦略に必要な能力を0ベースで考えられる発想力の広さです。人を育成するのか採用するのかどうかを必要な能力から考えられるので、組織戦略の実行と整合した意思決定ができます。


Job型HRMを展開されたい方に参考になっていれば嬉しいです。



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