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醸造のメモ書き①

Whirlpool Hopについて

醸造を本格的に始めて2年目の今、Whirlpool Hopについて思うこと。

そもそも、Whirlpool Hopする時の目的は大きく分けて2つあると思ってて、
まず一つは苦味を与えずにビールにアロマを乗っけたい時。ホップのα酸が主な苦味の元で、
熱が加わることによってホップが異性化して苦味成分に変わるんだけど
煮沸中に入れればいれるほど苦くなっちゃうから、苦味じゃなくてアロマをのっけたい時に
そしたら温度落としてたくさん入れればいいじゃん、って感じ。
温度が低ければ苦味がつかない(ほとんど)。
じゃぁどれくらい低ければいいの?

この問いの答えが大体80℃くらい。
じゃぁ80℃以下にすればいいか、ってことで78℃とかでやるブルワリーも結構あると思うんだけど、(自分もその意見だった)
体感的に、78℃は低すぎるんじゃないかなって最近は思ってる。

理由としては、これは本当に他のブルワリーのビールを飲み比べたり、自分のつくったビールを飲み比べたりしながらなんとなく思ってることなんだけど
78℃とか、その付近の温度帯でホップたくさん入れると、確かにアロマは出てるんだけど、なんか苦味もあるし、フルーティーだけど
その苦味とフルーティーのギャップを感じることがある。ホップの生っぽい感じというか、青っぽさとかも感じる気がしてる。

じゃぁ何度でWhirlpool Hopするの?って問いには今のところ82℃くらいがいいんじゃないかと思ってる。
82℃だと、もちろん苦味も少しついちゃうんだけど、それもいいかな、って。
煮沸中にホップいれるタイミングも、シンプルにIBU値だけ見ればFWHで必要量だけ入れればいいけど
FWH、煮沸30分後、50分後、煮沸終直後、みたいな感じで分けて入れた方が苦味のグラデーションが出るし、
Whilpool Hopを少し苦味もつく82℃で入れるのも、この苦味のグラデーションに効果がある、ってのが今の見解。

もしかしたら1年後には全然違うこと思ってるかもだけど、とりあえず今はね。


もう一つ、Whirlpool Hopを入れる理由はBiotransformationの為。
すごく長くなっちゃうから、すごい省いていうと
酵母が発酵終わった後に、代謝を始めて
その酵母の代謝の過程の中で、ホップの成分も変化するっていうのがBiotransformation。
有名なのだとゲラニオール代謝とか。(今度復習も兼ねてここらへん深掘りしないと。)
ホップの成分が本当に複雑で、どこのタイミングでどれくらい、どのホップの組み合わせで、とかで出せる香気成分とか役割が全然違っていて
シンプルにアロマが欲しいだけならドライホップでいれるだけでいいじゃん、とかとも思ってたけど
このBiotransformationを知ってから
出したいアロマとかフレイバーによってどのタイミングでホップいれるかとかめちゃくちゃん大事じゃん、Whirlpool Hopめちゃくちゃ意味ある!みたいに考えが変わった。


ということで、まとめると今のWhirlpool Hopの最適解は82℃で25〜40分、2〜4g/Lかな。
ここの時間とホップの量はまだ悩んでるけど。

そんな感じで、次回はBiotransformationについてのメモ書きしようかな、、、

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