プラトン哲学をわかりやすく解説【イデアから国家論まで】
哲学の王と呼ばれるプラトン。
20世紀英国の哲学者ホワイトヘッドは、「西洋哲学とはプラトンへの長い脚注にすぎない」とまで言っています。それほどまでに後世への影響力が絶大。
じゃあプラトンは具体的に、どんな思想を展開したのでしょうか?
ざっくりと解説しようと思います。
ちなみに僕は岩波文庫で入手できるプラトン作品はすべて読んでます。マイナーな初期作品も英訳版で読破。
彼の作品は対話篇と呼ばれ、劇みたいな文学作品としても読める。初心者にもおすすめできる哲学書です(どれか1冊だけなら『パイドン』をすすめる)。
ソクラテスからプラトンへ
プラトンの師ソクラテスは、それ以前の思想家とはまったく違う思索をしました。
人間の徳とはなにか。人間にとって魂の卓越性とはなにか。こういうことを問題にしたんですね。
彼以前の思想家が世界の根源、自然のコアを追求したのに対して、ソクラテスは人間の生き方に視点をうつしたのです。
すくなくとも、これがプラトンの理解。
そしてプラトンはこのソクラテスの姿勢を引き継ぎます。
徳とはなんなのか?
これがプラトン哲学の一大テーマとなっていきます。
これを探求するためには従来の自然学とは別のアプローチが必要になってきます。自然と人間の徳では、そのありさまが異なるわけですから。
自然界の事物の「なんであるか」を追求するのと、人間の徳の「なんであるか」を追求するのはレベルが違う。徳そのもの、徳を徳たらしめる本質を探求しなくてはならないというわけです。
ここで登場するのが「イデア」と呼ばれる発想です。
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