友達がモバイルプランナーになりかけた話①

こんにちは。5月なのに気候が安定しない日が続くが、いかがお過ごしだろうか。

最近3年生になり、私の周りでは就活の話題が増えてきた。

先輩から来る就活セミナーへのお誘い、ストーリーで自分の長所を聞く人、大学院進学率のアンケートを取る人…など様々だ。

その中で、とある私立文系大生の友人から、興味深い話を聞いた。それは、かねてからよく見かけていた『iphone12安く売れます!』というインスタのストーリーの裏側だった。

そう、いわゆるモバイルプランナーである。

先に言っておくが、この話を聞かせてくれた友人は普段ならこのような胡散臭い話に引っかかるタイプではない。

だが、就活という目には見えないが確実に迫ってくるもの、しかも実態が不確実でイメージが付きにくいものを前にして、焦った部分もあったのだと思う。

また、話を聞く限りでは心理学を応用していたりとかなり勧誘が上手かった。これは何も知らず就活に焦る学生は騙されるのも無理はないと感じた。

そしてこのインターンは、そうした就活生の焦りにつけこむような仕組みで成り立っていた。

幸いにも彼女は入社する前に気づき縁を切ったが、

今応募しているインターン、これかも?

と思っている人の参考に少しでもなれればと思い、友人の協力のもとこの記事を書いた。

ちなみに、モバイルプランナーインターンの詳しい仕組みについてはこのnote↓も参考になるのでぜひ読んでほしい。

実際私も、友人が最初インターンに応募した時、この記事を送って遠回しに注意喚起した。

上の記事ではモバイルプランナーの具体的な仕組みが良くわかるが、本記事では勧誘の流れとなぜ騙されてしまうのかに焦点を当てて書いていきたい。

なるべく友人の主観も私の主観も入らず、事実のみ述べるよう細心の注意を払ったが、やはりどうしても前述の通り胡散臭いというフィルターは入ってしまっている。それを念頭に起きつつ読んでいただきたい。

では長くなってしまったが、本題に入りたいと思う。

友人がいかにしてモバイルプランナーに勧誘され、入りかけたかについて、友人視点で語っていきたい。

ーーーーーーーーーー友人Mの体験談ーーーーーーーーーー

登場人物

・筆者の友人A
・Aの先輩B
・人事で元営業トップのC
・某国立大主席(自称)で人事トップのD
・株式会社A'でモバイルプランナーをする女性E
・某国立大出身で新人育成のF

登場人物の多さから察するかもしれないが、胡散臭いインターンを見分けるポイントの一つ目がたらい回しである。これについては後述する。

ーーーーーーーーーーーA視点ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ことの発端は高校時代の先輩Bさんから、「就活の相談のるよ」とLineが来たことだった。

B先輩とは部活が同じだったわけでも、特別仲が良い訳ではなかったが、知り合いの知り合いでぼんやり面識はあった。

先輩のインスタストーリーや投稿で通信関係のインターンをしているのは知っていたし、インターンで賞のようなものを獲得していたのを過去に投稿していたので、何してるかはわからないけれど意識が高い人なんだなー、と認識していた。

就活の相談のります、というストーリーもあげていたのは見たが、まさか個人的に連絡してくるとは思わなかった。

そこまでして相談に乗りたいってなんなの?と訝しみつつも、個人で連絡が来ると断り辛かったし、タダなのでとりあえず相談に乗ってもらうことにした。

しばらくはオンラインで普通に話していたものの、しばらくすると
よければAちゃんにぴったりの就活相談団体の人事を紹介するよ!
と言われ、あれよあれよと言う間に謎の人事、Cさんに繋がれた。

CさんはLineの名前の横にアップルマークも付けていて意識も高そうだった。ただし、就活相談団体の人事というだけで素性はわからなかった。

後に判明するのだが、B先輩から始まってその後繋がれた人間は全員現役の大学生、かつ同じ会社のモバイルプランナーだった。今振り返ると、これを三人目に行くまで説明しないのが彼らのやり方であったと気づけたのだが、その時は全く疑っていなかった。

B先輩を介して日程調整をし、すぐにzoomで面談してもらうことになった。Cさんは、自身が語る曰く決して有名大学出身ではないが、元営業ナンバーワンから人事にキャリアアップした方らしく、すごい人のようだった。しかい、実はどうやらCさんは学生らしい。そこまでその事実も伝えられなかったため、少し驚いた。

そしてそのCさんから、今度は「国立大主席の人事最高責任者、Dさんがインターンを紹介してくれるから、紹介するよ」と言われた。この時点でなぜこんなにたらい回しにするのか不審に思ったが、とりあえずすごい人らしいし、「きっと面白い話が聞けるよ」と言われたので会ってみることにした。

すると、またしても面談日程が素早く決まり、即会うことになった。Dさんとの面談は対面で、場所は都会のど真ん中某有名ビルにある、会員制のコワーキングスペースだった。

そのビルは作りが少し複雑で、普通なら迷って時間がかかりそうな場所が面談場所として指定されていた。しかし、詳しくは身バレ防止のため言えないが、私はアルバイトの会社の関係でその場所をよく知っていた。

そのため、指定された待ち合わせ時刻の5分前には到着していた。だが、到着した、と連絡を入れてもDさんはなかなか現れない。

そのコワーキングスペースは会員制のため、会員がいないと中に入れずロビーで待つことしかできなかった。受付の人の視線が痛い中待つこと15分、予定時刻より10分遅れてきたDさんは、笑顔で「ごめーん」と言いながら歩いてきた。

なぜ遅れたのか訳を聞くと、面談ではその場所が分からず道に迷ってしまい、遅れる人が多いらしく、Dさんもそれをわかってわざと少し遅れてきたようだった。予定時間に着くのが常識なのでは・・・?ここから少しずつDさんに疑いを持ち始めた。

ちなみに話し始めて分かったが、この人も現役の学生だった。人事の最高責任者と言うから社会人かと思っていたら、某有名国立大学の4年生のようだった。ということは、主席とは卒業ではなく入学時の事なのだろうか。

なにはともあれコワーキングスペースに入り、雑談のあと本題の就活の話題に入った。

彼の紹介するインターンは、塾の教科書、蓄電池、通信機器(SoftbankかNTT)...その他いろいろな商品の営業を主に行っているとのことだった。

それぞれの商材を机の上に並べられ、「気になるものはある?」と聞かれた。

携帯会社は怪しい、といううっすらとしたイメージはあったので、なるべく通信機器を避けるように聞いていった。

A「塾の教科書販売はどんな感じですか?」

D「これは、こういうところでこういう人に売るんだけど…(学習塾などについて)でも、少し他に比べると難しいし、学生には難易度高いよ。」

A「なるほど、じゃあ蓄電池はどうですか?」

D「これはこういう商品で…でも、あまりおすすめできないなあ」

A「じゃあこの商品は・・・」

・・・

そうこうしているうちに、通信機器が最後に残ってしまった。

仕方なく、通信機器について質問すると、

D「これはおすすめだよ。必要としている人が沢山いるから売りやすいし、学生のインターン生でバンバン売っている人も沢山いる。」

このときだけ肯定的だった。

また、S〇ftbankと〇TTという選択肢があったが、何となくS〇ftbankが怪しいということも知っていたので、

「〇TTはどうですか?」

と聞くと、

「〇TTはあまりおすすめしない」

という趣旨の事を言われた。そして案の定、S〇ftbankについて聞くと肯定的だった。

社長が学生を育てたい人であるため、出来高制にしているようで、頑張ればサラリーマン並みに稼げるし、さらに幹部になれば会社の経費で海外に行ける、僕も行ったことがある、と熱く語っていた。

怪しさに拍車をかけていたのが、こちらの考えを否定してインターンをごり押す話し方であった。

「これから身につけたいスキルは何?」

初めにこう聞かれて、
「社会に出ていく上で、数字を扱えないとお金を扱えないから、簿記を取るなどして数字の勉強をしたい。また、英語が好きで、就活でも役に立つと思うので、TOEICを取りたいと考えている」

といった趣旨の事を答えた。別に就活のためにとりあえずやっているという言い方はしていなかった。

しかしいきなり、「そのスキル、意味ないよ」とバッサリ。

Dさんが語るには、簿記もTOEICも会社に入った後でも取れる。それよりも就活で最も有利なのは営業スキルであり、このインターンで営業スキルは必ず手に入るとの事だった。

この時点で、割と会話が成り立たないことが多かったが、その時はDの勢いに圧倒され、こういう考え方もあるんだ~と納得していた。

人事は、やはり話術に特に長けた人を選んでいるのだろう。その場の空気の作り方が上手く、後から考えればおかしいと気づくことでもつい引き込まれてしまう部分は正直あった。(マルチじゃん)

面談修了後、断る隙もなくインターンの面接を設定されそうになる。

とはいえ、話を鵜呑みにしていたわけではない。(よく聞くマルチなんじゃ…)という不安がよぎった。

よく聞くのは、友達に無理やり営業させられたり、やめられなかったりと言う話だ。

そのことを後ほどDさんに正直に伝えると、「じゃあ、現役のインターン生と不安解消面接をしようか」と勧められる。こちらがその面談に関してやりたい、と言ったわけではなかったが、なぜかごり押しで進められ、その「不安解消面接」とやらは翌日の21時~22時に開催されることになった。

というのも、不安解消面接の説明を受けてからすぐに「明日空いてる?」といきなり言われ、「18時までバイトなので空いていません」と伝えると「なら夜なら空いてるね。21時にしよう」となったのだ。

いや、空いてるけど…疲労の溜まったバイト終わりに面談したくないでしょ。と思いつつ、断り切れず参加することになってしまった。

今考えると、DさんもAさんもインターン生だったのだが、あたかも自分たちは関係のない就活団体に所属しているかのように振る舞っていた

そして彼らから、今度は新たに現役のインターン生Eさんを紹介される。Eさんは、Dさんが紹介した通信機器販売の下請け会社、株式会社A’に所属する女子大生だった。

Eさんとは、zoomで21時~22時半までの面接を行った。

会話については、ざっくり以下のような感じだった。

Qいつでも辞められるのか?
A辞めたいと言えば辞められる。ただ、採用コストもあるのでなるべく長く続けてほしい。

Q友達への営業の強要はあるか?
A営業の練習を友達にやってもらうこともあるが、無理にやらせるわけではない。

Qバイトを週3日ほどで続けるつもりだが、大丈夫か?今のバイトが好きなので辞めたくない。
A両立できる。

その他、何点か聞きたいことを質問し、比較的まともそうな印象を受けて納得した。ただ一つ驚いたのが、Eさんが「うちのDから紹介されました」と言ったことだ。ここで初めて、このFさんを紹介してくれた、人事の責任者Iさんも、Fさんと同じ会社の人間だと分かったのだ。

ただ、その時点では疑いを持たなかったため、本面接への誘導にも素直に従った。

日時は比較的すぐ決まり、再度、元営業ナンバーワンのEさんとカフェで本面接を行うことになった。

~次回へ続く~

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