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飲食バイトが出来ない私が総合商社を志望した理由

普段プライベートの時間でボランティア団体の運営に関わっているのですが、多くの学生さんから「何で総合商社を志望したんですか?」という質問を受けるので、この機会に文章にまとめてみました。

私の志望動機は一般的な総合商社の志望動機と比べると考え方とかが結構違っているように思うので、「自分は総合商社に行くようなタイプじゃないな。」と思う人にこそ読んでほしいです!



原体験1: うまく出来なかったスタバでのバイト
(自分の強み・弱みを知った経験)

まず、私は元々かなり不器用で一度に1つのことしかできない、所謂マルチタスクができない人間です。

スタバ等の飲食店では、ドリンクを作りながらお客さんの対応をしたり、複数の注文に対応したり、と複数のタスクに咄嗟に対応する場面が出てきます。

しかしながら、私の場合はドリンクを作りながら他のスタッフに何かお願いをされた時にミルクを床にこぼしてしまったことがあるくらいのレベルにマルチタスクができませんでした。

大袈裟じゃなく一生分怒られました。一緒に入っていた先輩に舌打ちされたほどです。

元々飲食店のバイトみたいな状況はあまり得意ではないなという認識はあったのですが、「まあ努力したら何とかなるだろ」と思っていました。

実際は2年ほどやったところで、これは本当に向いてないな、努力うんぬんではなく適正の問題だと分かりました。

一方で少し話はそれますが、スタバの仕組みはすごいなと感動することがよくありました。

スタバではマニュアルがかなり良く作り込まれていて、これをみっちりと時間をかけて教え込まれます。

しっかりとした研修のテキストがあり、お店で本格的に働くまでに筆記試験や実地試験があるほどです。

加えて、バーカウンターの中のものの配置がオペレーションを円滑にやるために最適化おり、(機能だけでなくデザインも)シロップ等の入れ物等も全て自社開発されており、仕込みがやり易くなっていたりと工夫されています。

このような”仕組み”により、オペレーションが相当効率化されるので、スタバで働くのは他の外食店と比べてオペレーションだけで見ればかなり楽だと感じました(自分はそれでも全然できなかったのですが、、)。

そうやって生み出した各PTR(※スタバでは従業員のことをパートナー、略してPTRと呼びます)の"余裕"をお客さんに対しての気遣いに投資することで、あの「エクスペリエンス」を実現していました。

スタバでは上記の研修の中でバイトに対しても自社のVisionやValuesを浸透させています(日本の企業では、正社員ですら自社のVision等を理解しておらず、形骸化していることが多いと思います)。

あの素敵な空間は、決してPTRの根性や気持ちだけで作れるものではなく、実は緻密に作り込まれた仕組みに支えられています(というかPTRが情熱を持って働けるようにすること自体が仕組みに組み込まれています)。また、この仕組みによって労働のストレスも削減できており、PTRの満足度も高く、決して時給は高くないのに大量の優秀な人材がバイトとして応募してくる。これは日本の企業に足りていない部分だと思いました(最初に大きなリソースをかけて"仕組み"に投資して、長期的な利益を得る)。

従業員の創造性や共感性のような情緒的なものを殺してしまうものとして、日本ではこの"仕組み"を作るということは嫌われがちだと感じますが、むしろ創造性を発揮するための"余力"を作るために大事だと思いました。(確かにこういった論理的・科学的手法は、使い方の間違えると創造性を殺してしまうケースもあると思います。)

スタバでの原体験を通じて、自分はオペレーションが苦手であることが痛いほど分かりましたし、一方で、店舗でのオペレーションではなく、本社で考えられているような、現場がより効率良く周り、かつお客さんに素敵な体験を届けるための"仕組み"を考えることの重要性を学びました。

強みは弱みの裏返しとよく言われますが、逆にゆっくりと難しいことを考えるのが得意だと気付けました(数学や物理やプログラミング等の"仕組み"を考えることは無意識的に上手くできた)。

この経験を通じて、現場でのオペレーションではなく、ビジネスの上流の仕組みを考える仕事がしたい、という自分の軸が確信に変わりました。


原体験2: 何を作るか、よりも何のために作るか

理系だとメーカーなどの研究職や技術職に就くことが一般的ですが、色々想像して難しいと感じました。

例えば、自動車メーカーのとあるつまらない会議があったとして、つまらないおっさんが、「今までこういうの売れてからちょっとマイナーチェンジしてこういう車作ろう」と言って、それに対し「いや、車もこれからはただ移動するだけでなく、デザインやソフトウェアを改善して、体験(UX)を重視して開発した方がいいんじゃないか」という意見を持っている人がいたとしても、忖度して発言しない、あるいは凡庸な意見を持つ多数派の同調圧力で新しい意見が消されてしまう。そのような状況が容易に想像できました。

そんな会議で開発が決まった車の車軸のこの部分の振動を抑える研究をひたすらしろ、と言われたら、「いや、そもそも自分だったらそんなつまらない車作りたくない、、」と思ってしまい、研究することが相当苦になるだろうなと思いました。

そうではなく、Appleのように「世界を変えるためにiPhoneというプロダクトを作るんだ」という明確な目的やビジョンがあれば、やりがいを感じることができそうだと思いました。

なので技術者ではなく、技術の応用(=目的)から考えるビジネスそのものを考える仕事をしたいと思いました。


まとめ


原体験1からオペレーションは苦手で仕組みを考えることが得意であるという自分の強みが明確になった

→ 現場から遠く、オペレーションではなく仕組みを考える仕事 -- (A)

原体験2から、何をどのようにやるか(=what,how)よりも、何のためにやるか (=ビジョン/目的)が大事、という価値観を持っていることに気づいた

→ 技術者や研究者ではなく、ビジネスに関わる仕事 -- (B)

(A),(B)を総合して、ビジネスの上流に関わる仕事である、戦略コンサルか総合商社が向いていると思ったが、新卒でコンサルのイメージが湧かず、また事業に関わりたかったので総合商社を第一志望にした。

(実際には、奨学金が900万円あったということもあり、高収入な職種に就きたいと思っていたため、上記の理由以前にかなり業種は絞られていました)


さいごに

やたらスタバを称賛する話が長くなってしまいましたが、私が総合商社を志望した背景について書かせていただきました。
今回の内容はこちらの本の内容を参考にしております。

自分の「好き」を探すと路頭に迷ってしまうことが多いですが、「得意」から攻めて、自分の「好き」に近づけて行った方が結果うまく行くなと今までの経験からも感じています。


この記事の内容が少しでもみなさんの将来の役に立てば嬉しいです!

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