見出し画像

人生の辛いときに聞いていた曲は、今でも私に力を与えてくれる曲

募集中のテーマをぼんやりと眺めていたら、#思い出の曲、というハッシュタグを見つけた。
人には誰しも思い出の曲が1曲はあると思うが、私にも記憶とリンクした音楽がいくつかある。
最近お疲れ気味でノスタルジーな気持ちに浸りたかったので、早速記事を書いてみようと思った。

1. 大学受験

ベタベタ過ぎる気もするが、大学受験の勉強中、よく聞いていたのが、Mr.Childrenの「終わりなき旅」だ。
我が家は経済的な事情もあり、塾には行かず、勉強はもっぱら高校の自習室でだった。
私のお気に入り勉強スタイルは、自習室の前の方の席で、ウォークマンでうすーく終わりなき旅をかけながら、ひたすら過去問を解きまくることだった。
そのうち終わりなき旅は、耳を傾けて聞く曲からBGMと化し、過去問と共に身体に染み渡るように入り込み、イントロを聞いただけで反射的に勉強モードに入れるようになった。

音楽を聞きながらよく勉強ができたな、と思うが、HSP気質特有の気付きやすさで、些細な音から集中力を守るために外界からの刺激を一切遮断する方法だったのだと今は思う。

かくして大学に合格して今の仕事があるのだから、この曲には感謝してもしきれない。

2. 福祉現場実習①

大学3年次に、教育カリキュラムで福祉現場の実習があった。
それまでもアルバイト経験はあったので、社会に触れたことがない訳ではなかったが、初めての福祉の仕事の現場を見学(ときには参加)させてもらい――――完全に私は疲れ切っていた。
頭も身体もフル回転で、今思えば本当に貴重な経験だったが、ついていくのに精一杯だった。
さらに慣れない場所にHSP気質全開で「嫌われていないだろうか…」と、毎日ドキドキビクビク過ごしていた。
そんな時にずっと聞いていたのが、清竜人さんの「WORLD」というアルバム。

実習先から実家に帰るまでの道すがら、ずーっと聞いていた。
実習は辛くて、けれど最後には楽しく充実したものになったけれど、このアルバムを聞くと、今でもその気持ちの変化が鮮やかに思い起こされる。
「WORLD」は清竜人さんの2枚目のアルバムで、初期の初々しさと、甘酸っぱくて一生懸命だったあの初夏が見事にマッチしている。
今でも時々奥から引っ張り出して聞いている一枚だ。

余談だが、実習の前年に、サークルの先輩とロック・イン・ジャパン フェスに行き、まだデビューしたての清竜人さんの演奏を聞いたのが出会いだった。
MCもたどたどしく、初々しいけれど熱量たっぷりのステージが印象的で、しばらくハマっていた。
(しかも同い年という親近感もあった)
まさかその後、アイドルデビューするとは思っても見なかったけれど。

3. 福祉現場実習②

3年次の実習が辛かったとは言いつつも、4年次の実習の比ではなかった。
4年次の医療機関での実習はタフさが必要だった。
「繊細さん」だというのに…。
そんな時にずっと聞いていたのは、今は解散してしまったLONELY ↑Dの「blue moment」「ハルアシンメトリー」「さよならコンティニュー」

実習先が実家から1時間半ほどかかる場所にあり、毎日通うだけでも精一杯。
その上、自分の考えや感じたことを、自分の言葉で実習先の指導者に伝わるように言えなかったことが悲しくて、悔しくて、帰り道に泣いて帰ることもしばしばだった。
自分が発する言葉が正しいのが間違ってるのかが分からず、常に指導者の発言や表情に過度に反応してしまい、完全にメンタルがやられてしまっていた。
(完全にHSPの悪いところをこじらせていた。)
今、この職業に就いて、自分の思考や行動の意図を分かりやすく表現する、という大切さを知っているからこそ、この時自分に向き合い続けた辛さ、苦しさは貴重な体験だった。
(私が思うに、自分と対峙して、他人に自分のことを冷静に分かりやすく話すことは、HSPさんが最も苦手とすることの一つなんじゃないかと思う。)

そんなこの世で一番苦手とする作業を延々と続けていた時だったので、張り詰めた気持ちを唯一緩めるには音楽を聴くのが一番だった。
正直、じっくりと味わうようには聴いていない。
ただ、BGMのようにひたすらウォークマンで聞き続けたLONELY↑Dの曲は、そこにいるのが当たり前のように、私の中で流れ続けてくれた。
blue momentで特に感じていたが、ノスタルジー全開のカタオカセブンさんの声とサウンドが好きだった。

4.辛い経験を乗り越えたときにそばにいてくれた

好きな曲はたくさんあるが、「思い出の曲」を振り返ってみると、どれもこれも辛い経験を乗り越えたときに聴いていた曲ばかりだった。
だからだろうか、今でもこれらの曲を聴くとあの時の思い出が蘇ってくるが、決して嫌な気持ちにはならない。
乗り越えられた自分の強さも共に思い出すのだ。
そして、がむしゃらにもがいていた自分を懐かしみ、じんわりと心が暖かくなる。

募集中のテーマを見て、興味半分で書き始めた記事だった。
ただ思い出の曲を振り返ってみた結果、私にとっての思い出の曲は、人生の辛いときにそばにいてくれて、乗り越える力を私に与えてくれただけでなく、過去の私の力を今の私に届けてくれる曲だった。
そのことに気付かせてくれて、また明日から頑張れる力をもらった気がした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?