【短歌一首】 梅雨待てる紫陽花もまた花散りし桜・ツツジと緑は均し
短歌は新緑セラピー。
どこに行っても新緑の緑が最高に美しい季節。
すでに満開を終えて花が散り若葉一色となった桜、ツツジ。そして、来るべき開花時期の梅雨を待っている紫陽花もまた、同様に柔らかな黄緑色の葉に覆われている。
すでに花を散らしたもの、これから花をつけるもの、5月初旬の公園は万物が同じように鮮やかな緑色に染められている。
午後の陽が紫陽花、桜、ツツジの若葉を鮮やかに照らしている。この坂を下りながら公園を一周してみる。
4月の桜の満開も、ツツジの満開も美しかった。そして、花が散り、今5月に一緒に公園を緑色に染めている葉桜もツツジもまた美しい。
周りの道路と公園の境目にある紫陽花は、ついこの間までは茎だけであっったが、今や新しい柔らかな葉をどんどん伸ばし、紫陽花のこんもりした丸い外観を作りつつある。これからどんどんその緑の球体が大きくなっていく。
公園と道路の境界線に、紫陽花の若葉が幾重にも波となって押し寄せてきているよう。日に日に波は大きくなってゆく。
これから紫陽花の若葉はどんどん伸びて、道路までせり出してくる。そして梅雨になると美しい花で公園を取り囲む。紫陽花の花の色の移ろいも本当に素晴らしい。
淡青色、青紫色、淡紅色などに七変化。今から楽しみ。
一方、桜やツツジの葉はこれから日に日に固く厚くなり、濃い緑色に変わってゆく。紫陽花が咲く頃にはかなり深緑色になって紫陽花の鮮やかさをいっそう引き立てる。
公園をゆっくり廻って草花を観察している間、人が全然いなかった。木々の葉擦れ以外に音がほとんど聞こえなかった。午後の深いしじまの中で、人間も公園も街も新緑に支配されている? 新緑に乗っ取られた街、それもまた素晴らしい。
猫間 英介
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