【短歌一首】 海滑る羽根持つ人は皆せはしカモメゆるりと朝の浜踏む
鎌倉材木座海岸の朝を散歩する。
海の上にはすでにウインドサーフィンを楽しむ人たちがたくさんいる。
ウィンドサーファーたちは、サーフボードの上にある三角の帆とマストを風に応じて帆船の帆のように操りながら進んだり、方向変換をしたり、目まぐるしく動いている。
たまに白いプレジャーボートも現れ、猛スピードで走り抜け、急旋回をしたりしながら進んでいく。 材木座海岸はマリンスポーツのメッカ。
浜辺に一羽のカモメが現れ、波打ち際をゆっくり歩き始めた。写真からスマホの調べる機能で検索するとどうやら「オグロカモメ」というカモメらしい。
しばらくの間、オグロカモメは波打ち際を行ったり来たりしながら歩いている。
それにしてもセカセカすることなく、ゆったりと歩いている姿はどこか優雅さがある。 波打ち際の散歩は、オグロカモメの朝の習慣=モーニング・ルーティンなのかもしれない。
カモメから見ると、海の生き物でもなく空の生き物でもない人間たちが、羽となる帆や板を使って、海の上を頑張って滑ったり飛んだりしている様子はとても不思議な光景かもしれない。
だんだん、カモメが海の上にいる人間たちを優しくおおらかに見守ってくれているライフセーバーか遊泳監視員のように見えてきた。
猫間英介
鎌倉の短歌を集めました。