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繊細なことは悪くない❸– HSPの子育て奮闘記

いわゆる繊細さん=HSPといわれる気質の持ち主だったわたしが、その性質を受け入れながらも自称適当人間を名乗るようになるまでの道のりを綴っています。

性格形成のきっかけに立ち返る

》 繊細母ちゃん、子育て向いてない

初めての出産と育児。言葉の通じぬ我が子と一対一で接する日々は、おのれの人間性をつねに試されているような怖さがありました。

両親に愛情深く育ててもらったのに、我が子のことは、だいすき!かわいい!と手放しに感じられないのも苦しい。どうも思い描いていた子育てと違う……

自分のダメな部分ばかりがフィーチャーされていくようで−− どうも子育て向いていない気がする。育児を心から楽しめないことはおかしいのだろうか? そんなとき、インナーチャイルドというキーワードに出会います。

インナーチャイルドとは、成長できないまま取り残されている子ども時代の自我。インナーチャイルドが癒えない傷を持ち続けていると、月日を経てなにかのきっかけで思わぬ悪さをすることがあります。育児への不適合感を感じる原因はここにあるような気がしました。

》 インナーチャイルドとの対話


  1. 印象に残っている子どもの頃に触れた“言葉”を思い返してみる

  2. それらを正と負の感情に仕分けしてみる


この簡単な方法で、自分という人間がどんな言葉によって形作られてきたか、なんとなくわかります。言葉とともに具体的なエピソードも紐解かれ、取るに足らないような日常の出来事がしこりとして残り続けていることにも気づきました。

記憶の奥底にポツンと体育座りする子ども姿の自分を見つけたときは、迷子になった我が子と再会できたような気持ちに。

「いつも戦ってたよね、苦しかったよね」と頭を撫でてやると、自然と涙が流れ浄化されていくような、不思議な体験をしました。

自分を認めることで見えた世界

この体験で、HSP気質を拗らせたきっかけにも辿り着くことができました。


  • しっかり者として立ち回ってきた幼少期

  • 完璧主義の負けず嫌い

  • 大人から評価されることをモチベーションに成長してきた

  • 劣等感に結びつく記憶が強く残っている


子育てで陥っていた不適合感も、これらに起因するものでした。育児は“仕事”ではなく“生活”であり、暮らしそのもの。他者からの評価を求めるものではないのです。

また、どうしたって思い通りにはならないのが我が子だとすれば、完璧主義の鎧を脱がなければ向き合えない存在です。このままではいずれ、自分の厳しさが息子を苦しめるかもしれないと、はやくに気づけたのは大きなことです。

§

インナーチャイルドとの対話によって性格形成のルーツを見つけ出し、ぼんやりと感じていた育児への不適合感を言語化できたことで、新たな思考パタンを一つ手に入れた気がしています。

それは、ポジティブに諦めること。

おのれの力ではどうしたって及ばぬことがあって、見守るしかない。そんなふうにものごとを放り出せたのはきっと初めてで、なんだか清々しい。息子と出会って母にならなければ知り得なかった感覚だろうと思います。子育てというやりがいを追求すべきではないライフワークにあえて意義を見出すとするならば、それはまだ“触れたことのない世界に出会う為”なのかもしれません。

大人になれば簡単には人から褒めてもらえませんから、時には自分自身で歩んできた道を認め、讃えてあげてみてください。それによって踏み出せる一歩や、見えてくる世界がきっとあります。

#hsp
#繊細さん

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