若くて可愛いクリスマスケーキ『斉木楠雄のψ難』

やあ、僕だよ。
脳を休めるのは本当に難しいよね。
特に頭を使うのが下手な僕は、何もしていなくても暴走する自分の脳に振り回されっぱなしで、未だに上手く付き合えてない。

それで瞑想だの、マインドフルネスだの、整えるだのに手を出してるわけだけれど、それと同じくらい効果が得られるのが、頭を使わないエンタメを摂取すること。

今回はそんな、頭を使わない作品を観たんだ。
作品内のキャラクターにかこつけて「若くて可愛い」、ひいてはモテについて書いていこうかな。

本作あらすじと感想

斉木楠雄のΨ難

キャラデザが好みでなく、しかもバトルものだと思い込んでいたので、一昨年まで観たことがなかった。
もったいないことをした。何で僕は『暗殺教室』のコラボの時にビッグウェーブに乗らなかったんだ！

「斉木楠雄」は思いつく限りの超能力すべて使える夢のサイキッカー。でも何故か、ひと癖もふた癖もある人たちが集まってきて、彼の思い通り「目立たず人と関わらず」に過ごすことが出来ない。
だってこれ、ギャグアニメだからね。

洗練されたメタ要素の使い方は最近のギャグコンテンツには必須ともいえ、年々難易度が上がっていて、本作も宣伝や自虐ネタが差し挟まれている。
こういったムーブメントは時にサムいノリになるにもかかわらず、たまに挟んでくる秀逸なショートシナリオとのメリハリで、古典落語のような気持ち良さがある。

そうだ。僕は一時落語にハマっていたこともあるんだけれど、これを観てると落語を流し見してる気分になるんだ。

なんという安心感。必ずどこか山場があり、笑いどころが分かりやすい部分、小笑いを誘うネタを散りばめている部分、魅力的なキャラクター。
新しいアイデアがいくつかあっても、ストーリーとして織り込む技術が微妙だと良質な物語にはなり得ない。これが多分上手いのだ。

ギャグコンテンツを作る人たちって本当にしゅごい。

僕のお気に入りは「照橋心美」ちゃん。
神に愛されし超絶完璧な美少女で、周囲の期待に答えようとする等身大の善人。そしてただの女子高生っていうのがイイ。
いや、「海藤」くんもイイな。「燃堂」も「窪谷須」も「夢原」さんもイイ。
出てきたキャラ全員好きになっちゃうから、決められない！

若くて可愛いに抗えないアラサー

まず言っておきたいのは、僕は「若くて可愛い」にとても弱いということだ。
相手が「若くて可愛い」だけで好感度ほぼMAXだし、物理的暴力や金銭的要求をされない限り、原則好感度は下がらない。

一時期これに抗おうとしたが、あっけなく降参した。仕方がない、恐らく人間の本能なのだ。
ちなみに、「若くて可愛い」のは20代中盤まで。それ以降になるとニュートラルに見られるようになる。

僕だって「若くて可愛い」時期があった。
自画自賛甚だしいが、僕は自分の可愛さを重々承知していたので、大いに駆使して良い思いをさせてもらった。
今と比べると、より体臭が強かったり、毛深かったり、貧乏で身なりがみすぼらしかった(ここぞと言う時は買ってもらった服で凌いでいた)のに、その時期はほとんどの場合フラれるどころかひとりでに好かれていた。

クリスマスケーキは26日に廃棄処分される

かといって「照橋心美」のようにモテていたわけではない。
「若くて可愛い」は誰しもが迎えるモテブーストの時期であり、不変のステータスではないのだ。

なので、以前挙げた僕がそれなりにモテた理由は、「若くて可愛い」を前提として(あるいは取り除いて)考察しているし、どちらにせよ永続性のある強烈なモテには太刀打ちできない。

そうでなくても女の体で生きていると、若さとモテの関係性について語りたがる有象無象が、こちらに向かってスピーカーのごとき音量でがなりたてる。
クリスマスケーキの例えなんて実に秀逸で、とても下品だと僕は思う。誰だい、あんな上手いこと言い出したのは。

他のケーキは一年中売ってるし、ドーナツでもプリンでもいい

大体、クリスマスケーキを本当に美味しいと思って買っている人がどのくらいいるのだろう？
少なくとも僕は、クリスマスケーキを周りと楽しむために買ってる。一人でクリスマスを楽しむなら、シャンパンやチキンに金を掛けたいタイプなのだ。

クリスマスケーキがとっても華やかで楽しいのは期間限定で、それ自体がイベントめいているからじゃないかと思う。
「若くて可愛い」も期間限定で、イベントめいている。
高校生や大学生(またはここに書けないような若い子たち)に心惹かれてしまうのは、あの子たちの希少さやイベント感もないとは言いきれない(だから未成年に言い寄る大人に眉根をひそめる人が多いのだ。衝動的で浅はかな人間である可能性が高いから)。

であれば、「若くて可愛い」というより「若いから可愛い」ということで、「若い」を失うのは誰しも避けられない。

つまり、クリスマスケーキであることに固執したままでは、いずれモテなくなるのである。
ちなみに、クリスマスケーキであることをやめたとしても全然問題なしだ。
スイーツはいくらでもある。自分で好きなものを選んで、好きなものを名乗るといい。
最初は、何もしなくても売れたクリスマスケーキな自分を忘れられないかもしれないが、君だって、クリスマスケーキより他のスイーツの方がよく食べるだろ？

まあ、一番いいのは食パンやごはんになることだけれど。
それはほら、「照橋心美」レベルの強烈なモテでないと務まらないから。君がイバラの道を進むと言うなら、僕は陰ながら応援しているね。

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