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2021年ザベストオブオジサン最優秀賞『ブラックスワン上巻』

やあ、僕だよ。
僕はおじさんが好きだ。好きゆえに、僕の好みのおじさん以外のおじさんに対する厳しさは痛烈ですらある。
とはいえ、大体のおじさんは懸命に生きているのが分かっているから安心してくれ(なお、僕はおばさんにはごくごく甘い。セクシーな人妻は特にだ)。

そんな僕の2021年ザベストオブオジサン最優秀賞が決まった。
今年の栄えある最優秀賞はナシーム・ニコラス・タレブさんである!

この怒りのエッセイを今でも思い出し、「ふふっ」と笑ってしまう。

僕には珍しくもやもやしていたので、アンディと一緒に瞑想していたんだ。
でもタレブさんの勢いのおかげで思い出し笑いをしてしまい、瞑想ももやもやもどうでもよくなってしまった。

内容は決して笑えるものではないと思うのだけれど、どうしても文体の独特さとユーモアで楽しくなる一冊について、また「七面鳥」についても書いていこう。

さあ、始めようか。
今日も楽しんでくれると嬉しいな。

本作あらすじと感想

冒頭に取り上げたタレブさんの一番有名な本。
後発の『身銭を切れ』より怒り度は抑えめだが、タレブ節は健在で彼の「黒い白鳥」への姿勢を理由に「予測」を求めてくる有象無象を扱き下ろしている。

この『ブラックスワン』をきちんと読んでいたなら彼に「予言者」は務まらないと分かるはずなのに。

というのもこの本で再三タレブさんが書いているのが、昔のように「月並みの国」でない現代では「予測」などさほど役に立たず、むしろそれらしい「予測」があるほど「黒い白鳥」の影響(それはほとんどの場合悪い影響)が大きくなってしまう話なのだ。

タレブさんの本の好ましいところは、一語一語を冗長にならない程度に定義しながら話を進めていくところだ。
それでもすでに翻訳されている時点でどうしても「バイアス」がかかってしまっているし、読んだ僕も無意識のうちに「一般化」しているので意図するところをきちんと理解出来ているかは怪しい。

それでもなるべく正しく伝えようとする姿勢が好ましいのだ。
だから僕はタレブさんが好きで、2021年ザベストオブオジサン最優秀賞受賞はタレブさんなのさ。

なお、この本はビジネス書として紹介されることも多いが、そんな「思い込み」で読み始めると多分後悔する。
これは普通に面白いエッセイです。
もしも読み終わった後ちょっとだけ世界の見方が変わって、「ふふっ」と笑えたら、君もタレブさんファンクラブの仲間入りだよ。

見えないものが多すぎる

元スロカスはビギナーズラックを本気であると思っていた。
例えば、占い師に「あなたは何かに悩んでいますね」と言われた相談者が「そうなんです、よく分かりましたね!」とか返してたら、「占いに来てるんだから悩みのあるやつしかおらんやろ」とツッコめるのにもかかわらず、だ。

当たり前だけれど、ギャンブルを続けている人は「ギャンブルで得した人」だけだ。
またこの、ビギナーズラックっていうネーミングセンスが絶妙だ。起きた事象に原因を付け、「物語」にしたがる人間らしい言葉だと思う。

僕らはあまりに「物言わぬ証拠」、ビギナーズラック現象、、、、、、、、、、で言うなら「ギャンブルで損した人」を無視しすぎだ。
とはいえ、無視してしまうのも無理はなくて、自分を正当化するための情報しか人間は好んで集めない(あるいは正当化するために情報を時に歪めて解釈する)。

クリスマスの七面鳥のままで良いのか今一度省みる

(この見出しを付けた時、何故僕はクリスマスに記事を出さなかったんだろうと少し後悔した。)
感染症がここまで長期で猛威を振るい、僕の家の周りのテナントが空き店舗になり、でもそのおかげで新しい洒落たカフェが出来、出不精な僕らが愛する出前やテイクアウトがこんなに充実するなんて誰が予測できただろう。

万が一、予測出来た天才がいたとしても誰も信じない。
まさにタレブさんの言うところの「七面鳥は食べられるその日まで食べられることに気づかない」だ。
僕らは無意識に「黒い白鳥」の可能性を無視する。無視しない人がいたとしても信じない。

そしてもっと酷いのは、無視しない人が講じた対策で「黒い白鳥」から民衆が救われてもその人は「英雄」になれない(とタレブさんが書いてた)。

僕らは大抵の場合、まぬけな「七面鳥」だ。
別にまぬけな「七面鳥」でもそれなりに幸せである。
特に僕はnoteを使ってエンタメと自分の生活や思考を「こじつけ」て面白がっている人間なので、「七面鳥」の筆頭と言っても差し支えない。

が、「七面鳥」はいつか食われる。
それまで幸せならいいと割り切れるならよいのだけれど、僕はそこまで出来た人間ではないのだ。

知っていることだけで理解できるほど現実は単純ではない

一度結論を出してしまうとそれに引っ張られて、そこから抜け出すのは結論を出す前より難しい。
結論が出たらそれでいいじゃないかというのは「七面鳥」の見方だ。

「七面鳥」にならないためには別の視点で捉えようとし続けるしかないと僕は思う。
それは「悲観的すぎる」、「凡人が考えても仕方がない」と揶揄されるかもしれないけれど、完璧である必要はないから全然問題なしだ。

それでも僕は本能に逆らえないし、「こじつけ」が大好きな人間の一人だ。
出来るかどうか実験してみないことにはわからない。しかしながら自らの「こじつけ」を、それはそれとして、別の視点を持ってみる試みはわりと面白いのではないか。 

まあ、凡人の僕があれこれ考えていれば退屈な人生もあっという間に過ぎるし、暇つぶしとしては優秀だとも思うんだよね。


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