見出し画像

読了!神崎京介「吐息の成熟」

《粗筋》
浮気をしながらも妻に魅惑される夫。不実を許さない頑なな妻を「密室空間」に夫は誘う。長い夜の吐息の涯てには… せつなすぎる「欲望」を描く情愛長編。


《感想》
石田衣良の小説に近いものを感じた。プラトニックを重視する恋愛小説へのアンサー。

セックスありきで、夫婦のカタチ、価値観について触れていて、目を背けられない問題だし、リアルで良いな〜と思った。

夫婦の生活について、しっかりと向き合って話し合ったその先の、ハッピーエンドに胸がアツくなった。

官能小説だと思って読んだのに、すっごく大事なことについて考えさせられて良い気分なのと、官能小説読めなかったモヤモヤが、自分の心に共存していて変な気分😅


《引用》
浮気をしたことによる妻の怒りが、裏切った夫に向かっているのかとばかり思っていたが、実は裏切られて、女としての自信を失ったことから生まれる不安が原因だったのだ。(P185)

過激な性愛描写で日本文学の伝統に挑戦し続けている神崎京介が、今後どのような世界を作り出すのか、注目が必要だろう。(P322.解説)

(2021/3/9)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?