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読了!石田衣良「美丘」

《粗筋》
美丘、きみは流れ星のように自分を削り輝き続けた…平凡な大学生活を送っていた太一の前に突然現れた問題児。大学の準ミスとつきあっていた太一は、強烈な個性と奔放な行動力をもつ美丘に急速に魅かれていく。だが障害を乗り越え結ばれたとき、太一は衝撃の事実を告げられる。彼女は治療法も特効薬もない病に冒されていたのだ。魂を燃やし尽くす気高い恋人たちを描いた涙のラブ・ストーリー。


《感想》
"生"と"性"どちらについても考えさせられた。
自分の中で、どちらもしっかりと考えなきゃいけない時期だったからエグいほど深くまで刺さった。

めちゃくちゃ悲しくて切ない話なんだけど、美しい"愛"を見れた気がして心が満たされた。


《引用》
命は火のついた導火線で、ためらっている余裕など本来誰にもないはずなのだ。(P239)
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僕たちは毎日会い、会えば必ず抱き合っていた。人類が何世代にわたって命をつないできた快楽の秘密を、自分たちの手で解いた気になっていた。(P172)
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そんなに悲しい顔をされたら、最後の太一君の思い出が泣き顔になっちゃうよ。(P228)
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「愛情」なんて、別に難しいことではまったくない。相手の最期まで、ただ一緒にいればそれで良い。それだけで、愛の最高の境地に達しているのだ。僕たちはそれに気づかないから、いつまでも自分が人を愛せる人間かどうか不安に感じるだけなのである。(P238)
(2020/11/14)

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