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読了!石田衣良「池袋ウエストゲートパークXIV,七つの試練」


《粗筋》
ネットで広がるデスゲーム。
次々と提示される試練をクリアすると積みあがる「いいね」の山。しかし、試練は次第にエスカレートし、七番目に課されるのは、死を招く危険なものだった。けがをした高校生のために、マコトが「管理人」の正体を追う!表題作ほか3篇を収録、時代を色濃く映す。累計430万部突破の大人気IWGPシリーズ第14弾。

《感想》
文庫本IWGP読み終わってしまった…
前半何巻かは再読だった。シンプルに寂しいし、 

池袋ウエストゲートパークシリーズはマジで読んだ方が良い。番外編的なのも合わせると20巻近くあるから、第1巻を読んだ後は自分が気になる巻を選んで読んでも良いかもね。それだったら軽い気持ちで読めるでしょ?笑


《引用》
いくら働いても給料があがらなくなってからこのかた、あるいはネットがメディアのナンバーワンになってから、トラブルを抱えた有名人をてのひら返しでたたくのが、庶民の最高のエンターテインメントになったのだ。(P8)

おれは思うのだけど、人のスキャンダルを無制限にたのしむのは、そろそろやめたほうがいいんじゃないか。今どきはスターだけでなく、おれやあんたのような普通の人間だって、足場から転げ落ちて泥まみれになるのはめずらしくない話。酸っぱい泥水のなかでのたうちまわるのは、明日のあんたかもしれないのだ。(P9)

欲望の形が見えにくい時代になったよな。セックスは非正規で働く大量の中年男のように、誰からも気にされず「見えない化」がすすんでしまった。紙の雑誌なみに時代遅れの存在になったのだ。もちろんおれは雑誌もセックスも好きだけどな。(P70)

今日も明日も、世界中で「いいね」死が起こる。それが二十一世紀だよな。そいつは人を傷つけるナイフになり、心をずたずたに引き裂き、ときに完全に破滅させる。SNSのほうがこっちのリアルな世界より、ずっと重要になったこの時代の新しい凶器だ。(P192)

若いころの遊びは重要だ。勉強や仕事ばかりしていると、事務次官や県知事になってから満たされなかった青春への復讐をするようになる。セクハラや買春といった地位のある人間にとっての自殺行為でな。人生の集大成の時期に、押さえつけていた内なる若者に破滅させられるのだ。(P220)

ピアスだらけのスキンヘッドが驚くべきことに顔を赤らめた。「事件が終わったら…ふわふわのパンケーキを持ってきてくれないか。俺は甘いものに目がないんだ」(P244 byゼロワン)

(2021/6/15)

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