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初めて同士は色々と手探りで

私たち夫婦はお互い初めての恋人同士で結婚した。多分今どき少し珍しい気がする。

大抵学生時代に恋愛を一度くらい経験すると思うけれど、私の学生時代は友人と遊ぶ方が楽しくてあまり恋愛優先ではなかった。
片思いもしたけれど実ることもなくそのまま。
夫の学生時代はバイト三昧だったらしい。
お互い恋愛のピークは学生時代ではなかったのだ。


初めて同士ということで、お互い色々と手探りでここまでやってきた。
過去の経験もなく真っ白だったから全てが新鮮で、やること全てが鮮やかに見えた。
真っ白なキャンバスに色が乗る感覚がしたのだ。
パートナーがいる人生って楽しい!と。

一緒に暮らすことが決まった時も本当に嬉しくて、2人での引越しも新しい家具の買い物もずっと楽しかった。
お互いお金があまりなかったから、家具や家電にお金をかけられなかったけれどそれでも良かった。家もスーパーも駅からは遠く、少々不便だが暮らせればそれで。

だけど暮らし始めた頃はお互いの生活習慣が合わず、今ほど快適ではなかった。
小さい事に怒ってばかりの私とそれに困惑する夫。この頃は今よりも空気が悪くなることが多かったと思う。

新しく家庭を持つというのは楽しいばかりではなく、これまで見ていなかった新たな一面をたくさん見ることになるのだ。
他人と暮らすのは簡単ではなかった。
そもそも生活習慣が全く違ったから。

お風呂に毎日浸かりたい私とシャワー派の夫
食べたらすぐ皿を洗いたい派の私と後で派の夫
毎日掃除したい私と週末まとめて派の夫

これはほんの一部で小さい事を含めるとまだまだある。
これが他人と暮らすことか‥と当時は本当に病みそうになり、実家に帰りたくて仕方なかった。

それに目を背けずやってこれたのは夫のおかげ。嫌なことから逃げる私を必ず引き留めて、ちゃんと話そうとしてくれる。
当時は凄く嫌だったけれど、今では感謝しかない。あの頃こだわっていたことも今はもうなくなり、お互いがいい気持ちで過ごせる様になった。

お風呂は私優先で毎日浸かり、皿は夫が担当なので洗うタイミングは全部お任せ。
掃除は平日出来る時にやるけれど、出来なかったら週末一緒に。
厳密に決めているわけではないが、大体こんな感じで丸く収まっている。
夫は私と違って拘りがなく、家事が出来てようが、出来ていまいがどうでも良かったのだ。
それに気付いたのも、一緒に暮らし始めてしばらく経ってから。

新しい家庭というのはこうやって出来ていくものだと、この時学んだ。

こうやって2人で毎日楽しくやっているのも、あの頃の大変な時から逃げず、私とずっと向き合ってくれた夫が居たから。
毎日順風満帆ではないけれど、お互い怪我や病気もなく穏やかに過ごせたらと思う。

夫が私の人生のパートナーでいることは、私の人生の最大の幸運で、きっと宝くじが当たるよりも素晴らしい。
向こうもそう思ってくれているといいのだけど。





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