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兵庫県から空の未来と若者を盛り上げる。行政と民間の架け橋を担う兵庫県職員・高橋健二が思い描く、空飛ぶクルマの未来

こんにちは!HYOGO 空飛ぶクルマ研究室【HAAM】(以下、HAAM)です。

今回は、HAAMスタッフのプロフィールを現在、過去、未来から深堀りしてご紹介するインタビュー連載記事の第五弾。兵庫県 企画部 地域振興課 公民連携班長の高橋健二氏にお話を伺いました。

「HYOGO 空飛ぶクルマ研究室」についてはこちらの記事をご覧ください!


<現在> 兵庫県の窓口として、民間と行政の目線を合わせる役割を担う

こんにちは。兵庫県 企画部 地域振興課 公民連携班長の高橋健二です。

地域振興課 公民連携班は2022年4月より設置された、企業連携を専門に担当する部署です。2021年8月に就任した齋藤元彦知事が県政の基軸として掲げている、民間との連携を担当しています。

教育の分野からまちづくりまで複数のプロジェクトに関わっており、兵庫県の窓口として皆さんと行政の目線を合わせることが私たちの使命だと考えています。その一つが、空飛ぶクルマです。

空飛ぶクルマは2022年7月にデモフライトを実施しました。今まで夢のように思われていた、空を飛んで日常的に移動をする生活が、現実味を帯びてきています。デモフライトはテレビでも取り上げられるなど、空飛ぶクルマの認知度もどんどん上がってきていることは確かです。

ただし人々の生活圏の上空を飛行することによる、心理的な不安は依然取り除けていない段階と言えるでしょう。2025年には大阪・関西万博で空飛ぶクルマが飛行することなっていますが、社会実装においては万博終了後こそが重要であるため、きちんと浸透させるべく、民間企業のビジネス的な側面と、行政のインフラ的な側面の両方からアプローチをしていく必要があります。

そこで私たちは、県内の制度整備のほか、他の都道府県とのネットワークづくりにも力を入れています。HAAMには兵庫県在住の学生がメインで参加しますが「観光甲子園 空飛ぶクルマ部門」には全国の高校生も応募が可能ですので、他の都道府県とのネットワークも築いて空飛ぶクルマの未来を考える学生を全国に増やしたいという想いのもと活動中です。


<過去>さまざまな部署を経験し、ドローンと空の可能性を痛感

私は兵庫県生まれで、母子家庭で育ちました。母が一人で3人兄弟を育ててくれたこともあり、兄弟三人とも母には迷惑をかけたくないという気持ちは昔からどこかにあったと思います。社会制度やまわりの環境にお世話になったこともあり、いつか社会に恩返しをしたいという想いもありましたね。

兵庫県庁に入庁後はすぐに淡路島へと赴任したのですが、正直なところ当時は淡路島に特別深い思い入れがあったわけではありませんでした。

しかし、3年間淡路島に実際に住んでみたことで自然の豊かさや食べ物の美味しさなどに魅了され、島を離れる頃にはすっかり淡路島推しとなりました。

その後、私はさまざまな部署を経験することとなったのですが、特に印象に残っているのが2015年〜2018年頃にかけて所属していた「公園緑地課」でした。当時ニュースではドローンの落下が問題になっており、世間を騒がせていました。

しかしドローンは使い方次第では便利で楽しいツールとなります。そこで私たちは県立公園などでの飛行について、いち早くルールづくりを手掛けることに。ドローンについての見識を得ることもでき、より空やドローンへの興味が増しました。

また、2020年には地域創生局に異動をしました。過疎や離島等の担当として、人口減少が急激に進む地域で新しい技術を使って課題を解決していくプロジェクトを立ち上げたのですが、そのプロジェクトの事業の一つとしてドローン輸送の実証実験を行いました。

各地域の方々と実装を進める中で、技術的にも空の利用の可能性を非常に感じることができましたし、何よりもお年寄りから子供までが、空を指差しながら笑顔でドローンを見つめる様子がとても印象に残りました。ドローンがつくる明るい未来を予感したことを覚えています。

<未来>淡路島を盛り上げるとともに、全国の学生も空飛ぶクルマについて考えられるような機会を創出したい

それから一年ほどが経った2021年に、ご縁があって空飛ぶクルマと出会いHAAMにも携わるようになりました。

空飛ぶクルマには、移動手段をスムーズにする役割を期待しています。神戸空港に着いてから5分で有馬温泉の湯に浸かることができたり、ベイエリアからすぐに六甲山の紅葉を見に行くことができたり...。

私はつい淡路島との関連を考えてしまうのですが、淡路島にかかる明石海峡大橋でのクルマ渋滞など、オーバーツーリズムの課題も解消できるのでは?と淡路島への航路の実現も心待ちにしています。

また、淡路島は環境立島を掲げていて、太陽光や風力発電などの自然エネルギーによるエネルギーの地産地消にも力を入れています。空飛ぶクルマは、電気で動くエコな乗り物です。淡路島で生まれた自然エネルギーで充電した空飛ぶクルマが、大阪湾や瀬戸内に飛び立ち、夜は充電のために淡路島に帰ってくる。個人的にはそんな未来も思い描いています。

兵庫県はまだ空飛ぶクルマに取り組み始めてから日が浅いこともあり、まだ具体的な実装計画はこれからです。しかし、だからこそこれから民間の企業さんや若い皆さんと一緒に未来を考えていけると考えています。ぜひ若者の皆さんには新しいモビリティ「空飛ぶクルマ」の役割を自由に思い描いてもらいたいと考えています。

兵庫県ベイエリアは、立地的にも空飛ぶクルマへの期待値が高い場所です。また、兵庫県は瀬戸内の一つでもあるため、温暖で雨が少なく、島が点在しているという地理的な理由からも、ドローンや空飛ぶクルマのフライトの地として有望視されています。観光の面だけでなく、医療や災害救助の面などさまざまなシーンでの活用法を考えて、発信してもらえると嬉しいです。

私たちとしては、観光甲子園などを通じて、県内の学生だけでなく全国の学生にも空飛ぶクルマについて考えていただけるような機会を創出していきます。空飛ぶクルマに関連する会社を起業するような学生が出てきたら、それほど嬉しいことはありません。

まずは兵庫・神戸がモデルになれるように、HAAMの学生さんと空飛ぶクルマの未来を考えていければと思います。交通手段の進歩は、視覚的にも心理的にも社会の変化を大きく感じさせるものだと思っています。5年後、10年後の未来をより良くするためにも、ぜひ若者の皆さんには第一線で空飛ぶクルマの未来を考えていただきたいです。

HYOGO 空飛ぶクルマ研究室【HAAM】
SDGs思考で未来の空を構想するシンクタンクをコンセプトに、空飛ぶクルマの実用化が期待される2030年代に社会の中核を担うZ世代以降の若者【大学生・高校生】と共に観光・地域創生分野における具体的なビジネスモデルを考えるラボラトリー。大学生向けの空飛ぶゼミや高校生のSDGsへの関心を集める企画などを実施。
公式HP:https://hyogoaam.jp/

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