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どこに何が転がっているかは分からない

 実は、10年にも渡ってアトピー性皮膚炎を抱えています。「も」を加えたのは、真面目に皮膚科通い・薬の塗布をしていればとっくの昔に治っていたことは明らかだと思うからです。基本的に半年ペースでしか行っていなかったんですが、ここ半年はなぜか調子が悪く、そのおかげ?もあって医者にも平均月1ペースで通っています。このまま根治に至ればいいんですが…
 入浴後の塗布にはある程度時間がかかりますが、その最中はテレビ見っ放しになります。今夜は、この時間帯にNHKが地上波で野球中継をするのも珍しいので巨人vsヤクルトを観ていました。

 観始めたのがちょうどいいタイミングで、5回表にヤクルトが2本のホームランで同点に追いついた場面でした。そこで驚いたのは、ホームラン時の演出の変化でした。
 以前はこうでした。

 ご覧の通り、3塁を回ったあたりでボールが回転して○号と表示される、味のあるアニメーションだったんですが、今は淡白な黒背景といった感じ。なぜ変えてしまったのかなぁと、不思議でなりません。

 その一方で、これはいいなぁと思ったのは5回裏終了後のグラウンド整備の時間を利用した「熱弁」というコーナーでした。最近は野球中継もあまり見なくなったので、このコーナーの存在は今日まで知りませんでした。
 今日の解説は、西武中日で活躍した和田一浩さんでした。実況の豊原謙二郎アナウンサーが「出会い」について話題を振ると、和田さんは若手時代の打撃コーチや先輩選手の名前を挙げて、それぞれから教えられたことを回想していました。
 その締めくくりとして豊原アナが「今日、この東京ドームで戦っている…」というようなフリをしたのです。それに続いて和田さんが話していたのは、次のようなエピソードでした。
 「子どもの頃にナゴヤ球場のレフトスタンドで試合を観ていた時、原さん(辰徳・現巨人監督)が放った場外ファウルに驚いて『あんなにボールを飛ばせる選手がいるのか』と思った」 
 その後さほど時間がなかったのであまり丁寧に語られていなかったんですが、恐らくその目撃がプロ野球選手を目指す一つのきっかけになったという脈絡だったんだろうと思います。
 「レフトスタンド」と聞いた時にはきっとホームランにまつわる思い出なんだろうと思ったんですが、一本取られました。しかも、ファウルというのは野球の試合の中ではあまり注目されないプレーなんじゃないかと思います。もちろんプロ野球での場外ファウルというのはかなり珍しいことですが、そういった一瞬のプレーが後の名選手の目にはしっかり焼き付いていたんだなぁと思ったのです。

 「どこで誰が見ているか分からない」というのはよく使われるフレーズだと思いますが、何がきっかけで何が起こるかも分からないことが多いと思います。まさに「神のみぞ知る」領域ですが、原さんも和田さんも、素人には想像し尽くせないほどの努力を経て大打者として活躍された訳です。それだけの蓄積があったからこそ原さんはあの大ファウルを打てて、それが和田少年が蓄積を始める一つのきっかけにもなった。

 奇しくも、スポーツイベントでの入場制限が緩和されたというニュースがあったばかりです。それでもチケット争奪戦は依然として熾烈を極めるんでしょうが、一人でも多くの子ども達にとってスポーツ観戦が何かのきっかけになればいいなぁと思います。去年までの応援ができない(一部球場では音声が流れてますが^^;)今季は、選手たちの声や「球音」への注目が高まっています。また、視覚的にもプレーに集中しやすい環境なのではないでしょうか。名場面と言えない「普通のプレー」にも、一流選手が日頃練習を重ねた片鱗が見えるはずです。テレビでもネットでも現地でも、そういった「大切なこと」が一人でも多くの人の心に響くことを願うばかりです。

 今回の見出し画像は、ナゴヤ球場から中日の一軍本拠地としての役割が移ったナゴヤドームの外観です。5年前の夏に初めて訪れて以来一度きりになってしまっていますが、ここを訪れたことでセ・リーグの一軍本拠地全踏破を達成することができました。

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