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#大人の自由研究
微小甲虫の楽園としての「芝生の裏側」―チビミズギワゴミムシとコケシマグソコガネ―
はじめに私が現在居住する賃貸住宅の庭には5 $${\text{m}^2}$$ほどの小さな芝生がある(下写真)。
いくら虫屋でも、こんなつまらなそうな場所でわざわざしゃがみ込んで虫を探そうという発想にはなかなか至らないものであるが、たまたま妻に頼まれた作業を玄関前で行っていたのがきっかけで、この芝生にチビミズギワゴミムシとコケシマグソコガネが生息しているのを発見した。いずれの種も、こんな身近過ぎる
圃場整備された水田にはどれくらい水生昆虫が生息しているのか?
現在国内で止水性の水生昆虫が絶滅の危機に瀕しているのは周知の通りで、神奈川県においても、かつては水田で普通に見られたらしいナミゲンゴロウやタガメが姿を消してからすでに久しい。これら止水性水生昆虫の減少の原因として、水田における強力な農薬の使用や圃場整備による乾田化、中干しの強化等の稲作の近代化の他、水田に付随するため池への侵略的外来種の侵入や護岸強化が挙げられている。このようなネガティブなイメージ
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