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#65 百鬼堂農園(15) 野望のトマトタワー

 満を持してミニトマトを植えようと考えていたが、このところ天気が悪かった。晴れ間に畑をみにいったところ、雨があがって2日たっても、まだ粘土状。ものすごい保水力である。長靴の底に泥がへばりつき、周囲を一周しただけで2センチくらい身長が高くなっている。作業できないことはないけど、難航必至のため着手できずにいた。

 天気予報をにらみつつ、ミニトマト栽培のための培養土と支柱を買うタイミングを見計らっていたが、好天かつ2日連続で畑に行ける条件がそろったところで、入手に踏み切った。石灰をまいて2週間おいて深く掘って肥料をやってーというのが植える前の正しい手順なんだろうけど、そこまでしていません。栄養のありそうな培養土を畝にかぶせるように置いて、耕してまぜて、初日の作業終了。

 翌日に苗を買いに再びホームセンターへ。ミニトマトだけでも、いろいろ種類がある。病気に強い初心者向けをうたったものや甘みが強いものなど、それぞれ特徴の違う3株を購入。他の野菜苗に比べて、有名メーカーの開発した品種は少々お高い。ある程度丈夫でおいしいのだろうと勝手に期待する。

 前日耕した場所にスコップで穴をあけ、丁寧に植えた。支柱は、苗が成長しても倒れず、葉が広がりすぎないようリングがいくつかついたタイプのものにした。これもちょっと高価だが、支柱を組み合わせたりひもで結びつけたり、という面倒くさい作業を嫌った。野菜タワーのようで、見た目がちょっとかっこいい。高く伸びて青々と茂ってほしい。

 周囲を見渡したところ、市民農園のベテランのみなさんはあまりトマトを作っていないようだ。何か理由があるのだろうか、また聞いてみよう。なお、ミニにしたのは、大玉は難しいという南東さんのアドバイスによるものだ。いまのところ、病気や鳥や虫対策まで考えが及んでいないけれど、今後はなんらかの対策も必要になるのだろう。

 本当に、赤く輝く甘くみずみずしいトマトが、鈴なりに実るのだろうか。それは美しい光景だろうと夢想する。

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