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#62 百鬼堂農園(13) 耕して、蒸されて、飲んで

 農具運搬だけでなく、買い物にも大活躍の電動アシスト自転車「農耕1号」である。前かごにいっぱいの苗を積んで市民農園の周囲を走り回り、農耕1号の勇姿を見せびらかしたい誘惑に駆られる。しませんけどね。

 午後から出勤ということがほとんどなので、畑仕事は午前中が多い。未明まで働いているのでそれほど早い時間には始められないが、ちょっとだけ畑の様子を見にいくつもりだったはずが、あっという間に2時間たっていた、なんてことが少なくない。

 仕事に土日祝日は関係ないため、休日が平日になることも多い。休みの日は、いままではゲームしたり映画みたりサウナに行くことが多かった。最近の平日休みは、基本的に畑とホームセンターである。そんなに連日通ってすることがあるわけでもないのだが。

 畑仕事は汗もかくし、やはり土ぼこりなどで汚れる。休日の畑仕事のあとは、サウナ(銭湯)に直行することが多くなった。

 身体を洗って汗を流して、サウナで蒸されて水風呂に入って外気浴でととのう。いままでやってきたことと変わらないが、同じルーティーンでも農作業のあとでは、充実感のようなものがなんだか違う。なんでだろ。ビールのうまさもやっぱり違う気がする。そんなに強くないので缶1本程度だけど、本当においしい。

 とはいえ、サウナとビールを楽しむために、市民農園や家庭菜園を始めるというのは大変だ。私はたまたま時宜に恵まれただけで、これは贅沢なことだと感じている。趣味でやる農作業だからいいわけで、仕事としての農業だったらこんな気楽なことはいっていられないだろう。

 農作業とサウナ(銭湯)とビールは非常に相性がよい、とまあこれだけはあらためてお伝えしておきたい。スポーツや仕事のあとでもサウナとビールは素晴らしいものだが、同じ汗をかくにしても、農作業ではひと味違う。気分的なものだろうか。

 農園経営が順調ならいずれ、ビールのつまみに自家製の枝豆などが加わることもあるかもしれない。喜びはさらに増すだろう。楽しみだ。

 とはいえ、休日は農作業ばかりでなく、ほかのこともしたい。農耕1号に椅子と本を積んでチェアリングにもいってみよう。いやでもたまにはロードバイクにも乗らないとな。休みがアクティブな過ごし方にゆるく変化している気がします。無理をせず自重もしつつ。

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