夜
夜の方が昼より真実に近い気がする。
シンとした中にある何か。
昼にはない何か。
その何かに身を委ねる一人の夜が私は結構好きだという話。
深夜のテンションとか、よく言う。
その何かが自分を深夜のテンションにしている。
普段打たない、恥ずかしめの長文のメッセージを誰かに送ってしまったり。
特定の異性とねっとり絡み合う妄想がやけにリアルにできたり。
おもむろに外に出て体をゆらゆらくねらせて踊ってみたくなったり。
普段溜まっている怒りの言葉がつらつらと頭を流れていたり。
独りで夜に対峙すると、その、何かが自分に働きかけてる気がしてならないのだ。
で、私はこの深夜のテンションが割と本能に近いものだとも思う。
この昼にはない何かが、本能的なところに引っ張ってくれる。
私は割と、そんな独りの夜が好きだ。
希死念慮に苛まれる人は独りの夜は向いてない。
そばにいてくれる人を見つけるのがベストだし、早く寝た方がいい。
だから少し危うさもある。
私なんかは部屋をウロウロしながら「うー、うー、」と唸っていることもある。
急に髪を切り出す時もある。それで坊主になったこともある。
頭を壁に打ち付けてるときもある。
大声で泣いたこともある。
夜はいろんな自分を見せてくれる。
よく言われるのは、こういうのは昼にちゃんと働いてないからとか、体を動かしてないからとか、ただ生活習慣が悪いからとかそれっぽいことを言われるが、私はそうじゃないと思うのだ。
実際、こうやって文を書いてるのも夜だし、音楽を作るのも夜だし、ギターを弾きたくなるのもこんな独りの夜だったりするのだ。
昼頑張って働いても寝れない時はやっぱり寝れないし。
だから、変に睡眠剤とか精神安定剤を飲んでこれを抑えるという風潮は甚だ間違ってるとも思うし、こんな夜の自分を異常と思うことも間違ってると思う。
全部受け入れて生きないと面白くない。生きてない。
これでもし仕事に支障をきたして、謝らなければいけないのなら、そんな謝らなければいけない仕事先も間違っていると思う。
それが普通にまかり通っているこの社会が間違っている。
と、深夜のテンションで言ってみる。
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