タニショーゴ💐

1989年札幌生まれの音楽・映像クリエイター / 2022年11月に札幌に帰ってきました

タニショーゴ💐

1989年札幌生まれの音楽・映像クリエイター / 2022年11月に札幌に帰ってきました

マガジン

  • 生きることの喜びをひとつひとつ取り戻す記録

    これから書くのは、自分が生きていることを思い出すための日記だ。もしくは、おれが死んでしまったときに、あなたがたどるストラグルでもある。

記事一覧

10年乗ったクロスバイクをカスタムする

「マウンテンバイクに興味が出てきた」とXで投稿して、伊達市の栗原さんといっしょに札幌のサムズバイクに行ったのが2023年11月。すぐに冬になってしまい、仕事も私生活も…

体温を豊平川に溶かす

豊平川、札幌の川。 中学のとき、ベースを買った友達と、家につくまで待てずソフトケースを開けて弾いた川。高校のとき、橋の下でホルモンを焼いたりタバコを吸った川。誰…

生きることの喜びを、ひとつひとつ取り戻す

今年の6月あたりから、家族の大病・死ですっかり参っていた。もともと双極性障害で波があることに加え、最近はパニック発作と不眠が出るようになってしまい、こりゃあいか…

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酒に酔わなくなった | 15分で考える音楽以前のこと(26)

とにかく酒が好きでたまらなかった。熱いものが胃に落ちる感覚、脳がしびれる22時半、ふわふわとした帰り道。しかしコロナが流行って禁酒してみて以降、どうにも体質的に酔…

2020年東京オリンピック日記 | 15分で考える音楽以前のこと(25)

2021年7月23日、開会式当日。 まあ、とにかく気が重い。スポーツ好きではないので、こうも世の中やニュースがオリンピック一色になると、置いてけぼりをくらってしまう。…

まだ読んでません日記 | 15分で考える音楽以前のこと(24)

積ん読のことです。 躁鬱!鬱々!躁!鬱鬱!と繰り返して、今も元気に暮らしている。元気に暮らしてはいるが、脳みそが薬でボヤボヤしていると、活字が頭に入ってこない。…

①死、②ギター修理、③歯医者 | 15分で考える音楽以前のこと(23)

①死 死が迫ってくる!毎日!避ける、右、右、左!毎日、右、右、左!死が毎日迫ってくる!しかし、避ける! --- ②ギター修理 高校生の時にナンバーガールに憧れて買…

5年ぶりに給料をもらった | 15分で考える音楽以前のこと(22)

ただの生活がこんなに悲しいとは 愛おしいとは --- 2021年2月25日、木曜日。給料をもらった。請求書を書かずに、雇用契約による金をもらうのは、実に5年ぶりのことであ…

「役立たず」として | 15分で考える音楽以前のこと(21)

敵わない、歯が立たない、足元にもおよばない。初め方がわからない、終わらせ方がわからない。わからないことがわからない。わからないことがわからないことがわからない。…

おれも機材で殴る Mark Ⅲ | 15分で考える音楽以前のこと(20)

機材で殴る話です。 --- 2017年にWSZ80さんやSAKANAさんからモジュラーシンセについて教えてもらい、2020年にようやくセミモジュラー(Arturia MiniBrute2)を購入した。…

ユージュアル・サスペクツが悪い | 15分で考える音楽以前のこと(19)

「この映画の結末は、誰にも予想できない」系の映画を見た。ドチャクソにマス寄りの映画ではなく、ミニシアターで上映していたドイツ映画だったので、Netflixにあがってい…

おれも機材で殴る Mark Ⅱ | 15分で考える音楽以前のこと(18)

Canonの型落ちエントリーモデル一眼レフカメラを中古で手に入れてから1年。ストラップもつけずグリップつかんでぶん回しながら、這いつくばっていろいろ撮っている。 👆最…

血と土 | 15分で考える音楽以前のこと(17)

自分の五代前(高祖父)が北海道・比布町に来る前に暮らしていた、滋賀県・下田に行った。近くの街の図書館の郷土資料コーナーで下田村史を読んでみると、ネットには上がっ…

自分のルーツをたどり、6代前と座標を重ねる / 北海道・比布と滋賀県・下田

じいちゃん、そしてそのじいちゃん父方のじいちゃんは、北海道比布町の農家だった。イチゴは必ず凍らせて練乳をかける。トマトには必ずブルドックソースをかける。名前の読…

ナマの「不安」を大事にする | 15分で考える音楽以前のこと(16)

自分のなかにある、ナマの「不安」を大事にしようと思った。簡単に言語化したりせず、きちんと非言語表現で「不安」そのままに外に置いておきたい。それはとっても価値のあ…

油沢、地図に載らない地名 | 15分で考える音楽以前のこと(15)

札幌市の、坂の多い地域で生まれ育った。 これは仲間内では「かねひめの坂」と呼ばれる超急勾配。ミニバスチームのキャプテン・カズがキックボードで駆け下りて転倒し、右…

10年乗ったクロスバイクをカスタムする

「マウンテンバイクに興味が出てきた」とXで投稿して、伊達市の栗原さんといっしょに札幌のサムズバイクに行ったのが2023年11月。すぐに冬になってしまい、仕事も私生活もバタバタして、いつの間にか夏が終わろうとしている。 しかし、その間ずっと考えてみると、新車を買う気にはならなかった。そもそも自分は2014年の秋に買ったGIANT ESCAPE R3に乗っていて、付き合いは今年で10年になる。俺はこの入門クロスバイクをメンテナンスし続け、修理代は合計すると同モデルの新車が買える

¥300

体温を豊平川に溶かす

豊平川、札幌の川。 中学のとき、ベースを買った友達と、家につくまで待てずソフトケースを開けて弾いた川。高校のとき、橋の下でホルモンを焼いたりタバコを吸った川。誰も話す相手がいなくて、藪の中でひとり酒を飲んでいた川。 2年前、豊平川の近くに部屋を借り、季節・時間を問わず川に通うようになった。何をするでもなく川の音を聞き、水量の増減や季節の変化を感じ、ほぼ全裸での日光浴やイリーガルな焚き火、平日昼のバーベキューを眺めている。フライフィッシングのキャストを練習する人、あずまやで

¥300

生きることの喜びを、ひとつひとつ取り戻す

今年の6月あたりから、家族の大病・死ですっかり参っていた。もともと双極性障害で波があることに加え、最近はパニック発作と不眠が出るようになってしまい、こりゃあいかんと仕事もストップしたほどである。7月の末に祖母が亡くなり一区切りついたところで、「楽しい」と思う気持ちがすっかりわからなくなってしまった。久しぶりの、典型的なうつ状態である。食べたいものもやりたいこともわからず、何もできないまま日が暮れるが、照明をつける気力もないので暗い部屋で転がるしかない。 双極性障害もキャリア

¥300

酒に酔わなくなった | 15分で考える音楽以前のこと(26)

とにかく酒が好きでたまらなかった。熱いものが胃に落ちる感覚、脳がしびれる22時半、ふわふわとした帰り道。しかしコロナが流行って禁酒してみて以降、どうにも体質的に酔い方が変わった気がする。 今までは一杯ずつ、階段を登るように酔っていった。飲めば飲むほど、正比例して酔いも回る。しかし最近は酔うというよりも胃が膨張する感覚だけで、浮遊感を感じられなくなった。それでも酒の場は楽しいので調子に乗って飲み続けると、寝る前に耐えられず吐いてしまう。 これは酒を飲まない人達が言っていた、

2020年東京オリンピック日記 | 15分で考える音楽以前のこと(25)

2021年7月23日、開会式当日。 まあ、とにかく気が重い。スポーツ好きではないので、こうも世の中やニュースがオリンピック一色になると、置いてけぼりをくらってしまう。しばらく前に申し込んだ月次支援金は、申請内容を確認されてすらいないらしい。少し前に辞めた職場に頼んだ書類はまだ届かない。カクヤスの配達だけは定刻に届く。気温は35度、やってられん。 12時半。バックパックにカメラと機材をしこたま詰めて歩きだすと、頭上をブルーインパルスが通過した。ジェット機の心地よい爆音が、ど

まだ読んでません日記 | 15分で考える音楽以前のこと(24)

積ん読のことです。 躁鬱!鬱々!躁!鬱鬱!と繰り返して、今も元気に暮らしている。元気に暮らしてはいるが、脳みそが薬でボヤボヤしていると、活字が頭に入ってこない。鬱のときは「グゴポポポ…」と重いまぶたと余計な思考に邪魔されて、読めない。躁のときは「カカカカカ!」と脳がクロックアップして文字がツルツル滑り、読めない。どっちにせよ読めないので、積ん読が増えていく。 まあ、本というものは最悪、読まんでもよろしい。買うだけでよろしい。読めるときに一気に読んだらよろしい。趣のある本棚

①死、②ギター修理、③歯医者 | 15分で考える音楽以前のこと(23)

①死 死が迫ってくる!毎日!避ける、右、右、左!毎日、右、右、左!死が毎日迫ってくる!しかし、避ける! --- ②ギター修理 高校生の時にナンバーガールに憧れて買ったジャズマスターを修理に出した。 俺のジャズマスターはフレットが削れに削れ、ローポジションはガタガタ。そして2015年にはフロントピックアップが鳴らなくなった。ザグっとしつつ、コード感があってジーンとするような音が好きな自分にとって、フロントピックアップが鳴らないのは致命的だった。 勢いでそのままG&L

5年ぶりに給料をもらった | 15分で考える音楽以前のこと(22)

ただの生活がこんなに悲しいとは 愛おしいとは --- 2021年2月25日、木曜日。給料をもらった。請求書を書かずに、雇用契約による金をもらうのは、実に5年ぶりのことである。 コロナの第三波を目前にした2020年10月、フリーランスで突っ張り続けることに「守り」を感じてしまったこと、いますぐに東京から北海道に移り住む予定がないこと、しかしながら東京と北海道の移動が難しくなってきたこともあり、よく連絡をとったり仕事をしたりしていた友達の会社に入社する決断をした。決断の内容

「役立たず」として | 15分で考える音楽以前のこと(21)

敵わない、歯が立たない、足元にもおよばない。初め方がわからない、終わらせ方がわからない。わからないことがわからない。わからないことがわからないことがわからない。 昔は自分がスタメンとして戦える勝負しかしてこなかった。最近は取っ掛かりのないツルッツルな、想像もしてこなかった戦場に駆り出されることが多い。周囲にはその道でそれなりに長くやってきた連中がいる。勘所が違う、力の抜きどころが違う、アウトプットイメージが違う。敵わない、歯が立たない、足元にも及ばない。「役立たず」である。

おれも機材で殴る Mark Ⅲ | 15分で考える音楽以前のこと(20)

機材で殴る話です。 --- 2017年にWSZ80さんやSAKANAさんからモジュラーシンセについて教えてもらい、2020年にようやくセミモジュラー(Arturia MiniBrute2)を購入した。やっぱり電気信号に触って音を作ってる感覚が面白くて、いよいよこれはモジュラーシンセを組みたくなってきた。しかし、箱だけで3万する。アホ!!!ということで、バーチャルモジュラーの「VCV Rack」を触ってみた。2017年に触ったときは自分の知識不足も相まって、パッチング遊び程

ユージュアル・サスペクツが悪い | 15分で考える音楽以前のこと(19)

「この映画の結末は、誰にも予想できない」系の映画を見た。ドチャクソにマス寄りの映画ではなく、ミニシアターで上映していたドイツ映画だったので、Netflixにあがっていてラッキ〜〜〜と思いながら見たのだけど、結末はハチャメチャに期待したほどではなかった。これはぜんぶ「ユージュアル・サスペクツ」が悪いなと思う。後半すっごくよかったんだけど、一番最後で「ユージュアル・サスペクツ」ほどブチ上がらなかったんだよね〜。「ユージュアル・サスペクツ」が悪いよ。すごすぎるから。 --- 件

おれも機材で殴る Mark Ⅱ | 15分で考える音楽以前のこと(18)

Canonの型落ちエントリーモデル一眼レフカメラを中古で手に入れてから1年。ストラップもつけずグリップつかんでぶん回しながら、這いつくばっていろいろ撮っている。 👆最近撮って頑張って編集して出したやつ。記事も読んで👇 --- わからんなりに色々調べ、実践し、「すげぇ良くなったッ…」だの「いいのできたかも…」だの「ぜんぜんダメだ…」だの、忙しいことやっている。ここまでバンバン使ってるとマシン的な限界も見えてきて、これはカメラ買い替えかな…という気持ちになっている昨今。金は

血と土 | 15分で考える音楽以前のこと(17)

自分の五代前(高祖父)が北海道・比布町に来る前に暮らしていた、滋賀県・下田に行った。近くの街の図書館の郷土資料コーナーで下田村史を読んでみると、ネットには上がっていない開拓入植時代の情報がわんさかでてきて、なかなか興奮した。 --- ただ、そこで知ることができたのは1890年代までで、それより前に、比布の語源であるピピ原野がアイヌにとってどういう場所だったのかは、別の本を読まなくてはいけない。どこにあるの、そんな本。誰か教えて、俺は読みたい。国会図書館? --- 白老

自分のルーツをたどり、6代前と座標を重ねる / 北海道・比布と滋賀県・下田

じいちゃん、そしてそのじいちゃん父方のじいちゃんは、北海道比布町の農家だった。イチゴは必ず凍らせて練乳をかける。トマトには必ずブルドックソースをかける。名前の読み方が2つあって、どちらが役所に出した本名だったか定かでない。葬式のとき、「どっちの名前で読まれるんだろうね」と、親族で笑っていた。 ひいじいちゃんはあまり働き者ではなかったらしく、10人兄弟の長男だったじいちゃんは小学校を中退して働いた。そういう育ちだからか、自分にも他人にも厳しい人だったそうだ(孫にはとても甘かっ

ナマの「不安」を大事にする | 15分で考える音楽以前のこと(16)

自分のなかにある、ナマの「不安」を大事にしようと思った。簡単に言語化したりせず、きちんと非言語表現で「不安」そのままに外に置いておきたい。それはとっても価値のあることだ。 すべての人の不安は、オリジナルの形をしている。2011年に大うつ状態になったとき、「寝室のテレビが勝手に映るんじゃないか」と不安で、眠れず夜通し唸り続けていたことがあった。コンセントを抜いても安心できず、ウーウー言っていた。リングの貞子のような幽霊が映るのを恐れていたのではなく、ただ「テレビが映るかも」「

油沢、地図に載らない地名 | 15分で考える音楽以前のこと(15)

札幌市の、坂の多い地域で生まれ育った。 これは仲間内では「かねひめの坂」と呼ばれる超急勾配。ミニバスチームのキャプテン・カズがキックボードで駆け下りて転倒し、右ひじを剥離骨折した。自宅から札幌中心部へは100m以上の高低差があり、自転車なら行きは25分程度で着くが、帰りは40分以上かかる。全身汗だく、太ももはパンッッッッッッパンだ。 ここらは藻岩山が本当によく見える。朝、この景色を見ながら坂を下るのが当たり前だった自分にとって、東京の平坦さは本当に息苦しかった。十勝の平野