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ナマの「不安」を大事にする | 15分で考える音楽以前のこと(16)

自分のなかにある、ナマの「不安」を大事にしようと思った。簡単に言語化したりせず、きちんと非言語表現で「不安」そのままに外に置いておきたい。それはとっても価値のあることだ。

すべての人の不安は、オリジナルの形をしている。2011年に大うつ状態になったとき、「寝室のテレビが勝手に映るんじゃないか」と不安で、眠れず夜通し唸り続けていたことがあった。コンセントを抜いても安心できず、ウーウー言っていた。リングの貞子のような幽霊が映るのを恐れていたのではなく、ただ「テレビが映るかも」「パチっとついたらどうしよう」という不安だったのだ。意味がわからないけれど、あの夜は確かにそれが怖かった。

「夢」とか「目標」みたいなものは、周りの言葉の影響をうけやすい。しかし「不安」は心の底にドッシリと構えている。

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不安をごまかしてくれるものはよく売れる。この資格を取れば、職を失う不安がなくなります。この本はあなたが不安を感じる理由を教えてくれます。60代になるとこうなります。アフターコロナはこうなります。

でも、我々を不安から根源的に開放してくれるものは存在しない。THE WHOのピート・タウンゼント曰く、「ロックは俺たちの悩みを解決してくれるわけじゃない。悩みと向き合わせてくれる、悩んだまま踊らせてくれる音楽なんだ」。

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そういうわけで、自分の中にある不安を具現化したい。どういうフォーマットになるだろうか。ショートムービーだと、斜面をザリ落ちる(ザリザリ落ちる)不安を描いた「CURVE」がとてもよかった。

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電気を消した瞬間の不安を描いた「Lights out」も、すごくよかった(とても怖いので注意してください)。こういったショートムービーは、幽霊が出る理由や怨念を描く必要がないので「不安」にフォーカスできてとてもいい。


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