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血と土 | 15分で考える音楽以前のこと(17)

自分の五代前(高祖父)が北海道・比布町に来る前に暮らしていた、滋賀県・下田に行った。近くの街の図書館の郷土資料コーナーで下田村史を読んでみると、ネットには上がっていない開拓入植時代の情報がわんさかでてきて、なかなか興奮した。

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ただ、そこで知ることができたのは1890年代までで、それより前に、比布の語源であるピピ原野がアイヌにとってどういう場所だったのかは、別の本を読まなくてはいけない。どこにあるの、そんな本。誰か教えて、俺は読みたい。国会図書館?

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白老町のウポポイに行ってからというもの、土地の記憶に目を向けなくてはいけないな、という意識が強くなっている。1890年代に滋賀県から北海道に来たのは、自分の血の記憶である。しかしそれより前から、土地の記憶は続いている。両親の両親の…と血脈を遡っていけばおびただしい人数になるように、自分が踏んでいる土にも恐ろしいほどの情報が詰まっている。下田村史にはピピ原野にアイヌが住んでいたという表記は見当たらなかったが、名前がつくということは、アイヌにとって何かしらの土地であったはずだ。

さらに、開拓者の子孫たる自分は言い方を変えれば間違いなく「土地を奪った者・五代目」である。そしてこの先も、生物を殺して資源を奪って己を汚して歩いていく覚悟を決めている人間として、そのことに常に自覚的であるために、血と土の記憶を抱えていきたいと思った。

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