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狩猟採集民の絵

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秋田県の阿仁という地域の絵を「狩猟採集民の絵」として載せています。 さっと見ていってください。 6月16日〜7月15日まで、毎日朝7時更新。 ※7月15日追記 マガジンの販売は…
もしいい絵があればマガジンを購入していただけるとめちゃ嬉しいです。 お金は絵の額縁代として使用しま…
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#絵

成功体験を捨てる

大学受験が自分の唯一の成功体験なので、いまでもそのときのことを思い出して、計画を立てることが多い。塾講師に言われていたのが「同じ問題を3回解くこと」だった。数学の先生だったけれど、どの教科も基本「3回」やれば頭に入るよ、と。さらにその3回というのは3日間連続でないといけない。1回やって1ヶ月後にもう一度するのではなく、次の日に同じ問題をやる。そのまた次の日に同じ問題をやって、やっと完成ということだ。かなり面倒に思えるけれど、僕はめちゃめちゃ素直にそれをやり通した。そのおかげで

自分の実力を知る。

さて、この3日間ほど銃撃、選挙、落込、といろいろあって、まともな文章をかけていなかったので(それまでが「まとも」かどうかはさておき)、ちゃんと何かについて書きたいと思う。 最初はかなり抵抗があった「自分の絵をネット上に載せる」という行為。 前までは、ちょっと恥ずかしい、みたいな気持ちがあったはずなのだけど、これだけ毎日やっていると、感覚が麻痺してきて、ふつうにあげられるようになった。 文章もそう。昔はコソコソとブログを書いていたりしたけれど、いまはどんなものでも世に出せるよ

希望絶望日曜月曜

カラスが鳴いて朝4時に起きる。 選挙の情報を携帯でみてみる。 希望と絶望がエスプレッソくらいの割合 それでも今日ははじまっている きのうのことを思い出してた。 稼ぎがほぼゼロだよね、とある人に言われた。 まあそうですね、と笑いながら言った。 あとからほんとに後悔した。 自分で稼いだそのお金を ゼロだと言われたことにもっと 怒ってもいいと後から気づいた。 気づいた時にはもう遅かった。 山菜を買ってくれたひとたち noteを買ってくれた人たち その人たちからもらったお金は、

マタギの一員として役目を果たせた日。

マタギという狩猟集団の一員として仲間に入れていただいている。 今年の春にその方々と一緒に猟に行った。この絵は熊を解体した場所。ここで熊を一頭授かったのだった。 ・・・ 移住して3年目なので、阿仁にはまだ実質2年半ほどしか住んでいない。移住したての頃、いきなりマタギの猟に同行させていただけることになった。 名前もわからないおじさん(おじいさん)たちに付いて行き、秋田のことばもまったくわからないなか、雪山のなか「ここで待ってれ」と一人にされた。雪山で一人残されるのは、当時の僕

山の変化を見て思うこと。

今日も、朝活。 夏なんだけど、秋の山を。 普段自分の会社のほかに、営林署の臨時職員として働いているので、ほぼ毎日のように山に入る。こんな生活初めてなので、山が変化していく様子が観察できて、とてもたのしい。 夏といえば虫、というくらい僕の中では虻や蚊が増えてあんまり夏山には近寄りたくないなあというイメージだったのだけど、少しずつその感覚が変わってきている。たとえば実をつける植物がいること。見た目はゼルダの伝説の「ムジュラの仮面」みたいな見た目なんだけれど、食べると甘くておい

あけびの話。

今日は朝に書いている。前日の夜に書いて、朝に投稿するというのがいつものルーチンワークなのだけど、あまりにも疲れていたりすると、何も書けない。書けたとしてもなんだか暗い文章になる。ただでさえ暗いのに、さらに暗くなっちゃうと、せっかく読んでくれた人に申し訳ないので、もう書かないことにしている。 朝になにかをするのはいいですねー。朝だからコーヒーも飲めるし、パンも食べれるし。そして涼しい風も入ってくるし。脳もぼーっとしてるところから、徐々に起きてくる感じが気持ちいいし。毎日はたぶ

食う人間、食われる熊。

この連載も20日になった。残り10日。 毎日書いても文章がうまくなったなあ、と全く思わない。上達が見えない。 でも絵ははっきりとうまくなってくる。それが楽しくて描いていたところもある。 最初に描いた熊の足の絵。 初めて野生の熊を見て、初めてマタギの猟を間近に見れたときのことを絵にした。 描いたけど、「これはいつか描き直さないといけないなあ」と思った。 自分が描いた絵、文章に、男はドンと胸を張る。 これは毎日描く中で大事にしていこうと思っていたことなのだけど、 このときのこと

軽い投票。

自分が初めて選挙に行ったのが昨年、26歳のときだった。妻と一緒に行ったのだけど、なにをどうすればいいのかわからなすぎて、あたふたしてめっちゃ恥ずかしかったのを思い出す。紙に名前を書いて、その後どうしたらいい?紙を折ってもいいのか?ああ、あの箱に入れるっぽいな・・・、二つあるじゃん、どっち?なんかめっちゃ周りに人おるし、こわい、みられてる気がする、こわい、みないで。やめて。あーって感じだった。ほんとどうすればいいのかわかんなかったので、恥ずかしかったけれど周りにいる立会人?みた

山のものを口に入れる。

本格的にきのこ採りをしたことがない。山菜と違って、まるっきりわからないからだ。師匠と山に行き、舞茸、ナメコ、しいたけ、ブナハリタケ、さわもだし、というようなこちらではかなりメジャーなキノコを採ったことはある。でもそれは師匠が見つけて「これはね」と教えてくれたのであって、僕が見つけて僕が採ろうと思って僕がもぎって僕が袋に入れたわけではない。全部やってもらったんだった。 昨年の秋に初めてひとりで猟に行った。いつも歩いている山を銃を担いで山を歩くのはかなり違和感がある。やってもい

「いいから高い」のではなく「少ないから高い」

少し前に「人新世の「資本論」」という本を読んだ。その本の中で「経済的価値は希少性で決まる」というような一節があった。この本の本筋からは少し外れてしまっているかもしれないけど、このことばがずっと頭にある。 それまでは、「本当にいいものだから値段が高い」と僕は思い込んでいたのだけれど、この本を読んでからそうじゃないんだ、ということを知った。「いいから高い」ではなく「少ないから高い」。たしかによく考えてみると、いわゆる「一点もの」というものは高くつく。それはこの世に一点しかない、

好きなおじさん#3 イラストレーター/グラフィックデザイナー

「狩猟採集民の絵」というタイトルをつけた、勝手で、個人的な連載をし始めて15日が経った。折り返し地点でもあるし、季節の変わり目のような気分でもあるので、あるおじさんの話をしたい。僕の会社のことを自分の会社のように考えてくれるおじさんのこと。 僕の会社の名前は「合同会社HUNT」という。この絵は、僕の会社のロゴマークを描いてみた絵なんだけど、全然魅力的じゃない。本当のロゴマークはこちら。 めちゃくちゃかっこいい。そしてやさしい。山で何かをHUNTするということがすぐにわかる

ヤマドリ's エッセイ

毎日文章を書く、と決めると頭の中がそのことで埋め尽くされる。書けることがないかずっとなにかを探している。でも2000文字書けるようなテーマ、のようなものはなかなか見つからない。見つかった試しがない。だから仕事が終わって毎日のように今日はどうしようとnoteの前で座り尽くすことになる。今日はほんとうに困った。困ったし眠すぎたので、書かずに寝た。寝て起きたら4時だった。よし書こうと起き上がった。どんだけ頭の中をnoteに支配されているのだ、おれよ。笑 ヤマドリという鳥を描いた。

足跡と雪山。

狩猟採集民の絵というテーマで自分の絵をnoteにアップし続けて13日目になる。当初の予定では日にちが経つにつれて絵の季節が移ろいでいき、noteの更新と季節の変化がマッチするような、そういう編集を試みていたのだけれど、30日という思ったよりも長丁場であることと、やっている僕自身が飽き性なのも相まってだんだんと編集計画にずれが生じている。でも気持ちの変化を大事にしたり、自分がやっていることをずっと楽しみ続けることが、リアルタイムで走り続ける原動力になるとも思うので、自分の心に正

好きなおじさん#2 大工/額縁職人

今日はお休みにします、とTwitterで書いたのですが、やっぱりこれは毎日続けないといけない、と思って書きにきました。 「法事。」というタイトルのnoteの続きとして読んでいただければと思います。 法事が終わって、妻と一緒に秋田市に向かった。額縁を作ってくれている「おおしまさん」という方から「できたからいつでもとりにきていいよー」と連絡があったからだ。マルシェでどれくらい商品を置いておけるのか、飾ってもいいのか正直分からなかったので、今後販売することも考えて30個作ってくだ