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ヤマドリ's エッセイ

毎日文章を書く、と決めると頭の中がそのことで埋め尽くされる。書けることがないかずっとなにかを探している。でも2000文字書けるようなテーマ、のようなものはなかなか見つからない。見つかった試しがない。だから仕事が終わって毎日のように今日はどうしようとnoteの前で座り尽くすことになる。今日はほんとうに困った。困ったし眠すぎたので、書かずに寝た。寝て起きたら4時だった。よし書こうと起き上がった。どんだけ頭の中をnoteに支配されているのだ、おれよ。笑


飛び立つヤマドリ

ヤマドリという鳥を描いた。ヤマドリは狩猟鳥獣に指定されているので狩猟の対象だ。山の中にいると、バイクのエンジン音のような音が鳴り響くことがある。けっこう奥の方まで来たのにバイクの音が聞こえるんだなあ、とよく思っていた。でも実際はこのヤマドリという鳥のドラミング音だった。ネットで調べると、威嚇や求愛行動として発する音なのだと言う。

昨年はヤマドリを狙いつつ、ラッキーで熊がいないかと林道を走り回った。昨年だけで七羽は見たと思うが、発砲に至ったのは二発のみ。そのどれも外れた。それ以外は発砲すらできなかった。
発砲した二発の話。50メートルくらい先で二羽のヤマドリを発見。オスだ。ヤマドリは尻尾の長いオスのみ狩猟鳥獣に指定されている。メスは撃ってはならない。向こうはこちらにまだ気づいていない様子。すぐに弾を込めてゆっくりと近づいていく。5メートル歩くと、すぐに気づかれてしまい草原に隠れられてしまった。でも隠れ方的にすごく警戒しているというよりは、「ちょっと変なやつ来たし、隠れとこ」くらいの動き方だった。なので少しずつ少しずつその場に近づいていく。

ヤマドリが隠れたところまで30メートルくらいの距離になったとき、突然草むらからヤマドリが飛び立った。今思えばクレー射撃そのもののような発射の仕方だった。急にヤマドリが飛び立ったことにかなり驚きながら、銃を標的に向ける。そして撃つ。ドンッ。凄まじい音が鳴り響くが、ヤマドリは何もなかったかのようにそのまま飛んでいき、どこかに消えた。そして、さらにもう1匹も同じ草むらから飛び出してきた。僕はまたクレー射撃のように狙いを定めてドンッと撃つ。結果は全く同じだった。銃の凄まじい音で撃った直後は耳が聞こえなくなる。さらに銃の構えが甘かったのか、撃った反動で肩が痛かった。銃を二発撃って、獲物は仕留められない、逆に負傷するというなんとも馬鹿らしい結果になった。でも狩猟者としての経験値を少しだけ積めたような気がした。

師匠の家(松橋旅館)で反省会をしていると、今も現役で宿の料理を作っているおばあちゃんが話をしてくれた。「ヤマドリは撃つの難しいとうちのじいさんも言ってたよ。見つけたら、とっとっとっと、と斜面さのぼるから撃たれねえ」と。今回のヤマドリは飛んで逃げたけれど、確かに他のヤマドリは急斜面をものすごいスピードでかけあがっていっただのだった。その場面を想像して「んですよね〜」とか言いながら、おばあちゃんのはなしを聞いた。師匠からもいろいろとダメ出しをもらって勉強になった。真の山男になるにはまだまだ時間がかかりそうである。

熊を撃てなかった話を以前noteでも書いたのだけど、それ以来銃を毎日持つようにしている。もちろん発砲はできないけれど、とにかく毎日肩につけて狙いをつける。素振りのように毎日繰り返していると、自分でもわかるほど銃の安定感が増してくる。最初は銃を構えて狙いをつけるまでに5秒ほどかかっていた。5秒なんてもうほとんど構えていないのも同じだ。何も狙えないし、何も撃つことすらできないということが熊を撃てなかった経験からわかった。だんだんと狙いをつけるまでの時間が短縮されていく。その時間今では2秒ほどになった。ハンターハンターのネテロ会長のように音を置き去りにして狙いをつけられるようになりたい。2秒でもほんとうにまだまだである。

朝に書くと割とスラスラと書けるなー。夜は疲れ切っているので感情にも淀みがある。ネガティブなことを思ってしまうし、書いてしまう。これはいくらなんでも世に出せないな、と消す。そうやって書いたり消したりすると、「自分はなんてクソつまらない人間なんだ」と落ち込む。あ〜、と人をダメにするクッションに寝転んで本当にダメになる。これではもう書けない、と思って思い切って寝てみたのがよかった。朝に書くのがいいのかもしれない。読んでいただいている奇跡みたいな人たちのためにも、読んでいやーな気持ちになるのではなく、スッキリハッキリな文章をお届けしたいもんね。頑張る。

ということで、そろそろおしまいの時間です。明日はこの連載の折り返し地点15日目になります。日々悩みながらやってるので、読んでいただいている方々にはほんとに感謝してます。ありがとうございます。また明日もやってます。

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秋田県の阿仁という地域の絵を「狩猟採集民の絵」として載せています。 さっと見ていってください。 6月16日〜7月15日まで、毎日朝7時更新…

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