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牢村
2024年7月3日 02:53
どれくらい眠っていただろう。煌々と照りつける太陽を半身に受け、冷やかな夜を潜った肉体に再び血が通い始めた。母の腕は未だ、私を包んでいた。汗の溶けた潮風が砂をべたつかせ、肌に纏わりついている。私は昨夜、罪を犯した。 ほの暗い海辺に微かな月光が垂れていた。皆は寝静まっているようだった。荒屋をひとり抜け出して、漁村の外れにある墓地まで、虫のさざめく泥濘みの雑木林を踏みしめた。 生前の母