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慶應生のレポート公開〜消費の基本〜マスクの転売とSwitchの転売違いって?

こんにちは。hunaです。

ここでは、経済学のなかでも、消費される商品やサービスの持つ性質について、のせています。

タイトルである、マスクの転売は厳しくされていますが、NintendoSwitchに関してはマスクほど騒がれていないように感じます。

もちろん、それは当たり前。

マスクは現在、生命を守る大事なものになっているからです。
貧富の差でマスクが買える買えない、買い占めてそれを商売にするだなんて!

という気持ち。

NintendoSwitchは娯楽です。心の助けにはなりますが、生命に関わるほどではないかと思います。

でも皆さん、まさか人生でマスクがこんなに重要になると思っていましたか?
コロナの件によって、マスクの商品としての価値がまたさらに変化したのではないでしょうか?

そうなんです。

このように、商品ここでは財と呼ばれるものは、時代によって特徴や生活においての重要度といった性質が変わるものです。


時代によって変わるといいましたが

「所得が増えると売れるものって?」

「価格が下がると売れるものって?」

なんとなくイメージできると思いますが、経済学ではきちんと数式で示されています。

ここでは、私のレポートで少しでも興味を持っていただければ幸いです。

大学だと経済原論の前半です。確か今は名前が変わってるはず。。

在学生に伝えておくと、図が細かなところまで見られるのできちんとなっているか、数式をきちんと使って書いてください。

私は再提出ほとんどないんですが、これは1度再提出になり、それで合格しました。4回ぐらいザラなので気合と意地で頑張ってください。

太字がレポートとして提出した文章です。

小さい字が補足です。

あえて、学生の不完全感を残すために、そのままにしている箇所があります。

ご容赦ください。

4000字前後で、課題は「上級財・下級財・ギッフェン財について述べよ」だったと思います。。

          

 消費者の消費行動には、

①形として存在するいわゆる商品、経済学用語で財といったもの

②エンタメや医療・福祉といったサービス

大きく分けてこの2つを消費して、自身の満足度を最大化させる目的を持って行動する。

 満足度を最大化させる方法の方程式

「一つの財・サービスだけではなく様々な種類のものを消費するほうがより効率的に満足度をあげることができる」

したがって、消費者行動の分析においてはそれぞれどのくらい消費するのか、消費量の組み合わせに注目することが重要である。

そして、この組み合わせは、

・各消費者の所得

・財の価格の変化

・各財・サービスの性格

によって違う影響が出る。

 以下では、まず、各消費者がどのようにして消費量を決定しているのかを分析、そして、所得や価格の変化が起きたとき、財の性質によってどのような影響の違いが出るのか分析する。

ここでは、需要量=消費量としています。



 本論Ⅰ︙消費行動の決定メカニズム

I.1効用関数と予算線

 消費者は、財・サービスを消費することで満足度を増加させることができる。

この満足度の単位が効用と呼ばれるもの。

 人によって趣味趣向も異なるため、ある人にとってはりんご一つ消費することで10の効用を得られるが、別の人にとっては5の効用しか得られないこともある。

 キャバクラやオタク活動がその最たるもの!

同じ女性アイドルに対して、ある人はなんでそんなCDに使うのか理解できない。

でも違うコミュニティに行くと、使う用、保存用、保存用が壊れたとき用の3つ買うほど好きな人がいる。

 人によって違うのが、経済の面白いところ…

 個人の効用は、その人の消費するすべてのものに依存、つまり影響をうける。

そのすべての財・サービスをそれぞれどれだけ消費するかという消費の組み合わせと、その消費によって得られる総効用の関係を表したものを効用関数と呼ぶ。

 例えば、どれだけご飯を食べるか、パンを食べるかそれぞれの消費量と

消費によってどれだけの満足できるかの関係を表したものが、効用関数である。

この効用関数は、効用はひとによって違うため、違う関数を持つ。

一般的に、同じ財・サービスを消費する際、追加で消費した一単位によって増加する効用(限界効用)は、それ以前の一単位に比べて小さくなるとされ、これを限界効用低減の法則と呼ばれる。

言い換えれば、りんごの最初の1個目を食べるときが一番美味しく、量が増えるにつれ美味しくないように感じるということである。

 また、通常、消費者は財・サービスを消費する際、その分の代金を支払う。

 自分の所得に応じて消費量の限界を決定し、あるものの消費量を増やすことで、その他のものの消費量を減らさなければいけない(機会費用)ことを考慮しつつ、効用の最大化を図る。

お金が無限にある人はこの世にはいないので、どんなお金持ちでもこの制限から逃れて消費活動を行うのは無理なんです。

 ここで、ある財xとある財yのみを消費している人物がいたと仮定する。

この人物は、月収300000円とし、この所得内で効用が最大化するxとyの消費量の組み合わせを決定する。

 つまり、xへの支出+yへの支出≦総所得(300000円)となる。

この決まりは予算制約と呼ばれる。

 また、消費する財・サービスは多いほうが効用も高まるので、消費者は、所得の全てを使って消費をすると考える。

 貯金すること自体に幸福を感じる人間はいないと仮定しています。

確かにいまのような不況の時代においては、いつ収入が減ったりするかわからないので貯蓄思考は高まりますが、ここでは全て消費に使うとします。


 そして、xの価格を一単位50000円、yの価格を一単位10000円とし、横軸にxの消費量、縦軸にyの消費量をおくと下図のようになる。下図の直線は予算制約を表したもので、予算線と呼ばれる。この予算線と縦軸・横軸に囲まれた範囲内が購入可能な消費の組み合わせである。

     

図1

 50000円のxを一単位追加するためには、10000円のyを5単位減らす必要(yで評価した場合のxの機会費用)があることがわかる。

図の中にXとYを書くのを忘れていました。
横軸x、縦軸yです。

そして、ここから、みんな苦手な数式です。

この予算線は傾きが-5であり、先程の機会費用を表している。

 この予算線を数式で表すと、

 まず、ある財xの消費量をX、xの価格をPx、ある財yの消費量をY、Yの価格をPy、所得をMとするとM=Px・X+Py・Yと表すことができる。

 これをYについて整理し傾きは負であることを考慮すると

Y=-(Px/Py)X+M/Pyとなる。

傾きが、機会費用でもあり、二財の価格比であることもわかる。

また、切片M/Py はXが0であるとき、全所得をyへ支出することを示していることもわかる。

ここらへん、なんとなーくで大丈夫です。生活の中での経済を考えるときは、先程の具体的な数字を当てはめたときにぼんやりイメージできれば問題ないです。

理解された方は、わかるでしょう。

とても当たり前のことをただアルファベットに置き換えているだけです。

経済学は、実は「当たり前じゃん!」ってことを研究し、本当にそうなのか研究する学問です。未知の世界から、未知のものを生み出す学問ではありません。


 消費者は、この予算制約の下、自身の総効用を最大化させる消費量を決定する。

消費量は多いほうが総効用も増え、予算制約を考慮すると、人々は予算線上の消費量の組み合わせから選択するとわかる。

そりゃ、1万円あるのにお腹すいたーって、うまい棒1個しか買わないなんて基本的にありえません。もし、あるとすれば、消費者がよっぽど不況なときなのでしょうが、ここでは、ある程度安定して生活が営めている世界を想定しています。

そして、どれを選択するかは

各組み合わせの総効用を比較し総効用が最大となる組み合わせを導出する方法や

2つの財の1円当たりの限界効用(1円追加することで生まれる効用)が等しくなるまで支出を再配分し総効用を最大化させる原理(限界分析の効用最大化原理)を用いて導出することもできる

が、同じ総効用となる消費量の組み合わせを繋げた無差別曲線との接点からも導出することができる。

つまり、どんなお金の使い方すればいいかなーと決めるためには

米を10キロ買うか、食パン6枚切1袋か。

米を減らして、食パンを増やすか。でも食パンそんな好きじゃないしなー、と逆にするか。

もしくは、

米を1円分増やすと得られる満足と食パンを1円分増やすと増やすと得られる満足が等しくなる支出配分を考えるか。(1円分ってどういうこと!?ってなりそうですが、計算する際に1円分って考えると便利なのでそうなっています。実際1円分の米とか食パンってどんな量やろ‥)

 ここからは、新しい曲線、無差別曲線が登場します。

大事なのは、数式はあくまで正確に理論をお伝えするためにあえて残しています。

巷には、数式を使わずに説明しているビジネス本もありますが、どうしても、しょうがないけど、説明が抜けてしまったりしています。

 ですが、実際の仕事でどうしても必要な知識ではないと思うので、誰かにマウントしたいときに、どや顔で言うレベルにしておいてください。

高確率で冷めた「へぇー」がかえってくるでしょう。

 Ⅰ,2無差別曲線と最適消費点

 無差別曲線とは、同一線上どの点においても消費者は無差別であることを示し、総効用をUとすると、U=X・Yとなる。これをYについて整理するとY=U/Xとなる。

米と食パンの消費量の組み合わせを何個か決めたとします。

米1キロと食パン1枚、もしくは、米0.5キロと食パン2枚は同じ満足度‥

と同じ満足度となる消費の組み合わせの点をつなげた曲線が無差別曲線。

無差別というのは、無差別曲線上の、どの点でも満足度は同じ(差別がない。)という意味です。

そして、無差別曲線の性質として

・2つ以上の無差別曲線同士が交わることはない

 ➡一つの総効用につき一つの無差別曲線であるため

満足度が同じ曲線はこの世に2つあることはないから。

・無差別曲線は原点から離れるほど、高い総効用水準を示す

 ➡消費される全ての財・サービスは消費量が多いほど総効用は増加するため

先程のグラフを思い出していただきたい。全体の消費量が増えるとき、消費量の組み合わせは、どんどん原点から離れていく。したがって、無差別曲線がグラフに2つ書かれているときは、原点から離れているほうが、効用、満足度が高いとなる。

・無差別曲線は右下がり

 ➡例えば、総効用を増やさずに片方の財の消費量を増やすには、もう片方の財の消費量を減らすしかない。そのためには、右下がりである必要がある。

・無差別曲線は原点に対して凸

 ➡限界効用低減の法則のため、無差別曲線の傾きは、右下にいくほど緩やかとなる。

限界効用低減の法則とは、先述した、例えば食べれば食べるほど満足度は下がる。同じものばかりは飽きる感覚のことです。

以上が挙げられる。

 この無差別曲線と予算線を用いて、総効用が最大となる消費量の組み合わせ(最適消費点)を求めるには、予算線の傾き=無差別曲線の傾きが同じとなる点を導出する。

図2

この点が、予算のなかで最も満足できる消費量の組み合わせです!

ここだけ、想像できれば、これからの数式はなんとなーくで大丈夫です。

予算線の傾き-(Px/Py)は、であることがわかっている。

これは、冒頭で説明しました。

 また、Yの限界効用=MUy、Xの限界効用=MUx、Yの変化量=ΔQy、Xの変化量=ΔQxとし

無差別曲線の傾きは、Yの減少による総効用の変化+Xの減少による総効用の変化=0となる必要があることを記号で表すと

-MUy×ΔQy= MUx×ΔQxとなり

整理すると、ΔQy/ΔQx=−(MUx/ MUy)となる。

 左辺は無差別曲線の傾きであり、右辺は限界代替率(総効用を変えずにxを一単位増やすために、yを減らしても良いと考えるもう片方の財の単位)である。

 したがって、最適消費点において予算線の傾きは、限界代替率と等しく、また価格比とも等しい。これを、相対価格ルールと呼ぶ。

‥です!

これをわかりやすく書くのがとてもむずかしい。

読者の方は、これをわかりやすく書けたら売れますよ。

本論Ⅱ︙財・サービスによって異なる性質

Ⅱ,1代替効果と所得効果

 財・サービスは、価格が変化したとき(価格比の変化)や所得が変化したとき(予算線の変化)の消費量の変化の仕方によって大きく3種類に分けられる。

ある商品やサービスは、最初からこうゆう性格を持っているんです!なんて、わかることはありません。市場、社会に登場して、歴史とともにその性格がわかってきます。

また、後ほど紹介しますが、不景気のときに売れると予想されていたものが、一定の環境下においては売れないということも起きるのです。

 価格比の変化は代替効果と呼ばれ、例えば、Pyは不変のままとし、Pxが下がりPx-となると、予算線の傾き-(Px/Py)も-(Px-/Py)へと変化し傾きが緩やかになる。これは、Yを減らしてその分Xを増やすことを示している。

Yがマーガリン、Xがバターとします。

もし、バターが安くなったとき、つまりPx-となったとき、バターの消費量が増え、マーガリンの消費量が減ったとき、代替効果があるといえる、ということです。

代替という字示す通り、YとXがほぼ同じ役割を持っている、代わりとなることを示しています。

 価格が下がった財の消費量が増えたとき、代替効果はプラスであると言う。

同一の無差別曲線上においての変化であるため、効用水準は不変のまま、限界代替率のみ変化する。

1つの無差別曲線は、どの点においても同じ効用・満足度なので、YとXのそれぞれの消費量が変化しただけと考えられます。

図3

 そして、所得効果とは、所得Mが増加(M+)なることで、予算線と縦軸yの切片M/PyがM+/Pyに、同様に横軸xの切片M/PxはM+/Pxとそれぞれの値が増加し、予算線は右上へとシフトする効果である。

図4

昇給したり転職すると収入が増えますよね?

そうすると、もちろん、お財布に余裕ができるのでYもXも消費できる量が増えます。

なので、予算線は右上にシフトします。

 また、例えばPxは不変、Pyが下がったとき、その分今までの消費量以上に消費できるようになるとき、つまり実質所得が増加するとき、Yも増加した場合プラスの効果、減少すればマイナスの効果とされる。所得効果は、予算線の平行移動という変化であるため、効用水準は変化し、限界代替率は不変である。

モノの価格が下がると、例えば半額ぐらい下がると、いつもの金額で2個買えるようになります。所得は変わっていないが、所得が増えたときと同じ効果が出たと言えます。

そして、所得が増えるということは、消費量が増えること。つまり、効用水準・消費することで得られる満足度自体が増えるということです。

しかし、例えば生ビールの価格が下がったときに、生ビールの消費量は売上が上がるのは、ライバルである発泡酒と味に差があるのでなんとなく予想できるかと思います。その場合は所得効果はプラスと言います。

 そして、この2つの効果を足し合わせた効果を全体効果と呼び、財・サービスによってプラスもしくは±0、マイナス効果と3つに分かれる。

経済は複合的なもので、ある面だけ見ても全容はわかりません。

全体の効果をみて、どのような動きかを理解します。

焦らず、冷静に分析することが必要であるとも言えます。

Ⅱ,2上級財

 上級財とは、代替効果・所得効果がどちらもプラスである財である。

 上級財の例として生ビールとし、消費量を横軸に、縦軸には生ビールの代替財、発泡酒の消費量をおく。

図5

 価格が下がる前の最適消費量は、点Aである。

発泡酒の価格はそのまま、生ビールの価格のみ下がると、代替効果から予算線の傾きは緩やかになり限界代替率は変化、発泡酒の消費量を減らしてその分生ビールの消費量が増えたことが示される。そして、最適消費量は点Bとなる。

消費の割合が変化したことを示しています。生ビールの代替効果はプラスであるといえる状況です。

 また、所得効果により、点Bを通る予算線は、傾きは不変で右上へシフトし、効用水準も増加する。このとき、上級財は所得効果がプラスとなる性質を持つため、消費量が増える。最適消費量も点Cとなる。

所得効果は、消費量全体の増加かつ、上級財ここでいう生ビールの消費量も以前より増えるとき、所得効果はプラスと言えます。

まとめると全体効果はプラスとなり、上級財の価格効果はこのような過程を経て、消費量が増える。ほとんどの財がこのような性質を持つため正常財とも呼ばれる。

逆に考えると、所得が減ったとき消費量は減ります。

世の中に存在するモノであったり、サービスはこのような動きをすると考えられています。多数派が正常と名付けられている辺りちょっと私としては違和感。。

 また、上級財でも所得効果、代替効果の大きさによって必需品、奢侈品と2つに分かれる。

 必需品は、所得や価格変化に非弾力的でどちらの効果に対しても反応が小さいもので、買い置きすることができない、生鮮食品やガソリンなどが当てはまる。

増税直前の駆け込み需要があまりないとされる財が多いですね。所得が減ってもお腹は空くから最低限の購入はあるし、増えてもそんな劇的に胃袋が大きくなるわけではないし、買い置きもできないと考えるとイメージしやすいでしょうか?

 奢侈品は、所得や価格の変化に弾力的なモノでどちらの効果にも大きく反応するもので、主に車や宝石類など贅沢品とされるモノである。

一方こちらは、駆け込み需要がある財が多いです。ただ、お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、車は地方では必需品に近い財であるとも言えます。

これが経済学の面白いところで、住んでる地域や環境によって、同じ財でも違った性質を持つと言えます。

Ⅱ,3下級財

 下級財とは、代替効果はプラス、所得効果はマイナス、全体効果を見るとプラスもしくは変化しない財である。下級財の例として、マーガリンが挙げる。マーガリンの比較対象には代替財であるバターを挙げる。一般的に、マーガリンはバターよりも質・価格ともに下とされている。そのことから、劣等財とも呼ばれる。

マーガリンがバターに対して劣等感を抱いているかもしれないと考えるとエモいですね。

初めてエモいを使ってみました。初体験。

 縦軸にバター、横軸にマーガリンをおく。最初の最適消費点は点Dとする。

図6

 バターの価格は不変、マーガリンの価格のみ下がったとき、価格比は変化し、代替効果から予算線の傾きは緩やかになり、バターの消費量を減らしてその分マーガリンの消費量が増えたことが示される。

安いモノがさらに安くなった状況ですね。大特価セール。

その場合、マーガリンの消費量は増えると考えられます。

そして、最適消費量は点Eとなる。

しかし、下級財の所得効果はマイナスで、点Eを通る予算線の傾きはそのまま、右上へシフトするが、以前より安くでマーガリンが買えるようになったので、浮いた分バターを買おうとバターの消費量のほうが増える。

つまり、所得効果のみを分析すると、マーガリンの需要は減少するもしくは変化しない。したがって、全体効果はプラスもしくは変化なしとなり、最適消費点は点Fもしくは点F’へとなる。

所得が増えたとき、バターを買えるようになったのにマーガリンを買うとは、この場合考えていません。

バターを買えるようになったので、バターを買う。と考えます。

なので、マーガリンの消費量は変わらない、もしくは減るとされます。

全体を見ると、下級財はこのような過程を経て、消費量が増えるかもしくは変わりません。

逆に考えると、所得が減ると消費量は増えると言えます。

ここで注目しておいていただきたいのが

「所得が増えたとき、消費量が以前より減ってはいない」

ということです。

これが、次に説明する財との違いになります。

Ⅱ,3ギッフェン財

 ギッフェン財とは、代替効果がプラス、所得効果は代替効果のプラス効果を打ち消すほどのマイナス効果をもつ財、つまり全体効果がマイナスであるものがギッフェン財である。

急にカタカナになりました。ギッフェンという方が見つけた財なのでギッフェン財と呼ばれています。そのままです。

人の名前がつくぐらい珍しく今でも存在するのか議論されているほどの珍しさです。

先に財の性質について説明します。

 縦軸にギッフェン財としてジャガイモ、横軸に牛肉をおく。

 まず、最初の最適消費点は点Gとし、ジャガイモの価格が下がったとする。すると、代替効果から予算線の傾きは緩やかになり、牛肉の消費量を減らしてその分ジャガイモの消費量を増やしたことが示される。ギッフェン財も上級財・下級財と同じく代替効果はプラスで点Hとなる。

図7

ここまでは、いままでの財と同じ性質をもちます。

ここからが異なる点で、

所得効果は代替効果を打ち消すほどのマイナス効果で、予算線は傾きそのままで、右上にシフトするが、消費量は減少し、最適消費点はIとなる。全体効果は、マイナスとなり、このような過程を経て消費量は減少する。

これは逆に言うと所得が減ると、実質的価格が上昇すると、消費量が増えることを指します。

そんなことがあるのか?

と理解しがたいと思います。

この現象は19世紀のアイルランドで起こったとされており、このとき、じゃがいも飢饉が貧しい人々を襲っていました。

じゃがいもが高くなっていたにもかかわらず、贅沢品であるここで例として挙げた牛肉などの購入量を減らしていたと言われています。

じゃがいもが主食であったことが一因と思われます。

ブランド品も確かに価格が上がるとブランドとしての価値も上がり、買いたい人が増えると思われます。

しかし、ブランド品は、所得が増えたときも消費量が増える上級財の一部とされています(ヴェブレン財)。

他方、ギッフェン財は所得が減るときに消費量が増える下級財の一部と考えられています。

この2つの財に関しては、まだまだ議論されている部分があり、今後見方が変わってくる可能性があります。

              

          

 このように消費者の消費行動は、所得の増加やその財の価格の下落が起こった際、上級財であればどちらの変化もプラスの効果を生み消費量を増加させる。下級財は、所得の増加には消費量を減少させるが価格下落は消費量を増加させる。全体で見ると、消費量は増加もしくは変わらない。そして、ギッフェン財は価格下落は消費量を増やすが、所得が増加するとそのプラス効果以上のマイナス効果を生み、結果、消費量は減少するということがわかる。

  

            参考文献

1. 伊藤元重 『ミクロ経済学』 日本評論社、2003年。

2. 入谷純、篠塚友一 『ミクロ経済学講座』 日本経済新聞出版社、2012年

3 加藤通宏 『ミクロ経済学の力』 日本評論社、2014年。

4 ポール・クルーグマン、ロビン・ウェルス 『ミクロ経済学』 石橋孝次、大山道広、塩澤修平、白井義昌、大東一郎、玉田康成、蓬田守弘訳 東洋経済新報社、2017年。

どうでしょうか?

レポートの書き方としては、序・本論・結の構成です。


参考文献は、まるまる引用した場合はきちんと表記しましょう。
私の場合は引用があまり好きではないので、そんなに引用文献はないです。もちろん、きちんと引用してそれが正しいか考察することが課題のものもあるので気をつけてください。


ここでは、皆さんの身近にある経済の中で最も身近であると私が考えた、消費行動のメカニズムの一部を取り上げたレポートを再度少し書き直しています。

完全に直さなかったのは、学生のリアルなレポートの感覚を残したかったからです。なので、先生からすれば手直ししたくてウズウズしてしまうかと思います。

でも逆に言えば、これぐらい書ければ大丈夫です。

私は大学でも変わり者で、大学の友人が少ないです。もちろん全くいないわけではないですが、それ以外の環境でも素敵な人はたくさんいるので。

そんな大学と関係ない方によく言われるのが

「難しいこと考えて書いているんだよね?」

という質問であったり、経済への苦手意識です。

もちろん難しく書くことが仕事でなんて言う先生もいるぐらい、レポートや論文であったりはいろいろなルールがあります。

このレポートでもルールを破っているところがあります。

でも、ここでは、わかりやすさを重視しています。先生方には失礼かもしれませんが、勉学は高尚なものではなく、そこらへんに転がっているレベルであるべきだと私は考えているからです。

世の中のビジネス本は本当に簡易的でごく一部しか取り上げられていません。私のレポートでもそうです。たくさん本を読んでください。

どうかこれをきっかけに経済について少し柔らかい気持ちと冷静な目線で考えていただければ幸いです。



最後までお読みいただきありがとうございました。
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