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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その37 夢十夜その7 妖怪アザラシとぎ
※この話はフィクションです。実在する人物・団体名とは何ら関係ございません。100%作者の脳内妄想のみで構成されています。
朝起きたらアザラシになっていた俺は甥っ子たちを起こして朝食を作っていた。
甥っ子たちがもりもり食べる様子は作り甲斐を感じる。
ばあちゃんが「たんとお食べ」いっては俺の茶碗に米を盛り付けてた気持ちが、この歳になってよくわかる。
甥っ子が脇の台所を見つめ「あそこにお化けいるんだよ」そう言って語りだす。
甥っ子が夜明け前に起きてトイレに向かうと台所で物音がする。
おそろおそる格子戸の隙間から覗き込むと毛むくじゃらの何かが台所でシャコシャコ物音を立てながら。
「お米研ぎましょうかシャコシャコシャコ」
「米炊いて食べましょうかシャコシャコシャコ」
言いながらアザラシがひたすら米を研いでいるので。
妖怪「アザラシとぎ」と命名した。
俺じゃねーか!
「魚とって食いましょうか」言うと思ったらアザラシ要素が皆無だし!
まだ義務教育中の子供にキレるのも大人げないから外の潮風にあたって牛乳を飲む。
カルシウムを補充した俺は朝3時に起きて、夜明け前に朝食の支度をするため眠りにつく。
つづく。
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