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落語のはなし

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落語にまつわるお話です。はな平の考える落語の話から、落語の周辺の話、落語家独特のしきたりなどを取り上げています。初めての方が疑問に思うことを取り上げることを念頭に書くマガジンです。
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#寄席

令和6年七月上席 夜の部 林家たけ平主任興行御礼

令和6年七月上席 夜の部 林家たけ平主任興行御礼

今日は兄弟子林家たけ平主任興行の千穐楽でした。

クイツキ(仲入り後)の出番を頂いて、三朝師匠と交互で五日間出演させていただきました⭐️

夜の番組の深いところに上がると、割となんでも出来る状況になるので、好きなネタをやりました。

とは言っても、昼の部から今まで出たネタ全てを踏まえた上で被らないようにしないといけないので、ネタ選びは少し大変です。

それと私が勝手に思っている「落語あるある」です

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【あなたの知らない落語の世界】第4回「落語ってどうやって見に行くの?」

【あなたの知らない落語の世界】第4回「落語ってどうやって見に行くの?」

落語入門なnoteです。

今日は「落語ってどうやって見に行くの?」というテーマを取り上げてみます。

お客様によく訊かれるのが「はな平さん、どこでやってますか?」とか「落語ってどこにまず行けば良いんですか?」なんてことです。

私を含めて落語家はとにかく色々なところでやっています。テレビに出るような著名な噺家になるとほとんどがプレイガイド(チケットぴあやローチケなど)を通して販売していますが、そ

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【あなたの知らない落語の世界】第3回 「寄席って何?」

【あなたの知らない落語の世界】第3回 「寄席って何?」

今日は「寄席」について考えてみます。まずWikipediaによるとこのように書いてあります。

講談が先に書いてあるのは歴史が古いからだと思います。演芸を観客に見せる興行小屋というように、落語以外の芸も観られる場所ということがわかります。

その寄席について考えてみますが、主に東京をベースとしての考え方を記します。

①連続性がある寄席と普通の落語会の違いは、連続してやっているかが鍵だと思います。

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寄席鑑賞マナー動画について

寄席鑑賞マナー動画について

コロナ禍も収まってきた今、寄席のお客様も増えてきたことで、寄席鑑賞マナーの向上を呼び掛ける動画を作ろうということになり、落語協会ゆーちゅー部で製作いたしました。

公開したところ、たくさんの反響をいただき、「協会に公式YouTubeを作った方が良い」と呼びかけた私としましても、嬉しいことでございます。

さっそく、他の会館などから「動画を使わせて欲しい」との声も寄せて頂いた様で、ゆーちゅー部冥利に

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国立演芸場の四月上席の出番が終わりました。

国立演芸場の四月上席の出番が終わりました。

今日は国立演芸場四月上席最後の出番でした。

四月上席は毎年ウチの師匠がトリで、前座の頃からそして二ツ目になってもずーっと入れて頂いてます。真打になった今年は初めて食いつき(中入りのすぐあと)に入れて頂き、楽しい三日間を過ごせました。

やっぱり出番が深い(あとの方)ほど上がりやすいです。今回のネタは以下の通りです。

一、権兵衛狸 4/1
一、洒落番頭 4/3
一、鮑のし 4/6

自分なりにテ

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寄席で喋るということ

この八月は寄席に結構出させて頂いてます。こないだまで披露目で上がらせてもらって、いよいよ今はヒラ真打として新たな気持ちで上がっています。

なにしろ寄席という場所は、お客様が独演会と違い、ただ楽しみに来ているんです。特に休日はそれが顕著で、はじめてのお客様とかお目当ては特になくふらっと寄りましたというお客様が多い場合は、俄然やる気も出るし、こちらも気合が入ります。

普段、自分の会ばかりやっている

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【はじめての真打】真打昇進に向けて

【はじめての真打】真打昇進に向けて

いよいよ、来年の真打昇進に向けての準備が少しずつ始まりました。この【はじめての真打】でその過程が垣間見えればと思えます。

入門したのが2007年3月、二つ目昇進が2011年11月、そして真打昇進予定が2022年3月。丸15年で真打という事になりました。僕は常々、落語入門で「15年前後で真打になります」と言っていたので、自分がまさにそうなりつつあるわけですね。

真打って、自分一人がなるわけではな

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寄席と持ち時間

寄席と持ち時間

寄席には持ち時間があります。大体15分前後。寄席に入る芸人は大体この15分の腹時計を持っています。腹というか口時計ですね。

仲入り(休憩)前に上がる人で20分くらい。で、トリが30分。皆これに合わせて喋っています。

僕としてはこの時間通りに出来るかどうかが本職のと素人の違いの一つだと思います。素人でも落語をやる方はいますけど、多分時間調整はあまり出来ないと思います。というか普段そんなこと意識し

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最期の勉強会御礼

最期の勉強会御礼

今日は「最期の勉強会」でした。鍵カッコをつけないと本当に最期と思われそうですが、あくまでタイトルです。二つ目時代だけ、「勉強会」という名前を使っても良いんだという自分への戒めで、勉強会と名乗るのは二つ目時代だけですよという意味がこもっています。

さて、今日のネタですが。

一、鮑のし はな平

最後まで久し振りにやってしまいました。この噺は最後までやることが少なくて、たまにしかやらないせいで完成

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前座の中のヒエラルキー

前座の中のヒエラルキー

前座の階級お客様から見えない部分に前座のヒエラルキーがあります。

前座時代というのは大体4年くらい。長くて5年くらい。この間、ずっと寄席に通います。朝は師匠の家に始まり、昼間は寄席に行き、たまにホールの落語会なんかで働くとこもあります。

ただ、この前座の中にも言葉にはしませんが見えない(階級)があることをご存知でしょうか?

前座と一口に言っても、寄席においてはそれぞれ役割が違うのです。この前

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初落語は末廣亭

初落語は末廣亭

落研と小さん師匠落研に入って一ヶ月くらいしてですかね。初めて寄席に連れてってもらいました。末廣亭の五代目柳家小さん師匠に一周忌興行で「ごくつぶしの会」という会でした。

ウチの大学は目白にあります。目白と言えばご存知小さん師匠のお宅があるところで、創部当時の先輩が、誰かに指導してもらおうということで、じゃあ目白には小さん師匠が居るぞというので、顧問をお願いしに行ったところからお付き合いが始まってい

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