頭に居座る

なにか一つ嫌なことがあるとその出来事ばかりリフレインされる。
今回はこうだ。わたしはバイト先に馴染めていない。それは、わたしが教わる立場であり、しかも社員はみな歳下だからだ。と言っても一回り離れているわけではない。少し離れた歳下たち。だからこそ馴染めないのだ。
事件は起きた。職場の飲み会があり、若手社員がバイトを集めてなにやら二次会をしようと言い出していた。
そのことは問題ではない。わたしの目だけを一切見ないのである。これは気のせいではない。正直次の日も用事があったので、誘われたとしても断っただろう。
しかし大人のセオリー的に、一旦誘うのが普通ではないだろうか。わたしのプライドが傷付いたではないか。

しかしながら、わたしは今のわたしにできることをしている。馴染もうと頑張っているのだ。
具体的ながんばりは、とにかく敬語。馴染もうとするのに真逆の取り組みだとは思うが、さすがに教わる身として敬意は一応表しておかないとならないと思っているからだ。相手からしたらここから間違っているのかもしれない。

次に、昼休憩はわからない話題は乗れないが、少しは発言するようにしている。
とまあ一般的なことをしているのである。

わたしも全く素が出せていないし、おそらく絶望的に交わることのない人種である気がするのだ。

そう思ったいくつかの要因は、まず飲みニケーション。そこまで飲み会があるわけではなさそうだが、みんなやたら飲みたがる。バイトはわたし以外大学生なのでそれは仕方がないが、ある社員が「こいつ酒ヤクザ」という言葉を使っていた。もうこの時点で違う世界の人間であることを確信した。

そして、一人称が自分の名前である。さすがに業務中は弁えているようだが、休み時間になると急に下の名前で自分を呼称しだす。しかも一人だけじゃない。無理なのである。なんなんだこの世界は。どうなってやがる。若手社員が基本的に関わるのは大学生だからか、少々狂った世界観である。大学生でもきついが。

あとは、会話の内容が彼氏の話など、とにかく若い。わたしはそういったパートナーは今いないし、ほしくはない時期であるが、世間体的になんとなく気まずいという心情を基本的に持ち合わせて生きている。なので、そういった話をしているのを耳にする度、「職場でもこういう話をするのはアリなのだろう。わたし自身にいないからまた彼氏の話してる…。と思ってしまうのだ。」と心を落ち着かせている。

酒ヤクザ、一人称が下の名前、惚気話。わたしにとって役満である。
とんでもない世界線に紛れ込んでしまった。そしてわたしだけ二次会に堂々と誘われないということが、違う世界線の人間であることを確たるものとされたのだ。
正直すごく凹んでいる。なぜなら、外の世界の同年代の若者と接点を持ちたくてこのバイト先を選んだからだ。それがこの仕打ち。なんたる屈辱。
考えるに、わたしは常識はそこそこあるが、テンションは低い。向こうサイドは自分たちが常識人と思っているのだろうが、ずれており、テンションは高い。
テンションさえ合っていればなんとかなったのかもしれないが、無理なものは無理である。というか今上げ切ってバイトをしていると思っている。高が知れているが。
あと、わたし的に合わないと思うところは、この職場、やたらカタカナのビジネス用語を使いたがる。

結論として、これはいじめである!そういった気分になりました!!
表面上はうまくやってくれよ。傷付くから。悲しいから。わたし、たったこれだけの出来事で傷ついちゃうんだからさ。歳上だって、そんなん関係なく傷付くんだよ。わたしもおまえらのこと得意じゃないけどわかりたいとは思ってる。でもおまえらは、わたしの目すら見なかったな。誘わないことが気を遣ったってことかもしれない。今日はそう思って眠りにつくしかない。

わたしは特にやりたいことがないから、環境さえハマれば仕事なんてなんでもいいのだ。
そして今回も、仕事内容は自分に必要な知識であるからもう少し続けようとは思うが、知識を習得したら速攻でやめてやるんだからね!ばーかばーか!うんこ!

わたしの方が人間性は上!ビジネス用語は知らねえが、優しさはあるぞ!!お前らより金持ちになってやるから覚悟しとけ。寒いこと言っちゃったな。でもこの寒さ、あいつらにも通ずるところがあるかも。もしかしたら仲良くできるのかも。こうやってすーぐ期待しちゃうんだから。
あの人たちは、えらく短期間で人が素を出すことを良しとしているようだ。入ったばかりの大学生の男の子が2回目の出勤を終えた後、いないところで「元気がない。あたし怖いのかな。」と言っていた。別に終始無言だったとかではない。その子は受け答えはしていた。居酒屋バイトじゃないんだから、そんな元気いらないだろ。人には個性っていうものがある。一律同じ人材を求めるのは無理があるけど、それはその会社の考え方なのでまあしょうがないか。

傷付いたが、反面教師になるので自分にとってプラスになる経験かもしれない。まあ前の職場でも同じようなことされてるが。
自分に原因があるのではないかと思って落ち込んでしまうが、コミュニケーションは双方で成り立つものだ。それを遮断されてしまったら、どうしようもない。

気持ちを整理するために書き綴った。人には合う合わないはあるが、わたしは表面上はきちんと繕う大人でいようと思う。それがわたしのプライドであり正義だ。

わたしは悪くない!!


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