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よりよい生活とAI・データ解析をつなぐために

はじめまして。「株式会社ヒューマノーム研究所」代表取締役社長の瀬々です。

この度、「株式会社ヒューマノーム研究所」のアカウントを開設させていただくこととなりました。当社は、人間と、人間を取り巻く環境を理解するデータサイエンス技術について広く研究しています。

noteをはじめた理由

私は機械学習・AIという言葉が広く知られる前から、20年以上技術開発に携わり、2018年に、この技術がより役立つ社会づくりを進めようと一念発起して起業。その後2年強で、100件を超えるAIやデータの利活用案件に広く関わってきました。

常に根底にあるのは、AIやデータ解析が世界に広がることで、より多くの人々が健康に暮らすヒントを与えてくれるはず、という信念です。

このnoteでは、AIが中心技術となる新しい事業の構築をテーマに、AIを使った新しい視点や話題とともに、当社のAIに対する思想や想いとともにご紹介していきます。AIやデータ解析を使った挑戦を、皆様と共に歩むことが我々の願いです。

AIの「現在」

AI、あるいはデータ解析と呼ばれる分野は、とりたてて新しいものではありません。現在は、何度目かの山と谷を越え、2010年代にスタートしたブームの最中です。

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ブームというと一過性のものを想像されるかもしれませんが、現在のブームの背景には、2000年前後に起こったインターネットの普及に起因する「データ中心社会」への変革があります。AIという言葉のブームが過ぎ去ったとしても、データを活用する社会構造は後戻りすることなく継続します。「AIは終わった」といった見出しをよく見かけますが、AIは社会に溶け込み、特別な技術ではなくなるだけの話です。

しばしば、事業の効率化やデジタル化に向けた、AIの導入方法についてのご相談を受けます。デジタル化は、経費削減や人的ミスを減らすためには、とても意味ある取り組みです。しかしながら、事業の枠を変えることのないデジタル化は勇み足となりかねません。導入側にその意図が無かったとしても、雇用の削減策ととらえられ、組織からの反発を受けた例を多く見てきました。

では、AIやDXの導入に一番効果があるタイミングはいつなのでしょうか?

私は、既存事業の軸を守りながら、AI・データ解析の技術を利用した新規事業の立ち上げを考えたときがもっとも効果的だと考えます。

AI・DXの正しいあり方

ITとAIには大きな違いがあります。ITは「計算機の活用」「データのデジタル化」であり、AI・データ科学にはこの2つに「データの活用」が加わります。

手計算を電卓・表計算ソフトを利用した計算に変更することをIT化のスタート地点とするならば、今年の売上を蓄積して、来月の需要予測を可能とする仕組みづくりが「データの活用」です。IT化はアナログ→デジタルの一過性のもの、AI・データ活用はITを活用した「仕組みづくり」を意味します。

データ活用の仕組みづくりができて、ようやくデータが独立して歩きはじめます。そして、データによる業務効率化や新規事業づくりが進み、データがお金を稼ぐ状態へと向かう。これがAI・DXの本筋です。

AIにプログラミングは必須なのか?

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私は当社を立ち上げる前、東大・東工大・お茶の水女子大で教員を、国立研究開発法人産業技術総合研究所の人工知能研究センターでチーム長をしていました。非常に聡明な学生に恵まれ楽しい日々を過ごしましたが、プログラミングは人により得手不得手がはっきりするものであることも目の当たりにしました。

プログラミングの持つ、非常に四角四面の論理構造が肌に合わない人は、東大生であっても一定数います。一方で、プログラミング言語が苦手でも、データを活用したプランが立案できる人、データの機微をとらえたプロジェクトの先導ができる人がいることも、今までの経験の中で知りました。

すべての人が理論・実装・ビジネス化までできるオールマイティプレーヤーになる必要はありません。個性をいかした役割分担で、AI・DXはどんどん進むと考えています。今後、AIを社会実装する際の役割分担についても触れていこうと思います。

データ解析者は結果に対して真摯であれ

データ解析でとても大切なことは、データ解析の結果に対して嘘をついてはいけないということです。

データ解析は、数字の羅列からストーリーを見出し、新しい発見へつなげる仕事です。それらの数字が活用されるシチュエーションを想像し、事実をあぶり出す役割を担っています。数字の羅列だけを見ただけで、そこに何が起きているのかが分かる人はほぼいません。つまり、悪意を持って解釈すれば、都合の良い結論を生み出してしまう可能性がある、ということです。

フィクション作家の小説なら、それでも良いでしょう。しかしながら、データという基盤になりたつデータサイエンスに携わる人は、データの指し示すものに嘘をつかないルポライターである必要があります。誰か一人でもデータを使った嘘を言えば、データサイエンス業界全体の信用失墜につながります。

もちろん、良い結果が出ない場合もよくあります。望まぬ結果を示すよう、外部からの圧力がかかることも残念ながらあるでしょう。データサイエンスを活かす会社と、データサイエンスに携わるメンバーの守るべき思想も、今後お伝えしていきたい、と考えています。

AIを活かした、いきいき暮らせる社会づくりへ向けて

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AIは目標でなくて手段です。20年来、AI技術の成長に触れてきましたが、この5年で、AIは研究者の遊び道具から社会に役立つ技術へ、もっというと、データを中心に考えるという新しい考え方と、それを支える技術に成長したと感じています。

AIは社会変革できる技術です。だからこそ、人を不幸にする技術になって欲しくはありません。このnoteを通じて、我々の考えるAIに対する考え方を示すことで、一人でも多くの人が、日々を楽しく暮らせる社会に貢献できればうれしいです。

これからどうぞよろしくお願いします!

最後に

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