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おまけ話2 あなたの座右の銘は何ですか?

今回はおまけ2ということで、座右の銘についてお話をしていきます。

実はおまけ話とはいえ、このお話。
書こうかどうしようか迷ったんです。
なんでって、僕は昔
「自分の座右の銘とか語りだす説教臭いおっちゃんにだけはなりたくねーな」って思ってたからです(ブーメラン)。

みなさんも嫌な思い出ないですか?
「座右の銘とか知らんがな」と思いつつも、面接対策のためにいろいろ言葉を調べて、「これにしとくかー」と思いながら決めた思い出が。
まあ今の時代、ネットで調べればいくらでもいろんな言葉が出てきますけどね。

僕は昔は、座右の銘というほどではないですが「好奇心」を大事にして生きていこうと思っていました。
なんでも興味を持ってやっていけば、「何をしていいか分からない」とか、「何もしたくない」とか無気力、無為に過ごすこともないかと思い、大学生くらいからそんな気持ちでずーっとやってきました。
結果的に僕は研究者に向いていて、いろいろ調べて論文書いたりするのが得意だったわけで、このポリシーは自分に合っていたなぁと思います。

しかし。「好奇心を大事に」というのが座右の銘とまで言えるかというとそうではないように思います。

座右の銘とは、いつも自分の身近に書き記して、自分の戒めとする言葉のことである。

とされています。

自分の戒め。
昔はそんなものはカケラもありませんでした。
でも…
今では、確実に「自分の戒めとしている言葉がある」と言えます。
なぜそこまで至ったのか。
そこには、かなりの辛い苦労の歴史があったなぁ…と今は思います。

今からもう10年以上前に、末期がんの親を看るために医局人事を離れ、故郷の病院に単身やってきて、全く知らない人たちに囲まれて仕事を始めたこと。
家庭でのトラブルで、肉体的にも精神的にも極限まで追い詰められたり。
母親と死別した後も父親ががんになり、認知症になり、コロナで死別し亡くなる時も立ち会えず葬式もできず。
自分の体も不調をきたして入院したり、歩けなくなったことも。
もう手術ができないかも…。どうやって暮らしていこうか…と目の前が真っ暗に。
そんなものすごく苦しいことがたくさんあり、時に人に冷たく接してしまうこともありました。するとそんな時は相手からの反応も冷たくなり、結局どんどん荒んでいくことに。
なので、途中から無理をしてでも人にはなるべく優しく接するように、仕事をするときにはなるべく楽しそうにするようにしました。
正直なところ、はじめは「もうこれ以上傷つきたくないから」でした。これ以上人から強い感情を浴びせられたら心がもたないな…と思って、なるべく穏やかに生きようと思って始めたことです。36~7才の頃だったでしょうか。
そこから2-3年経った頃、ふと思ったんです。
「この生き方。自分に合ってるな…」と。
みんなが自分を「優しいね」と言ってくれると心が更に穏やかになり、楽しそうに仕事をしているとみんなが助けてくれて、部下も慕ってくれる。

その時初めて気が付きました。
「ああ、これが座右の銘ってやつなのか」

ということで僕は今、自分で勝手に作った言葉
「人に優しく、仕事は楽しく!」を座右の銘として生きています。


講演のスライドより

僕がこうして座右の銘を本当に意識した今思うのは、
面接とかで若い子に「あなたの座右の銘はなんですか?」なんて聞くのは本当にナンセンスだということです。

「あなたのポリシーはなんですか?」「大事にしている言葉はなんですか?」ならまだ分かります。
でも、「座右の銘」とか…。
そんなこと言うやつには「おまえ、座右の銘って言いたいだけやろ!」と言ってしまいそうです。

いつも自分の身近に書き記して、自分の戒めとする言葉

そんなものは、僕は他人の言葉を流用するようなものではないと思います。
そしてそんな言葉が自然と浮かんできて、本当に自分の腑に落ちるなんてのは、正直迷って迷って、苦労して、どん底まで落ちて、これ以上傷つきたくないくらいまで至ってから、浮かび上がる時に初めて気が付くようなものなのではないか…。と思うのです。
あ、別に苦労自慢してるわけじゃないですからね。

だから僕は、逆に長く生きて苦労した人の「座右の銘」を聞いてみたいと思うし、その人がそこまで強く思うように至った歴史を聞いてみたいと思うのです。

あなたの座右の銘は何ですか?

<参考>
なし


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