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「隠者のすすめ」   詩・本多裕樹

「隠者のすすめ」






若い天才に負ける事もある

春の先見るところ

大いなる巨星もまたある

若い俊英あらわる


どこにでもいる

そんな動きある猛者が

青年は先輩を駆逐するそして進み

その力を示し、圧する


業に燃える青春の日々

老人たちはケチをつけ

自らを慰め

支配しようと示す


我が力なれと、組み入れて

右に座し

左に座し

お台に乗せて勢力に


花はしばらく踊らされ

花は力を失い

金も尽きる

柔らかくなりケチもまた傷つく


そんな天才も最初は脅威であるが、

だんだんと慣れていき

普通になり

そこで力を少しずつ蓄え


また、人の付き合いを学ぶ

今、ツノを出せば

たたかれ

ひっそりチャンスを待て


しかし、世の偉き人は

それを認めない

認めては負ける

負けたくない、ケチをつけ自らを慰めたい


誹謗中傷

これをもって才能を摘む

若き人よ

耐えよ


現世の権威が滅ぶので

負けている

耐えよ

小人のさかしらを


愚かなるは

賢きなりや

力を見せず

軟弱のように


愚かさは徳なりて

力強く見せれば

働かされて

忙殺され、捨てられる



愚かさもまた大事である

愚かしさもまた、知恵である

若い人は真面目だ

しかし、愚かという徳も生きるまた知恵である



いつしか、孤独になる

力あるがゆえに

しかし、自慢し

滅ぶ事もある


権威はまた怠けで

ケチをつけ

その王権を守る

革命は許さじして



時には、天才も必要な時代もあるだろう

それで死んで何の意味

生き上手もまた大事で

力あるなら、それを隠すのも処世術



賢才は賢才を見せない

頭の良い人はそれを知らせない

愚かというトッピングで

日々を生きる



そうしないと

挫折の人はお前を妬み

恨み

君は孤独になる



調和もまた大事で

馬鹿もまた知恵であることを知る

調和ができないなら

その場にいないかのように振る舞い



若き日に天才と呼ばれれば

危険な

悲劇な

サインだと知るようになる



お前ゆえに

多くの屍が広がり

お前は忙殺され

様々なチャレンジをもってかりたてられる



愚かであれ

賢くあれ

知恵深くあれ

そして、生きよ



何も無いように

無であるように

自然体で

無能であれば、消える



ツノは隠し

時には笑い

争わず

生き延びよ



命を失って何になろう

しかし、無能であっても

若き日は戦いの日々だ

そして、死ぬか生きるかだ



燃焼し、消えるか

軍神マルスのように

戦いに明け暮れ

滅びをもたらし、ただ勝つのか



そういう人もあろう

そのような運命の人もあろう

歴史を動かすかもしれない

やることやったらいいじゃない



燃焼した後は

平凡に

隠棲すればいい

無に生きる意味をその時、知ろう



愚者はこう言った。

愚かさも徳であることを

ツノは隠し

剣も鞘におさめ内実の徳を隠す




優秀すぎて死んで何になろう

優秀な人が多ければ世界は栄えるだろうが

頂点の極みで

滅びの可能性もあるということを




ほどよく、愚かであれ

自然であれ

剣は

青春の血潮であった



かつて、昔

そうであったことを

今は、反省の時で

隠者になりし今を





2024年7月23日本多裕樹

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