見出し画像

古民家を改修し自ら活用することで、空き家問題解消のヒントを探る~地域おこし協力隊の先輩が語る地域への想い~

こんにちは。萩市ローカルエディターの上田です!今回取材をお願いしたのは、空き家活用というミッションを手がける広瀬 耕さん。彼は令和元年11月に地域おこし協力隊に着任。自らも空き家を改修してみようと古民家を萩市三見に購入し、この冬改修作業がほぼ完了したそうです。我々の仲間でもある広瀬さんですが、彼がどうして萩市を選んだのか? そしてどうして自ら空き家を購入し改修して住もうと思ったのかなど、彼の人柄に合わせまったりとお届けいたします。萩市に移住をお考えの方、地域おこし協力隊に関心のある方などの参考になれば嬉しいです。
▷広瀬さんの活動動画「萩市 空き家活用による地域の交流拠点づくり

インタビュースタート>>

ローカルエディター(以下:ロ):広瀬さんよろしくお願い申し上げます。ではまず、萩に来る前はどうしていたのか教えていただけますか?
広瀬さん:出身地は山口県下関市です。県外に進学しそのまま就職しましたが、萩(山口県)に戻ってきました。子供の頃、親の仕事の関係で山口県内はいろいろ住みました。その中で萩にも住んだことがあって、大人になって改めて訪れたらいいところだなって思って。
ロ:なるほど。転勤で色々なところに住んだけれど、その中でも萩がよかったということですね。
広瀬さん:そうですね。
ロ:萩のどの辺がいいなと思いましたか?
広瀬さん:協力隊になる前に、一年位フラフラしていた時期があって。その頃いろいろ見て回って、やっぱり萩はしっくりくるな、と思って移住しました。
ロ:しっくりくるところを具体的に教えていただけますか?
広瀬さん:都会過ぎず田舎過ぎないところですね。
ロ:で、現在協力隊ではどんなミッションをやっているのか教えてください。
広瀬さん:私は空き家活用というミッションで入って、現在その一環として、空き家を改修して地域の交流拠点を作るという仕事をしています。
ロ:何か難しそうなミッションですね。そもそも応募の時から萩でそういうことをしたいという想いだったんですか?
広瀬さん:もともと古民家が好きでした。(協力隊に)入ってみて「空き家情報バンク」の運営業務を任されるようになり、空き家問題に触れる機会が増え、その中で実際に空き家の改修を自分でもやってみようって思いました。私は、もったいない精神が人より強くて、空き家とかそれに絡んで捨てられてる物とか“もったいないなぁ”って思うことが根っこの部分あるんですよ。基本的にケチなんで(笑)人が捨てる物とか“まだ使えるのにな”、“うまいこと再利用できたらなぁ”とかいつも思ってしまいます。
ロ:この古民家を選んだ決めては何だったんですか?
広瀬さん:「水回りがしっかりしていて、雨漏りや歪みのないところ」という条件で探していたんですけど、ここを訪れたときに、めがね橋が綺麗で川が近くていいところだなぁと思って…ここに決めました。

めがね橋(KOJI0156)s

画像2

その土地を好きになって“ぜったいに住むぞ!”って思っていたらどうにでもなる‼

ロ:広瀬さんにとって、三見ってどんな地区ですか?
広瀬さん:便利なところですね。便利に田舎暮らしができるところです。市内までそんなに遠くなく、かといって人がゴチャゴチャしてるってわけではなく、ちょっといったら買い物とか便利にできるけど、それなりに田舎暮らしができるところです。
ロ:今「便利に田舎暮らしができる」と仰いましたが、逆に不便だなぁと思う点はありますか?
広瀬さん:ご飯屋さんがないので、仕事終わりに今日は疲れたから食べて帰りたいと思った時、ちょっと遠回りしないといけないんで、そこは不便だなと思いますね。
ロ:あんまりお店とかないんですか?
広瀬さん:ないですね、この辺は。
ロ:地元の人との交流について教えてください。
広瀬さん:地元の人は、前を通った時とかに覗いてくれるんですけど、生活のアドバイスとかここら辺の土地柄とかは教えてもらえますね。
ロ:具体的にどんなアドバイスをいただいたんですか?
広瀬さん:ジャガイモを植える時期とかですかね(笑)最近植えたんですが、今じゃないそうです(笑)
ロ:空き家の改修は楽しいですか?
広瀬さん:楽しいことばかりではないです(笑)大変なこともいっぱいありますけど、そもそも大変かどうかもやってみないと分からないので、自分で体を張ってやってみて、やったからこそ、これから空き家の改修をしようとしている人にアドバイスとかできるのかなぁっと思って、とりあえずやってみました。
ロ:これは思ってたことより大変だったな、ということはありますか?
広瀬さん:床張りかなぁ…。床張りは簡単簡単って言われるんですけど、昔の家だから歪んでいているんですよね。で、歪みに合わせるのか、水平をとるのかってところで、結局歪んでいるものに合わせて作らないといけないところが大変でした。
ロ:なるほど、大変そうですね。で、改修作業は予想どおりの期間でできたのですか?
広瀬さん:そうですね…。予想通り行ってないですね(笑)もう少ししっかり計画を立てればよかったなぁと思いました。どうしても目の前にあるものに対応してしまうんですけど、大工さんの動きとかを見ていたらすごい早いですね。動線が短いというか効率的な動きができているというか…。素人の自分としては勉強になりますね。
ロ:いろいろ経験を積まれたと思いますが、これから空き家を買って自分で改修していきたいなぁっていう人にアドバイスありますか?
広瀬さん:最初はその土地を好きになることですね。ゼッタイに住むぞ!って思っていたらどうにでもなると思うんで。土地を好きになれずに移住~空き家改修を進めた場合、きっと心が折れると思いますね。
ロ:土地を好きになる方法やコツって何かありますか?
広瀬さん:まず周りを散歩して(笑)いいとこだなぁって感じれば、それはそれで正解なんで。そんな風に自分にとって良いことを探して「ここに住みたい!」と強く思うことですね。

自分ひとりでぜんぶやろうとしないで、地域の人たちと一緒にやってみる!

ロ:改修後、この家はどういう場所になったらいいなと思いますか?
広瀬さん:自分の住居でもありますが、地域の交流スペースとしての役割も担っているので、誰でも気軽に出入りできるような、のんびりだらだら過ごせる場所ができたらいいなと思います。そして、地域内と地域外を結ぶ場所になればいいなと思います。地域の人を呼んでその人たちを講師にしてワークショップを開いたり、逆に外部から人を呼んで地域の人に何か提供できたらなと思います。基本的にはご近所さんメインでやっていきたいなと思いますけど。
ロ:協力隊で良かったなぁと思うことはありましたか?
広瀬さん:空き家に若者が来て何かゴソゴソしているって、不審がられますよね? でも地域の人に「地域おこし協力隊です」って説明すると、ある程度の信頼が得られるので便利でした。地域でネームバリューがある協力隊で良かったと思いますね。
ロ:これから地域おこし協力隊に応募したいと思っている人にアドバイスをお願いします。
広瀬さん:地域があってなんぼなんで、自分だけでぜんぶやろうと思ったら難しいと思うので、地域を大切にするということが一番なんじゃないかな、と思います。
ロ:そうそう、これはぜひお聞きしたかったのですが、萩市でWeb公開されている、地域おこし協力隊・広瀬さんのプロフィールに「豊かな人生とはなんぞや、と考えて」とありましたが、広瀬さんにとって豊かな人生とは何ですか? 現時点での思いを教えてください。
広瀬さん:まだ探求中ですが、現時点では…… 豊かさっていったら、のんびりできることかなって思います(笑)ボケーっとできるのが豊かさだな、と。
ロ:なるほど、ありがとうございました。

画像3

画像4

~広瀬さんは自宅である古民家に、自らの理想が詰まった空き家活用交流スペース「古三堂(こさんどう)」をオープンさせました(毎週火曜日、10:00〜15:00/使用料:無料)。近くに来たらフラッと立ち寄ってボケーっとしてみませんか?~
『空き家情報バンク』に興味のある方は▷ https://www.city.hagi.lg.jp/teijyu-akiya/search/search.php
●『空き家情報バンク』とは? 萩市ではUJIターンの方への定住支援のため『萩暮らし応援センター』を設け、物件情報の提供を行っています。『空き家情報バンク』ホームページに掲載の情報で、ご希望の物件がありましたらお気軽にお問い合わせください。また窓口利用をお考えの方は利用希望者登録の申請をお願いします。詳しくはHPをご覧ください。
・インタビュー:萩市ローカルエディター JO.Mutsumi、上田晃司
・撮影:上田晃司

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?