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ドラマ『琅琊榜』で学びたかった中国語~第三十四集①

2024/07/31
誤字を訂正しております🙇
详→祥

サブタイトルは「正しき選択」。懸鏡司(皇帝直属の諜報機関)に捕まった赤焔軍で林殊の副将だった衛崢救出について、梅長蘇や靖王、蒙大統領たちが話す場面の続きである。


衛崢救出には掌鏡使(諜報員)の夏冬の協力が不可欠だと言う梅長蘇。彼女の亡くなった夫は赤焔軍先鋒の将軍・聶鋒である。第二十三集で夏冬は赤焔軍、そして夫の身に起きた真相を知っている。

夏冬に協力を求めるならば、靖王の謀士・梅長蘇が頼むより同じ痛みを知る自分が頼むと提案する靖王・・・そう話す靖王と梅長蘇の顔を見比べる蒙大統領のなんとも言えない顔が視聴者の気持ちを代弁してくれる。

不祥 不祥啊

夜に天象を観測していた太子令が、夜空を見上げて言った。

不祥 不祥啊
ー不吉だ 実に不吉だぞ

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第34話
太子令

▼不祥啊(bù xiáng a)
「祥」のみなら「めでたい」「縁起が良い」という意味だが、否定の「不」がつくとそのまま「不吉だ」という意味になる。太子令のセリフで2回目の「不祥啊」は、感嘆の文末助詞「啊」が加わっており、字幕では「実に」とつけることでそのニュアンスを出している。

何が不吉かというと東宮位が移る兆候があったからだった。これを「天意」とした皇帝は、新年を迎える前に皇太子を廃した。代わりに靖王は誉王と同格の七珠親王に昇格した。

我有些困了 想睡一会儿

また大みそかの夜になり、皇宮では宴が開かれていた。第十四集が「大みそかの夜」だったので、この第三十四集までの20話で一年が過ぎたという事だ。この宴の裏で、静妃の侍女・小新は密かに秦般弱の仲間・四姐に会っていた。四姐は誉王妃の侍女として皇宮に忍び込んだのだ。

この場面で、小新が静妃に忠実な侍女ではなく、滑族で秦般弱の手下ということが判明する。

そうですよね、彼女が余計なこと言って、靖王が激怒して離間の計が成功したのだから。

国の再興のために滑族として生きることに疑問を持つ四姐は、まだ若い小新に深入りせず程々に、と忠告する。

そして四姐のアドバイスは正しい。
おそらく賢い静妃は既に小新を疑い始めている。

大みそかや新年の行事から戻って来た様子の静妃は、公式な場に出る時の髪飾りを侍女たちに外してもらった後に言った。

我有些困了 想睡一会儿
ー眠いから少し横になるわ

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第34話
静妃

▼我有些困了(wǒ yǒuxiē kùn le)
「我」は一人称、「有些」は副詞で「少し」「いくらか」という意味、「困」は「眠い」「眠くなる」で、おそらく変化を表す文末助詞「了」がついて「私は少し眠くなった」という文になる。

▼想睡一会儿(xiǎng shuì yīhuìr)
「想」は「~したい」、「睡」は「眠る」「横になる」、「一会儿」は「ちょっとの間」「しばらく」「少し」である。「一会儿」の「一」は、後ろに四声の音がくるため、実際には第二声「yí」と読む。

全体で「私は少し眠くなったので、しばらく横になりたい。」になる。侍女たちを下がらせた静妃は、奥の個室で密かに安置した宸妃の位牌に線香をあげた。第三十二集で宸妃の供養をするよう皇帝に内密に頼まれたものだ。そしてそんな静妃の様子を寝所の外から探る小新。

穏やかで賢い静妃の芷蘿宮にも不穏な動きが・・続きは次回に。

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