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ほんもの寺子屋 夏休み体験授業を開催しました!(社会編)

8月20日(火)、ほんもの寺子屋にご興味を持ってくださっている
お子さん・ご家族向けに体験授業を開催しました。

今回はありがたいことに、
山梨日日新聞社の記者の方が取材に来てくださいました!
ほんもの寺子屋が、初めて新聞記事に登場する、かも(笑)

今日の1時間目は社会です。

8月4日に行った体験授業について、
1時間目の理科についてはこちらを、
2時間目(前半)の算数についてはこちら
2時間目(後半)の国語についてはこちら
ご覧ください。


社会の授業というと、
暗記教科というイメージが強いと思います。

一般的に、学校における社会の授業は
「暗記したことがテストで書けるかどうか」が重要で、
テストで点を取ることは、
入試で合格の可能性を上げることとほぼ直結します。

結局、人生の糧となることをどれだけ学んでいるのか
よく分からないという批判を受けることが多い教科。
それが社会という教科のイメージではないでしょうか。

本当は、ちがいますからね!

ほんもの寺子屋の授業は、テストのための勉強ではありません。
子どもたちが将来、自分の力で幸せに生きていけるために
様々な知識・考え方・心を養い、
自分のものとしてもらいたいと願っています。

社会では
・山梨、日本、世界を知る
・いろいろな仕事やルールを知る
・歴史から因果応報を知る

ということを3つの大きな柱として勉強しています。

「山梨、日本、世界を知る」

自分の身近な地域に興味関心を持って、
願わくば在学中にこの山梨の豊かさをたくさん知り、
誇りを持ってもらいたい。
日本に対しても、同じ想いです。

興味関心が外に向かえば向かうほど、
巡り巡って、自分は何者なのかを知ることになります。

自分自身でどんどん興味を広げてくれたら最高だと思いますし、
授業では、興味を広げてくれる知的好奇心をくすぐり続けます(笑)

「いろいろな仕事やルールを知る」

世の中にはどんな仕事があるかを知ることは
極めて大切です。

ほんもの寺子屋では、博物館や史跡を観るため、
校外学習を定期的に行っているほか、
今年度は新たに職業体験の授業もスタートし、
生徒たちに大人氣です。
わたしもやりたい(笑)

たくさんの仕事を知るとともに、
世の中のルール、具体的には法律などにも
触れています。

「歴史から因果応報を知る」

難しい言い方で恐縮ですが、
歴史こそ、わたしたちがしっかり学び、
未来に活かすべき「心の勉強」
だと考えています。

悪いことばかりしている王様は、
結局国民たちを怒らせて、殺されてしまいます。

他の国に対してよいことをした国は、
巡り巡って、後の時代で逆に助けてもらったりします。
(例えば、東日本大震災の時、
真っ先に大きな義援金を送ってくれた台湾のような行動を
「因果応報」と捉えると、様々なことが見えるはずです)

「過ぎ去った過去を覚えても意味ないでしょ」
ではないのです。


わたしたちは過去から学んで、
未来に活かすことしかできないのです。


同時に、国同士が仲良くなったりケンカしたりすることは、
わたしたち個人の振る舞いと
驚くほどよく似ています。
歴史とは、人の心の履歴書みたいなものですから、
当然といえば当然なわけです。

例えば、第一次世界大戦の頃の各国の思惑を
わたしは「クラスの女子グループのいがみあい」にたとえて
説明したりします。

敵の敵は、味方。
そこと仲良くなって、挟み撃ちして相手を倒す。
言い方は悪いですが、
骨肉の争いって、こんな構造がどこにでもあるわけです。

難しい国際情勢であっても、
クラスの女子グループのケンカにたとえるだけで、
いろんなことがスッキリ見えてくるから不思議です。


さて、思いっきり脱線しました(笑)
社会の体験授業のお話です。
もちろん、社会の授業のコンセプトについては
体験授業の中でコンパクトにお話ししています(笑)

今回お話ししたことは、次の3つ。
1. 世界の主食について
2. 日本って、意外と大きい
3. 地図上の直線距離は、最短ではない

まずお話ししたのは、「1. 世界の主食について」。

世界には、暑い国も寒い国もあります。
ですから、暑い国でよく育つ作物、
寒い国でも栽培できる作物、各地で違うわけです。
このような条件の違いによって、
主食のあり方も変わってきます。

日本の主食は、お米です。
お米は税金として作られたり運ばれたりしましたから、
お米を食べるなんてもったいないという時代もありました。

イタリアはピザやパスタで有名ですが、
主食はパン。フォカッチャやグリッシーニというパンが
食べられています。

こんな感じで、ほかに
・ベトナム
・ガーナ
・中国
・フィンランド
・ブルガリア
・メキシコ
・ペルー
・インド
・タイ
・ロシア

の主食をご紹介しました。


暗記ではなく、
「土地の風土に合った食べ物が食べられている」
というのが分かれば花マルです。


世界各国をめぐりながら、
地図の位置を確認したり、
その国の代表的な料理を見てみたりと
世界を旅する感覚で授業に参加していただきました。

次にお話ししたのは、「2. 日本って、意外と大きい」。

世界地図を見ると、日本ってすごくちっちゃい。
ところが、一般的な世界地図は
球体の地球を無理やり紙一枚に落とし込んでいるため、
北極や南極の位置ほど、実際よりもだいぶ大きく
描かれてしまいます。

「the true size of」というウェブサイトがあります。
ぜひちょっと遊んでみてください。
https://www.thetruesize.com/

ここで例えば「Japan」と入力すると
日本が自由に動かせるようになるのですが、
あら不思議、北極や南極の方(高緯度)にずらすと、
日本はものすごく大きくなってしまうのです!


様々な国の大きさをこうして比べてみると、
日本って結構大きな国だったんだということが
よく分かります。
自分の国がどれだけ大きいのかを知っておくのは、
大切なことだと思います。

最後にお話ししたのは、

「3. 地図上の直線距離は、最短ではない」。

地図の東西南北を説明した後、
さっきお話しした地図は、大きさはメチャクチャだけれど
方向はバッチリ合っていることをお伝えしました。

航海において、方角の情報は一番大切です。
方角に特化した地図が、
現在一般的な地図の形なのです(メルカトル図法)。


さて、日本からアメリカに飛行機で行こうとする時、
最短距離といったら、まっすぐ引いた直線を思い浮かべるはず。
しかし、実は違うのです。
正解は、日本からアメリカにビヨーンとジャンプしたかのような
弧を描くのが最短。

地球は球体ですから、
地図の横方向(緯線)に動くと、
逆に遠回りなルートになってしまうのです。

南半球の場合は、北半球と逆。
上に凸ではなく、下に凸の軌道を描くのが最短です。

下記サイトなど、分かりやすくて面白いと思います。
ウェブ地図で大圏航路を表示する Leaflet版
https://user.numazu-ct.ac.jp/~tsato/webmap/sphere/great-circle/


今日お話ししたことは、ある意味ですべて雑学ですが、
実は本当のこととして知っておきたいことばかり。

こんな変な社会の授業をやっています(笑)


ほんもの寺子屋の夏休み体験授業は、あと1回開催予定です。

実施日時
―――
8月29日(木)
1時間目(10:10-11:00)
国語・算数

2時間目(11:10-12:00)
美術
―――
ほんもの寺子屋に入りたい、入ることを考えてみたいという小中学生が、それぞれ8人まで授業を見たり体験できます。今回は特別に無料です(保護者も見学される場合は1家庭1000円)。寺子屋に通っている生徒は参加せず、希望者のみの体験授業となります。
場所はいつも寺子屋で授業を行っている甲府市富竹のおうち。
くわしい場所は、申し込みの後にお知らせします。下記お問い合わせからお申し込みください。

文:前田友和


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