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でこぼこ道の先へ

久しぶりに母の声を聞いた日。ふとした会話から、気づいたら昔の話をしていた。小さい頃から踊ることは大好きでバレエを習わせてもらったけれど、自由奔放な私にとって、トラディショナルで縦社会なクラシックバレエは辛く感じることも多かった。

バレエのクラスが長引いて、冬の寒い中お風呂上がりに車で迎えに来てくれた母を車で待たせてしまった日。なかなかレッスン中に携帯には触れられず、悩んだ末に出した決断は早退することだった。急いで車に乗って謝ると、母は「いいよ、そんなに待ってないもん。」と言って笑った。でも少し唇が青ざめているように見えて、悪かったなと落ち込んでいた。

次のレッスンの時、先生に早退したことを謝ったら無視されて、しばらく口もきいてもらえなかった。上の人に逆らうってこういうことなんだと学んだけれど。でも私は早退を後悔したことはない。今ならもっとどっちも大事にできた方法を思いつくけれど、当時の私には母が一番大事だった。

昔のことを思い出すと、辛くて泣いたりうなされたりしていた時期もある。自分の本心と行動が離れすぎて、接触障害のようにコツコツになった時期や、うつうつとしていた時期も。でももう、あまり何とも思わなくなった。思い出しても、自分をあまり出せない女の子(小さな私)がそこにいるだけ。映画を見ているように、同情することはあっても、境界線を超えて踏み込んでいくことはない。

今までたくさん踏み込んで、一緒に泣いてきたから。やっと小さな私と手を離すことができたようで、女の子も勝手に育っていくんだろうな。その子に「自由にのびのびとね。」と声かけられるようになった時。過去が辛く感じていたのは、今辛かったり本心で生きていないからだったんだと。過去が今の私にまとわりついていたのではなく、今の私が過去にしがみつき、「…たら。…れば。」と言っていただけなんだと。

ちょっと重くなっちゃったけれど、今日もここまでありがとうございます☺️

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