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第3回 母娘が店主を務める創業50年の老舗喫茶店『ミモザ』

東京都心とはいえ7月の日差しが暑かった銀座で職場からほど近いところにある喫茶店に目が止まったコーヒー350円・アイスコーヒー370円という低価格の看板に看取られ会社の休憩時間に絶対にここを訪れようと決心した。

店の外観には年季の入った様々なポストカードが並べられそれらは販売も行われていた。ここがアートの街だと再認識できるような個性的なデザインをした物も多かった。

店に入ると夏の暑さを忘れる冷房の効き具合で店内もどこか祖母の家を彷彿させるようなノスタルジックな匂いとコーヒーの芳醇な香りで満ちておりテーブルに着くやいなや店主の静かな中年女性が茶色い粉の入った灰皿をテーブルに置いた。奥では彼女より年上の女性が調理に勤しんでいた。このサービスに喫煙者である私は感嘆した。

コーヒーを注文しそれをいただく。シンプルで美味いの一言であった。この昼時の時間には常連と思わしき中年男性達や1人で来る小綺麗なOLの姿もちらほらあった。みなこのノスタルジーでレトロな空間の虜になっているのだろう。

会計の際に店主の中年女性に事の話を聞いてみたら母娘という関係でどうやら創業して50年を突破したとの事だった。昭和通りから少し入った東銀座のそわっとした場所にある喫茶店だったが確かにここには人々の心を癒すノスタルジック空間は実現した。なかなか実家に帰れない喫煙者の方こそ銀座から少し足を伸ばしても行ってみてほしい店であった。

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