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マイクロフィルムの劣化救済について

1945年の創業以来、紙・デジタル・フィルム等の様々な媒体について発生する。
お客様の困り事を一緒に解決させていただいてるエイチ・エス写真技術株式会社です。

皆さまの職場では過去に作成したマイクロフィルムが眠っていないでしょうか、マイクロフィルムは保存環境が悪いと劣化し見れなくなることをご存知でしょうか?
高いお金をかけて作成したマイクロフィルム、その大切な資産.(情報)が劣化により見れなくなればとても大きな損害になると思いませんか?

弊社は1951年にマイクロ写真方式を米国から我が国最初に導入、以来、長きに渡りマイクロフィルムに携わってきましたので、劣化したマイクロフィルムに対しても様々なノウハウがございます。
今回はマイクロフィルムを劣化から守る方法や劣化した場合の対策についてお話しいたします。

1.マイクロフィルム劣化の原因

材質や取扱い方、現像工程等の様々な理由でマイクロフィルムの劣化が   始まりますが、劣化について一番の原因は保管環境です、保管場所の温度や湿度が主に影響します。
なお、劣化が始まると酢酸臭(ビネガー)が出るのでビネガーシンドロームと言われています。

2.マイクロフィルム劣化を予防するためには

マイクロフィルムの材質にはTAC(トリアセテートセルロース)とPET(ポリエステル)があります。
長期保管の条件はTACの場合、温度が2度以下なら湿度が20~50%、3~6度なら20~40%、7度以下なら20~30%が長期保管条件と言われています。通常ではかなり難しいのではないでしょうか。
PETの場合はまだ対応しやすく、21℃以下で20~50%が長期保管条件とされています。
適正に保管した場合の寿命はTACフィルムは100年、PETフィルムは500年と言われてます。

3、劣化した場合の対応策

マイクロフィルムが劣化してしまった場合、その進行度合いにより対応策が変わります
◆軽~中度の進行
マイクロフィルムの複製や電子化が有効です、その他として短期の延命措置方法では、箱や帯を中性紙タイプに代える、リールを通気性の良い穴あきタイプに変更、巻き替えを行い酢酸ガスを放出、乾燥剤の挿入、フィルム洗浄、臭いのするマイクロは隔離し他へ移らないようにする等の方法があります。
◆重度の進行
重度の場合はマイクロフィルムの複製や電子化作業も出来ない可能性がありますのでマイクロの修復作業が必要です、一時的に修復し、修復してから複製や電子化を行います。
あくまでも複製や電子化するための一時的修復なので、修復すれば治るわけではありません。
あまりに劣化が進んでいると35mmフィルムに500駒として数コマしか修復できない場合もあります。

■まとめ

特にTACベースのフィルムについて劣化が起こりやすいです、TACは1950~1992年頃までよく使われていました。(それ以降はPETのみ、見分け方としてPETは明るくTACは暗く見え簡単に引裂ける)
まずは、酢酸臭がしていないか一度マイクロフィルムをご確認ください。
ご要望いただけましたら弊社が状況確認を行います、まずはお気軽にご連絡ください。

■お問合せ ⇒ http://www.hs-shashin.co.jp/


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