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「ストッパー毒島」ハロルド作石


独創的なストーリーと間で心を掴むハロルド作石

こんにちは、ひろつかさです!
今回も古くて面白い漫画、そのまま「古面白い漫画」を紹介します。

今回紹介するのはハロルド作石先生の「ストッパー毒島」です。
ハロルド作石先生と言えば映画化、アニメ化もされたバンド漫画「BECK」は知っている人も居るかと思います。
最近ですと「ぼっち・ざ・ろっく!」でまたバンド漫画が盛り上がりましたが、BECKが出るまでは中々一世を風靡したバンド漫画はありませんでした。
そんなバンド漫画の金字塔である「BECK」の作者がそれよりも前に書いていたのが「ストッパー毒島」です。

どんな作品?

・ストーリー
プロ野球入りを目指す高校生・毒島大広は、非凡な才能を持ちながらも素行不良から野球部に入れてもらえず、学外での乱闘事件をきっかけに高校も退学になった。しかし毒島を中学生の頃から見ていたパ・リーグの弱小球団・京浜アスレチックスの木暮スカウトの働きもあり、1995年のドラフト会議でアスレチックスから8位指名を受ける。入団を渋る周囲の人間を自慢の剛速球で捻じ伏せた毒島は、チームのストッパー(抑え投手/クローザー)を志願し、シーズン60セーブとチームのリーグ優勝を目指して1年目から大暴れする。
ウィキペディアより抜粋

端的に言うと野球漫画です。
それもプロ球団に入り、その中で活躍をしていくという漫画で、ある程度リアリティのあるプロ野球漫画は当時あまりなかったのでないでしょうか。
破天荒な160キロ左腕が主人公というだけで、あり得ないような魔球で活躍をする、よくある少年向け野球マンガを想像してしまう人も居るかもしれませんが全くそんなことはありませんのでご安心ください!

野球漫画というと、今では「ダイヤモンドの功罪」のように野球を舞台として使用した人間ドラマを描くものや、「BUNGO」や「ダイヤのA」のようにキャラクター同士の試合に重きを置いた漫画、はたまた野球選手という職業やそれを取り巻く人間の人生を描く「ドラフトキング」のような漫画と、野球漫画といっても幅が広くなっています。

そんな野球漫画が多様性を持つきっかけになった漫画の一つと言っても過言ではないと思います。
それまでは巨人の星やドカベン、キャプテンなどに代表されるような試合としての野球漫画が中心だったのですが、この「ストッパー毒島」はもちろん試合ありきではあるものの、そこにいる選手のキャラクターの人間模様がしっかりと描かれ、また技術的な面でも巨人の星などで出てくるような「大リーグボール」のような必殺技ではなく、今では選手が普通に使うチェンジアップやカットボールといった実際のものをいち早く取り入れた作品です。
ストーリー漫画好きにも野球漫画好きにもちゃんと刺さるようにできており、非常に完成度が高い漫画です。

どんな人にオススメ?

一番読んでほしいのは、やはり最近の野球(スポーツ)漫画好きの人です。
最近ですと、「ドラハチ」「ドラフトキング」のような作品が好きな人は是非。
古い漫画を読むときの欠点としてはどうしても、今だったら当たり前にできることがハードルとなって話のテンポが合わなくなることや、そもそもの男女や上下関係などの人間関係の意識の違いというとことだと思います。
ですが、プロ野球界という切り口のため、そこに限定してみれば、20年以上前の漫画にも拘らず、違和感はなく読めるはずです。

また「BECK」やその後の作品の「Rin」「7人のシェイクスピア」のような少しスピリチュアルな不思議な雰囲気が全体として漂っており、ただの野球漫画に収まらないなんともミステリーチックな読後感もあります。

何よりも、ハロルド作石先生は間の使い方、1枚絵の使い方に長けており、とあるキャラクターのホームランのシーンはその1枚の見開きの絵だけでも鳥肌が立つような見せ方です。
是非そこは読んでみて確かめてください。

最後に

今回は前回とは打って変わって当時漫画を読んでいた人、そもそも作者を追っている人以外はあまり知らないようなものを挙げてみました。
今後もジャンル問わずに紹介していきますので、これは!と思った方は是非ご一読ください。
ではまたー!


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